27-35 あえて普通の勇者の学校編 よく考えてみると、なんで私達はここにいる?
ドランは起こりながら、俺達に下宿先に戻ってきた。
「あれは腹立つのじゃ!あの馬鹿どもめ!」
「どういう事だ?こっちに分かるように説明して欲しい。」
「単純じゃよ、連中はしょうもない依頼で…わしの金をそぐか…裏を探るつもりだったんじゃ。」
「どういう事だ?」
「二人とも座るんじゃ。儂が茶を入れる。」
そう言うとメイトリーさんと俺が応接間に座り、ドランは影で椅子を作ると、そこに座った。
「あれは儂らの金を削るというのは…あの依頼は彼らにとってどっちでもいいんじゃ。」
「どういう事だ?」
「確かに喫緊に見えるが、中央からしたら、山二ツ挟んだ向こうじゃ。徒歩で2か月。行軍ならもっとかかるじゃろう。そんな場所に軍隊を出す気はないんじゃ。」
「ふむ…。」
「それにゲートも南やギルドに頼め場、何とかできるはずなのじゃ、それをしないという事は緊急性はないか…又は、”わざと使わない”じゃ。」
「わざと…ですか?」
メイトリーさんも訝しがっている。
「そうじゃ、儂らにゲートの金を払わせて…報酬は名誉職っていうあれじゃ。そう言う参勤交代の計じゃな。それで力をそぎたいという考えじゃ。それか、ジャンを顎で使う事が出来る…即ち儂がいる場所を
探って…わしがここから動かん理由を探っておるのじゃ。」
そう言えばドランはどうやって本国に帰ったり、こっちに来てるんだ?…そこか。柳田さんが知りたいのは。
「だから策を弄してきおった。欲しいのは勇者大陸からの脱出方法じゃ。」
」え?この大陸出れないの?」
「ゲート無しでは現行無理じゃ。」
「それは初耳でございます。」
そこから説明されたのが、現状の海の話だ。今大陸間・・・三つの大陸があるのだが。その三つの大陸の愛だの海はモンスターが巣食い、常に嵐が渦巻く非常に危険な海だ。その為船が生存された状態での航行は”船のダンジョンマスター”以外不可能らしい。だからこそ、大陸を移動できる手段は各ダンマスでも切り札になる。
「どうも教授だけが海を渡り…フォレスタに着いたそうじゃ。それ以外だとリューネお姉様だけじゃな、あの方は上空かららしい。その二人だけじゃ、航行に成功したのは。」
「それで支配地域が多いんだ。」
「これもギルドの権益じゃぞ。だがな…そこで出てきたのが…ジャン達”イーハ商会”じゃ。」
「どういう事だ?」
「一応渡る方法はあると言いたいのじゃがほぼないんじゃ。一応あるにはあるんじゃが…あまりやらん。」
「どういう事だ?」
「ダンマスの領域は売買ができるのじゃ。ダンジョンバトルの結果として。取引可能なんじゃよ。それで遠隔地を売買してもらえば可能なのじゃ。が、ダンジョンマスターたるもの、ダンジョンやダンジョンの領域の売買はめったに千、自分の喉元にナイフを指す内容じゃからのぉ。」
「あ、そう言う事か…。裏切り者がいると…考えたのか…ギルドは。」
「わしは流石に柳田もこんなずさんな手を使うとは思わなんだ。だからこそ、受けないという手もあるんじゃ。だが連中が折れるまで待てばええ。儂はそう思うのじゃ。」
なんか難しいけど、依頼だけでこんなに政治的になるとは思わなかった。でも確かに移動するって大事だよな。
「さて、待つとするか…。準備はしておいたからのぉ。」
準備?何の事だ?




