27-18 あえて普通の勇者の学校編 甘味や手土産は態度を緩やかにできる。
ドランの帰りを待って2時間後、ドランは帰ってきた。
「ようやっと説得が終わったわい。」
「いいのか?」
「わしとしては合って断った方がいいと思うのじゃが…一応無理だとと伝えておいたのじゃ。」
それには二人ともドランに頭を下げた。
「でも…勇者というのはそこまで大事でしたのですか?」
「優遇策があれだけあるのじゃ、その位の地位なのじゃぞ。ただの。この世界に勇者が結構おるのは分かったおろう?」
「は、はい。」
「尊重はするが甘やかすことはないのじゃ。その辺はわきまえて欲しいのじゃ。出来ればリンベルト、お主が主体じゃから、おぬしもある程度…交渉の現場に立てるようにしておいた方がいいのじゃ。」
「分かった。でもなぁ…貴族は苦手なんだ、親父とかが貴族に苦しめられて…冒険に出るきっかけも寄り親から押し付けられた貴族からの借金の返済を待ってもらう事だったからな…。」
「あ…そう言う事かのぉ。それは、最初からやらかしておったのじゃ、無理じゃの。で、しばらくはこのままの体制で行く…という話になったのじゃ、ただし・・」
「何?」
「お主には罰則というわけではないがのぉ。いくつか制限を付けさせてもらうのじゃ。流石にこのままでは本当にお主の父親とか故郷が危うくなるのじゃ。」
流石に…それは思った。
「それは何そ?」
「いくつか勇者専用の依頼を受けて欲しいのじゃ。実はギルドには勇者にしかできないという…依頼があるのじゃ。」
「勇者専用でございますか?」
「それを聞きに、ギルドに向かうのじゃ。」
ギルドに向かう前に…ドランがメールをよこした直後に…ドアをノックする音が…。
「やっほい。専任ギルド員のエミリだよ。」
それは最初にあったギルドの受付であるエミリさんだ。妙にけんかっ早い。
「お主か…。」
「で、言われた通り説明に来たよ。一応勇者案件は最重要だからね。ギルドで変な噂立てられるくらいなら、私たちが来るって事。」
無茶苦茶フランクだな。
「入れてもらっていいかな?家の中で説明するよ。」
ささっと入ってくると、
「何がいいのじゃ?」
「…甘いの。」
「ふむ、これでいいかのぉ?」
ドランが取り出したのは…パンケーキ?
「風切り亭式の甘いパンケーキじゃ。」
「これは?」
パンケーキには透明な何かがかかている。三つテーブルの上に並べる。
「風切り亭の開発した水飴クリームじゃ。一応甘味キャロットクリームもあるがのぉ。あっちよりはこっちの方がうまいのじゃ、おぬしらも食べるのじゃ。」
「その風切り亭とは何なのです?」
「一応まあ、儂のなじみの店じゃな、後これもあるのじゃ。ポルカストリート特製の”どら焼き”じゃ。」
…ん!これは!皿の二つ目を置いていく、が、これも!
「これ見た事無いんだけ…。」
「そりゃそうじゃろ。これは、草原諸国の異世界人”大滝真美”作の”現地あんこ”にパンケーキを挟んだ物じゃ。」
ドランは遮るように返事する。
「向こうにしかない”パンドン豆”という豆を蒸して作った白餡に水あめを混ぜて作った…一品じゃ。」
食べてみると、本当にちょっと違和感あるものの、本当にあんこの味だ。
「甘い。」
「頭が痛いくらい甘い。」
メイトリーさんもエミリさんも頷き名ながら食べている、
「というか、異世界人って結構多いの?」
「わしも情報をかき集めておる。その中で手に入った物じゃな。」




