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はじめてのまおう~《勇者に俺ツエーさせるRPG》   作者: どたぬき(仮)
第16章 ガチャガチャマスター(第一編)
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27-夏SP7 必要悪は利点もあるから言われます。

「ここのスラムにきたがらない…冒険者クランも多いですし…かわいい子供は買われるから…大人が…。」

「かわいい子どおは別なの?」

「ここは人口的な側面もあるの。」

 この世界…いやこの都市における男女の割合は7割女性だ。3割もどうにか他の国から男性を寄せてようやくと言ったところだ。そんなこのリンシュメルトでの女性の地位は特にダンジョンで肉を回収する冒険者クランを筆頭にかなり高い。今でも騎士団でさえ9割女性で構成されている。そんな中での男性が多いこのスラムである。こっちの…リラシルトの常識を持った…男性優位社会にいた頃の男子は…たとえ男性不足と言われても…引き取られなかった。

「一応…人さらいというか、引き抜きは…村に寄って来るんですが…例の奴隷大会以降、このリンシュメルトにも違法奴隷商会も増えて…。」

「それまずくない?」

「捕えるべきよ!」

「いえ!やめてください。」

「どうして!」

 憤る南さんを…院長さんが止める。

「ここの…男手を他の村に持って行く…そう言う物です。ですから。」

 それからの院長さんの説明により分かってきたのは…地方の人手不足に対応するのと、子種不足を補うために…村の存続のために地方の農村に売り飛ばそうと…奴隷商人が斡旋に来るのだ…売るのは…女性だったりする、又は…ここで子供を産むだけの商売に徹した親だ。いい物じゃあない。だけど開拓村が多く、またこのスラム方出ていく手段としてお互い納得の上で…買われていくのだ。止めたら…ここの貧困地域で食う物もなく…死ぬだけだという。

「でも違法よ。でも…。」

 泣きそうな顔と怒る顔が交互になっている南さんもいるが…僕も複雑な感じだ。今のところ必要悪だ。というより地方あっせん業というものが、奴隷商という名前になっているだけだ。

「でもさ、スラムに人多いよね。」

「一時期よりは少ないですが…売れ残りが無いとは言い切れません。お互い…選ぶ権利があるのですから…。」

 この一言で、僕と…ハーリスは察してしまう…確かにそうだ。奴隷商も人路選んで斡旋する。向こうで幸せに働いて欲しい人間をだ。クダを撒いて酒を飲むだけの人間を雇いたくない。子供も可愛いが頭がよく将来性がある方がいい。そのどれもになれない人たちの多くが…こっちに流れてくるのだ。

「確かに…東と西も…冒険者街があるものね。」

 東のダンジョン傍には…格安賃料とダンジョン傍の立地を生かして冒険者を抱えたり、素材を売る商会が店を構えている。一応平均的値段でイーハ商会が買ってくれるがあれはダンジョンで加工したり…又はダンジョン向こうのもっと肉に飢えた連中が買うのだ。そうして出来たなめし革の服などが売られている。がんジョンであるので服も冒険者には人気だ。なめし革のパンツまであるくらいだ。

「そこで金がなくなり…食えない人たちがこっちに来るんです。そこで…農村行きを承諾してくれて…引き取られるならまだいいんです。ですが…諦められない人たちもいるんです。」

 諦めきれない…夢を見たのに…まだ…。いや、普通に言えば働けなければ生きていけないほど厳しい…ここで一週間に一度の炊き出しがあり、後の6日さえ生き延びれば生きてはいけるのか…。

「でも、あれだけ、減ったって事?」

「こっちに里子として引き取りたいという方は一定数います。こちらで出来るだけ調べた後に…引き取ってもらいます。必要とされるだけでも…人は生きやすいですから。」

 その言葉に僕は身につまされる思いがした。

「まあ、仕事としてはお城で…語るわ。ここでは…言わない。でもまあ…となると…。」

「一年前には200人いて、通いにしていた子供たちが今では25名…住みこんてもらっていいだけの数になっています。それに…冒険者の中には両親が無くなりこちらに預ける…ギルド員や不動産屋も多いですから。」

「そう言えば、中央は聖堂だから…孤児院事業をやっていけるのはここだけよね…25名は努めて減ったって事で喜んでいいとは思うけどね。」

 南さんもいい顔しない。

「せめて、人生に楽しい事があると…なんかないかな?」

 南さんがすがるようにこっちを見る。

「考えさせてほしい。僕もさ…ちょっと考えることがある。」

 スラムに楽しみを…って事か。

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