27-34(1) あえて普通の勇者の学校編 交渉と煮え切らない何か
まあ、実際俺達に勇者っぽい衣装もない普通のお兄さんと、村娘の衣装だったりすると言いたいんだが、最近メイトリーさんについてはドランからメイド服を渡された。のでメイトリーさんはメイド服だ。
そして、実は勇者っぽい服なんてないので俺は村人の服装だったりする。最近の冒険者は革鎧とかあり、僕もエルフたちにレンタルしてもらったウッドアーマーだったりする。ただ…。
「その鎧…大方鋼鉄より固いのじゃ。軽さもあり…最高ランクじゃの。」
「え?」「
「それがエルフ特殊素材の様じゃのぉ。」
最近着る機会が減って、磨いてから着ることにした。鎧は来ていると肩がこるんだよな…まあ、そんな初心者にメイドさんとお嬢様が付いているわけで、そんなのを冒険者ギルドに来て事情説明
をしてもらうために来てみると…さすがに絡む冒険者はいないが、それ以上に商人達の”何場違いなところに来てるんだよ”という圧力が怖い。今回は…それでもエミリさんに案内され…上の階の応接間に
通される。
「よく来てくれた。」
出迎えは…宰相である柳田さんだ。
「すまないな…今回は緊急案件になる。情報に精度が欲しいため、君たちになった。」
「どういう事じゃ?」
「まず説明させてほしい、一昨日の深夜、冒険者ギルドに来たある依頼人・・・の村人の話だ。」
その話を要約すると、場所は北部と西部の間の山間部にある村だ。ここは男爵が治める場所だったが、そこの村の近辺にゴブリンが確認された。緑色の小人というからそうだろう。只どう見ても
主要地及び係争地から離れた…山々だ。そこで2か月前に村人が緑色の小人の群れに襲われ村は被害が出て…特に農民の男子に負傷者が多く現れた。これスタンピードの予兆か又は…先日の
大攻勢もある。ただ…
「そこは山を二つ入ったかなり道のない場所なんだ。…軍隊が派遣できない。」
そう、山道が狭い上にこれが2か月前というのも、道が悪かったうえに、遠くて…しかも…歩きだったらしい。その為報告が遅れたそうだ。
「厄介じゃの。」
「そこに大戦力が現れたらまずい。ダンジョンがありうるんだ。だからこそ…君たちを派遣したい。」
確かにそうだが、早計と言えばそうだ…。
「まあ、報酬は分かっておろうな。」
「分かっている。が今回は、色々用意した。我々の方で、いくつか…出すつもりだ。ただ、まだ決まっていない。だからこそ、まずは…その結果を出して欲しい。」
「で、そこまではどうするつもりじゃ?」
「それは、王妃の帰還に合わせて移動してもらう。」
「あやつ帰っておらんかったのか?」
「行きは南に出してもらったんだ。費用は。それでぎりぎりまで買い物をしてから帰るという事になり…王子共々、こっちで遊んでる。そこにこの報告だ。」
「お主の工場員は出せなんだか?」
そう言えば柳田さんの所には歴戦の兵士であるスケルトンファクトリーの兵士たちがいる。
「それが今は東の町の復興で派遣している。が…分かるだろ?」
どういう意味だ?
「ふむ、分かったが…それは何日後じゃ?」
「出来れば急いでほしいが…。」
「儂、そう言うせこい手は嫌いなんじゃ。お主らのメンツとか、儂にはあずかり知らぬがここは頼む側じゃろ?行くに何年もかかる場所に派遣なぞ無理じゃ。お主らが手を下すべきじゃ。」
???どういう意味だ?
「…すまない。それ以上は…。」
柳田さんは頭を下げるが…ドランは付き合う事はなさそうだ。
「話にならん。帰るぞ。話になる段階になったら呼び出すがええ。」
そう言うとドランが帰ってしまった。俺達もあわてて浮いていく。何があったんだ?さっきの話に?




