27-11 あえて普通の勇者の学校編 お姉さんと手取り足取りと思ってもサバサバされた。
それからナギサさんの授業は簡単に型の授業だった。剣の振り方、力の込め方、そして武器の当て方だ。メイトリーさんには槍の基礎を教えてもらった。確かに払う、突く、叩く。単純にこれだけだ。何だが…その時に体の使い方の基礎から教えてくれた。そう言えば柔道とか習う時に体の開いた具合とか、教わったよな。そして、授業が進むにつれてメイトリーさんの顔が嬉しさでいっぱいになっていた。
「うむ、いい感じだ。後はそれで実戦を行い、調節していくように、教えは絶対ではない。威力が出る方法を覚えた。これでいい。そこから派生してその先を見るんだ。まずは腰の捌き、そして足さばき。そして攻撃だ。そして三つの利点、欠点も教えた、どれがいいかは自分で考えろ。」
ついでに俺も剣技を教わったが、肩の基礎的に”払う”、”切る”、”突く”を聞いただけだ。だけど、漫画で見たことあるあれを思い出す。
「これで講義は終わりだな。後はレベルの進捗に合わせて個人で教える。だから個人で修行して欲しい。いや、ダンジョンで実戦でもいい、まずは武術を体にしみこませる迄使ってくれ。わかった?」
「はい!」
確かにこれは合理的かわからないけど、確かにわかりやすい。
そこで教わった生徒は10人で授業の実態をしり、そして自主的に動かないといけないことが分かると生徒たちは走って、授業の予約に向かった。
「ナギサ先生、でもなんでこんな面倒なシステムにしたんです?」
「それがな…3か月前に別の方法でカリキュラムを組んだんだが、そのほとんどで教材費を払えず授業どころではなくなったんだ。かといって教科書を無料で持たせれば、それを高値で売る生徒が続出し、
その為必要なら金を払えという形式にしたんだ。それにだ…。」
「何です?」
「それ以上に多いのが、学校卒業後に貴族に騙されカンパニーに入り…そして盾として使われた少年が多かったんだ。そして非常に…何もしない冒険者も大量に生まれた。全部こちらから与えていてはこの環境では育たないと分かったんだ。そのため下村先生以下…全員で会議してまずは”リーダー”育成にかじを切ることにした。それがこの”選択単位カルチャースクール”方式だ。」
「たしかに役立たずを雇う余裕がありませんし、教えてもそれが欲しいものでなければ、習おうともしませんね。」
「この方が最低でも金を払った分は回収しようと真面目に授業してもらえる…と思っている、実際もっと前からカルチャースクールを開いている方はもっと授業に真剣に取り組むしな。」
「こうしても見ると、学習は大事なのですね。」
「そう言えば100単位をクリアしない者はどうなるのです?」
「単純だ。クエストそのままで、放置だよ。合格するまでは稼ぎのメインであるダンジョンに入れないから、扱いは一般市民のままだ。金のギルドカードは勇者並みだと推薦を受けた者だけに与えられる
物だ、これも支店の支店長のみの権限だ。」
「じゃあ、このカードは凄いのですね。」
「でもスキル100個ですか?」
「授業によっては説明や簡単な試験で判子がもらえる、歴史とか、そう言うスキルにならない知識群だな。三日月流は私が…いや我が先祖が実戦に次ぐ実戦の果てに産んだ最高の武術だ。だからこそ簡単に印可は出したくない。そう言う我儘だ。一応、レベルごとに2個の判子になっている、また、スキルの多くはスキルレベルと同じ数の判子となっている、だから6レベルまで収得できれば42の判子だな。」
「そう言う事も考えてあるのですね。」
「まあな。それくらい・・スキルの習得は…実生活に差が出るんだ。そう言う意味では魔法は教わっておけ。特に闇魔法だ。」
「やみ…ですか?土でなく?」
というよりメイトリーさんからすると、闇魔法の闇さえわかっていない感じの首の捻り方だ。
「…そうだな、私が、君の為に闇魔法の講義を予約入れておくがどうだ?そこで専門的な事は教わってくれ。」
「お、お願いします。」
そう言うと、ナギサ先生はギルドカードを数回ポチポチすると、また歩き始める。
「後、勇者君は全部無料だ。従者含め。」
「え?」
「それは元々の勇者学級が勇者の従者を探す際に学園物をやってみたいという勇者のわがままから生まれた学校なんだ。だから勇者の為に存在している。この学校もその本懐である勇者を無下に絶対にしない。」
「少しおかしくありませんか、勇者は大抵国の支援を受けるのでは?」
メイトリーさんもそこは気が付いたようだ。
「それがな、転生勇者の件があって、農村の一農民がお金を持たずにいきなり学校に飛び込むまで想定して学校が作られているんだ。実際アムルという勇者がそれだった。今でも活動しているぞ。」
そういえば、ザガートン南の勇者は複数いてその勇者が活動していると聞いた。
「そんな人が…。」
「ザガートン南では勇者は一般的でない上に向こうの国はホワルカナンの男爵より地力が弱い。なので、国の支援は期待できないんだ。だからこういうシステムだ…」
「ふぅん。君が…私はリューネ。よろしく。」
凄い妖艶な感じの女性が歩いてくると握手をする。
「よろしくお願いします。」
「私はこの学校だと…魔法関連の全ての授業を行っているわ。で、闇魔法の授業なのよね。」
「は、はい。」
結構いい香りがする上にロングの髪がファサァと来るな、おっぱいも大きい。
「じゃ、講義室まで行くわよ。ナギサは後頼んだ。」
「分かった、今日だけは待機しないといけないからな。じゃ、後ドランに合ったら素材の件頼んだ。」
そう言うとナギサさんは元来た道を戻って行ってしまった。…このお姉さんと二人きり?なのか?




