27-17 あえて普通の勇者の学校編 勇者は公式であるのでプレス対応する人が必要だ。
ドランは軽くセッティングを整えると、フォレスタ大陸に飛び貴族用密談室に、来た。ここは密談用の部屋だが、余りに対立が多く交渉まで話がまとまる方が稀で、実際使われた回数は4回ぐらいと非常に少ない。そこに当事者である徳永と柳田。西の侯爵家3家を集めた。こういう場で、設営しない限り終わらないと思ったからだ。
「結局どうだったのだ!ドラン殿!」
「まだ国は離れる気はないが、ずいぶん見放しておる、おぬしらの信頼はほぼゼロに近いのじゃ。この状態では大森林攻略なぞ無理じゃ。今下手にゴリ押せば本気で逃げだすのじゃ。」
「だからと言ってわが領民だろうが!命令すればいいのでは!?」
「それをやれば大方、ギルドはお主らを全員見放すと…南から聞いておる。」
「何を言っている!たかが個人一人だぞ!」
「…それはちょっと…。」
「そうじゃのぉ、おぬしらこれは知らんのかのぉ?」
「何をですかな?」
「リンシュメルトのある勇者大陸では、勇者一人に国が一つ滅ぼされ、しかも、大陸中の軍隊が集まってさえ、勇者と従者一人に勝てなんだ。」
徳永も、西の侯爵家達も…驚いた顔だった
「そんなことあるはずがない、絵空事だ!」
「徳永はどう思うかのぉ?」
「それ、本当なの?」
「勇者大陸では2回だったかのぉ。5万の軍隊と7万の軍隊を向けて戦争をしたんじゃ。そして勇者一人に負けたんじゃ。そして勇者召喚で勇者を殺す勇者を召喚して初めて勝てたのじゃ。それくらい…最低でもギルドは勇者の強さを見ておるのじゃ、だから勇者を接待して…従わせるんじゃ。命令して相手が悪認定すれば何が起こるか分からん。勇者一人の心証を悪くするくらいなら国一個は見捨てるそう言う考え方じゃ。今のゴーレム車の話もあるじゃろ。今ギルドに出ていかれるのはお主らにとっては問題なのじゃろ?」
「ぐ、確かに…。」
「ついでにこれ、6年前じゃ。起きたのは。」
「「え??」」
「直近なのじゃ。起きたのは。今でも勇者大陸はその被害に苦しんでおる。今でもその時に大陸中の男性をほぼ失い、今は子供がほぼ出来ん。だからあの大陸の州は他の大陸と交流しておるのじゃ。」
「…でも、人間だぞ、親を盾にすれば…。」
「だからそれをしたら、ギルドから縁を切られるのじゃ。だからこそ…諦めるのじゃ。今は…国の信頼を回復させる方がええ。最悪犯罪者の称号が付くやもしれん。そう考えればそれよりはよかろう?」
「ぐぐぐ、確かに…。」
これは盗賊などができ始めた国家からの報告で分かったもので、軽犯罪では金額いくら以上になると、又は重犯罪なら一発で”犯罪者”の称号が付く。この称号の効果は”犯罪者や犯罪者の関係者相手にどんな行為をしてもその相手は犯罪者にならない”である。ダンジョンのモンスターやダンジョンマスターもこれに当たるが、この称号の持ち主の家に強盗に入ってもどんなむごたらしい殺し方をしても庇った村があればその村全体に対しても…何をしても犯罪者にならない。という物だ。但し善行をしたり、犯罪をどこかで懺悔し、補填する事でこれを消すことも可能だ。非常に厳しい称号でこれが付くほどの犯罪者にならないために…犯罪はリスクがる物として知られている。但しもっとあいまいな事もわかっている。ドランが聞いたのはザガートン南部ではそう言う殺人を規制するっ法律がない国では殺人をしても”犯罪者”にならない。という結構ファジーな判定となっている、なので、法規制はしておいた方がいいという教訓として知られている。
「分かった、引き上げさせる…いや、そのまま学ばせる。何かいいことがあるかもしれん。」
「ま、それがいいのじゃ、あそこにはザガートン国の王子もおるのじゃ。それを狙うとええ。」
「分かった、そう伝えておく…があの子せがれ…。」
「ではこれで話は終わりで。」
柳田がお互いを止めると…西の辺境公を連れて…外に出ていった。
「でもドラン…あなたなら勝てるの、そんな化け物に」
徳永はこの時に初めて、勇者の脅威を知ったと言っていい。
「ふむ、おぬしも見たじゃろ、リンベルトの実力と他の国勇者の実力を。そして。それをあしらうモンスターもじゃ。」
「確かに…そ上…そうよね。」
ただ、ドランは知っていた。その領域に徳永は踏み込んでいないし、ダンマスの半分以上はリンベルトが相手でも勝ててしまうほどに言うほど好転的な状態では決してないのだ。




