6-26 聖都リンシュメルト
「で、それがあればそれっぽくなるはずだよ。まあすさまじいDPが必要なんなんだけど…制限は解除した?」
「はい。後…コアも肉体持ちに。後は…。なんか異様にDPが私に入っているんですけど?」
「それがダンジョン領域って奴。その上に都市があれば、その人間の消費MP分自分の収益になる。街づくりすればするほど、活気が出れば出るほど収益になる。さて、それを使ってやって
欲しい事がある、むろん知識もある。」
「はい。」
「DPと設計データを渡すので、その”聖”コインを使って都市を作って欲しい。DPは9億程度でいいと思う。できるだけ今の文明に合わせたサイズにしてある。」
もともと魔界で20年引きこもりしていた時に都市計画を立てていたのだ…ジオフロントで使えないので、ネルの園のすぐ外に本来は町を建設する予定だったのだが…先に用地買収できてしまい
結局使うことがなかった没データをみんなが訓練中作っておいたのだ。やっててよかった、捨てなくてよかった。そして実験とは”ファクターコインを使うとアイテムは二つ名がつく”
”なら、建物作ったらどうなる?また一気に二つ以上作ったらどうなる?”って事だった。
「ついでに出す前にある程度下水道と、風呂、およびトイレ陶器で作っておいた。後は…少し傾斜入れてある。のと水くみポンプは設置してる。」
通称”異世界来たら出来る簡単内政チートセット”である。街の区画も整理済みだ。
「後は配置は南ちゃん確認してね。で、それ皆がらでいいから外に出ようか。」
僕たちは、地下3階の通用口から、上に上がっていく。
「そういえばこの教会跡はどうするんだ?」
「その区画表だと、”聖女生誕の地”で残す。ダンジョンは聖域奥地でもいいけど、サブマス決めて、ダンジョン経営もしたいって時に使えるかなって思ってさ。
「そこは部屋でいいと思いますが、まずはと言いたいですけど、なんです?この妙に豪華な城。」
「シンデレラ城をイメージして作った適当設計、細部は全部ハーリスに任せたから。本当に適当だよ、あと大型施設が大体6つ。学校用が一つ。って感じ。これだけあればいいかな。」
「すごいですね…。」
「それに家具入れたバージョンだから、あと、それに必要な物は魔石で作ったことにして、付与魔法と儀式魔法使って魔石さえ入れれば水が勝手に出たり、コンロまでつけてある。」
明かりに関してはコンロ経由の薪、やランプが開発できればランプも使う予定、この辺の時代考証は”教授”がやってくれました。あの人、どこまで知ってるんだ?
「すげえな…。現代都市かよ。」
「これで都市を作る。テスト次第だけど、どうなるか見てみたい。」
みんなで外に出ると、木こりたちがみんなで木を切っていた。
「何なんですか?この人たちは?」
そう、かなりの人が働いており、圧巻となっている。
「一応僕のモンスターと言った方がいいかな。これも暇で作っておいた、強化もしたしね…。一応僕のファクターの効果ね、」
後は地脈関連で、ダンジョン領域を使い、地下に岩盤と井戸水脈も配置。後の農地も隣接区域に併設し
「これを、偽住人で配置するんですか?」
「いや、南ちゃんに目立ってもらうし、早めに国家樹立まで行きたいので、ちゃんと人を集めたよ。」
その言葉にすごいいやな顔を南ちゃんがしてる。困るね…。
「とりあえず、南ちゃんには目立ってもらい”聖女”の実績を積んでもらった。」
いや、全員の目が痛いよ。
「何したんです?私たちが教わっている間に。」
僕は近くの切り株に座ると、みんなも囲むように座った。
「ハーリスに頼んで南ちゃんに変身してもらって、で、それを分裂させて、この辺の全都市で、治癒と病気治療を行った。今ハーリス3が一番大きなこの近くの街で目立つように宿泊してるはず。」
「何してるんですか!」
「実は計算して、どう計算しても”国家樹立”に欲しい実績がなかったんだよ。でこの都市と。後周囲で治癒して、わざとこっちに歩いて来てもらってる。覚えているなら、きっとこれから
