27-32 あえて普通の勇者の学校編 ありもしないはずの何か
…テストさせられ、すべてのスキルを失う。そんなスキルがあるとは思わんかった。
「でも確かそれって…。」
「完全復旧とはいかないんです。」
このスキル譲渡というスキルは最終的に一日一回だけそのスキルをコピーして相手に渡せるらしい。但しそのスキルは”スキルオーブを使われた”扱いになる、経験値とは別枠になるのだ。ある意味凄い強いんだが、レベル9とかになると意味はない。もっと問題な事に魔力制御がLV9で元に戻らないという事だ。そして、由羅川さんの所には俺のスキルが全部行った。こうなると有能な勇者一人を完全につぶした扱いだと…エミリさんが泣いている。
「流石にのぉ…これは…。
返すだけなら由羅川さんがスキル売却を使えばいい、ただし、…由羅川さんのスキルが膨大過ぎて、返却すれば楽園とか立ちいかなくなるらしく、それもできないという。まさかそんなスキルがあるとは
「一応…スキルでバーストした分は全部SPになったから…とはいえ…。」
売却前スキル:詠唱LV9、魔力操作LV8、光魔法LV6(バースト)、剣術LV4、生活魔法LV4(バースト),勇凜LV3、大物殺しLV3
売却後スキル:
詠唱と魔力操作は、返却されない見込みになった。経験の部分が多すぎるのでこれだけ返してもらった。ついでに…勇凛、大物殺しの他は時間が合えばとなったが…
「でもなんでこうなると分かってやったんだ?ドラン。」
「実験は何であれ記録されねばならんのじゃ。がここまでの事をさせるスキルなんぞあるとは思わなんだわ。」
聞いてみると、スキル譲渡も最初の数回はスキルを失い、相手に渡すスキルなので、その分のスキルを持っていないと訓練もできないらしい。
「そうじゃ、せっかくじゃから、そのままもう一回売却してみるのじゃ。」
ドランの言葉に全員が首を横に振る。
「そんな無茶なことどうしてできるんだよ!」
「…お主ら勇気も検証もないのぉ。大方育つ条件があるはずなのじゃ。まあ、リスク多すぎで、大方使えるのは勇者の最初だけじゃ、しかも二人おらんとダメじゃ。」
「…そこまでする価値あるんだろうな。」
「やっておらんと分からん。」
「じゃ、もう一回売却。」
由羅川さんも泣きそうになって受け取った。
「でもなんか…確かに怪しいスキル何ですよね。こんな不利益なスキルあるんですか?」
「死ぬ直前にスキルを引継がせるとかじゃろうな。後由羅川さん、何かスキルレベルとかの変化があったかのぉ?」
「このスキル、なぜかスキルレベルが無くて、しかもテキストに変化がないんです。何なんです?これ?」
ただ、うん、俺達が冷静に処理をしている間、ずっとエミリさんが泣き止まない。そして、仕方なく報告メールを送ると…帰ってこない。大方向こうでも騒ぎになっているんだろう。
「儂もわからん、儂の見立てだと、普通レベルが上がる…とかあってザマァ部分が―とか言う筈なんじゃ、レベルがないスキル・・・というのも初めてなのじゃ。」
そして、廊下を走る音と…そして慌ててきた、リューネさんと…誰だ?幼女が一人…いやどっかで見たことがあるな。




