27-1 あえて普通の勇者の学校編 ドランとの別れ
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再会したドランと共に僕たちは学校に行く準備をしていた最中、ドランの方にある連絡が入った。
「すまないがのx。本国の依頼じゃ。儂は一時的にホワルカナンに帰ることになったのじゃ。」
「なんで?」
「わしの叙爵式の日程が決まったのじゃ。儂はホワルカナンの首都に行って指揮を行った後に北部に行き、知と、野暮用をしてこないといけないのじゃ。」
「そう言えば、ドラン様は公爵様でした。」
メイトリーさんも頷いていた。ホワルカナンの国の公爵は計4人これは他の大陸の、特にザガートン国に真似て4公爵制度と呼ばれる、基本的な統治をこの4公爵がおこない、王家はその権威付けと対外戦争にのみ特化する。その他の地方政治は全て公爵が、行う。但し公爵は国家承認、それ以下の子爵、男爵位は寄り親の公爵が任命権を持つ。俺達は東は宰相でもある”東の公爵家”が統治している、ついでに父が宰相に逆らえないのも…ここが寄り親で彼らに資金援助を受けて村を経営しているからだ。ついでに中央の”南の公爵家”は勇者の時の依頼先で親しくなっており、最悪そっちに逃げることも考えていた。ここが通称”王妃派”である。そして東の”王子派”は人族第一主義だとドランに聞いた。そして人間が少ない大森林の部族との和平を望む”王妃派”と表立っては敵対しないものの、お互いを嫌っている、事あるごとに独立を狙っているという。そしてドランが付くというのが、この何処にも属さない穀倉地帯”北部”である。ただここは兵士が弱く、今までは南の”公爵家”が間接統治していたがその管理もずさんだった。そしてドランはその北部の全ての都市を”ダンジョン領域”に収めていた。そこでドランは王妃派に”新公爵家”として受け入れろ、そうすれば上納金を渡す。と言ったらしい。ただ、ドランが何を考えているのか全然わからない。
「そうなのじゃ、だからお主らに護衛を頼む予定じゃ…ただの。」
「なに?」
「それもしばらくは手が足りんかもしれんのじゃ。だから、しばらく儂は手が出せん。」
ドランは強い。ただしそれは国家を制圧させるほどかというと違う気がしている。
「出来れば3か月以内に全ての決着をつけるのじゃ、後お主の父の村の件。あれも交渉中じゃ。」
「親父の?」
「そうなのじゃ、勇者の実家の位置はそのまま勇者の住居の一じゃ、その取り合いも起こっておる。だから、決着を付けたいのじゃ。ただし…。」
「ドラン。」
「お主に魅力ないと…いや、大森林南部平定に役に立たんと思ったら。お主を切りに来るやもしれん。お主の価値、下げれば家族が危ないと思っておくといいのじゃ。」
それにはメイトリーさんも俺も考えたことはなかった。
「今のお主は王妃の”トクナガ”が保証しておるだけの存在じゃ。実力もあるが…それが恐れられるほどかというと違うのじゃ。学校で技術を学び、強くなるのじゃ…。」
その言葉に俺たちは息をのむ。そう、勇者であるという事は強くなきゃいけない、。それは先日の魔王バトルでもわかっている、他の勇者は僕たちと全然違う強さを持っていた。
「そうじゃのぉ、知り合いの千鳥万花に誰か護衛を頼んでおくかの?儂がいない間心配だからのぉ?」
「それは…。」
「すいません、それはお断りします。それでは本当の意味でおぼっちゃまが育たない可能性もあるかと。」
メイトリーさんが頭を下げつつ、こういう事を言うのは初めてだ。
「ふむ、分かった。儂からは何も言わん。頑張るがええ。では、儂は帰る。カードにメールアドレスを入れておいたからのぉ。連絡がある時は頼んだのじゃ。」
そう言うと、ゴスロリ少女は去っていった。あれが今度の侯爵様であり、俺の従者だ。