この辺に人が集まる。で、この都市を建てて今は、このモンスターを仮住民にする。いずれは全部普通の市民と交換する予定。」
ついでにこの為に周辺集落全てにハーリス3を送り込み、そして南ちゃんの格好をして治癒してもらってる、ついでにタダである。がこの世界において”タダより怖いものはない”と言う
教訓はまだない。さてさて、何人釣れるかな。
「なんってえっぐい都市計画。」
「えぎゅい。」
「一か月以内に大国家作るんだから、これくらいやらないと人集まらないよ。そして人がいないとDPもたまらない。下手に時間かけると、ギルドやエクトネーゼ、モートリアから戦争の可能性が出てくる。その時に防衛隊出して守れるだけの人員と施設がないと。ついでにこれで、周囲の人間をこの都市に集めて、囲った上で空白地帯を作る。その空白地帯にインスタンスができれば、そこを培養して、ダンマスを増やす。」
「そういえば、この地図にはちゃんと10mの城壁がありますね。しかも防衛施設付き。」
「後、称号チェック用に鑑定を全門に配備予定。それでチェックを入れる。で、なんで木を切ってるんです?木を切らなくても私なら、入れ替えで街作れますよね?」
「そこはほら、彼らが”普通の人間として振舞いながら木を切る”ができるかのテスト。元はモンスターだからその辺が把握出来なくてね。で、その具合次第では交換するタイミングを変えるんだ。」
「なんか、嬉々としてやってるな。」
「だって異世界来て、ダンマスだよ、一回は都市建設しないと…ロマンじゃないか!」
「分かるけどさ…わかるけどさ…というかあれだけ金持ちでやったことないのか?」
「ない。本格的なのはこれが初めて。」、
エルシュウッド、エルフウッド双方において、本気の”豆腐建設”及び、適当配置だったので時間かけて練ったのはこれが初めてなのだ。
「あんたでもやったことないのが…。」
「確認終了、大体これでいいですわ。後で偽装入れつつ現場見てて入れ直しでいいので!さて、行きますか!」
南はコインを握り空に掲げる!
「来たれ!聖都リンシュメルト!」
と言うと周囲が…すごい光に包まれ…そして押し出されたトレント達が僕のストックに戻っていく。そして…きらびやかな白と金を基調とした装飾に包まれた凄い白い…いや凄いな。
「ほげぇ…。」
「むきゃ…。」
ありえない声が出てるよ、ナッツ。
「でもすごいね、設計してない城と金の装飾と後…建物の一部が聖堂になってる。のと・・・城が教会みたくなってる。」
「はい、それは思いました。というかすごいですねDP。億まで来るとこうなりますか。]
これだと決して”まだ40兆以上あります”とか、それ”そのペットにかけた分が大きいんですよ”とか言えない。
「いやあ、すげえな。」
「一応、中に入れる家具はケチって、結構ショボいのにしてる、そうでないと買い替え起きないので、内政チートしたい人がチートできなくなる。後暖炉だけはつけておいた。全家庭。」
いやあ、本当は掘り炬燵やりたかったけど。あれはちょっとやり過ぎな気がしてる。ただ、暖炉と後、暖炉上の鉄網で煮ものができる、これが重要。これが結構家庭がうまくいく。
「というか、やり過ぎじゃねえのかよ?」
「じゃあ、私のほうからも拠出で、、国境の城壁ですかね…。この城壁真似て作っておきます。結構高いんですよ、これ。」
そう言うとタブレットをいじり、旧エリンシア領域に壁を張っていく、さすがはこの辺手慣れたダンマスである。
「うん、お願い。それは一応線ひいちゃって、で後で交渉でずらして、で、そっちは工事で作る。」
「ダンマスすげえ規模だな。だが俺はどっちかと言うともっと小さい方がいいぜ…。」
「だぁ…。」
「すいません南様。」
聞きなれない声に向くと、一人のオールバックの…セバスチャンよりは若い、少年みたいな執事が一人いた。
「どうした?丈太郎?」
ああ、この子がコアか…。
「はい、ダンジョンバトルの申し込みがありました。相手は”大陸統一機構”のトップ。長峰様です。」




