26-SP5 建物の中はジャポネーゼ
国境までゴーレム車で送られて…山羊のシチューを飲ませてもらいつつ、国境までついた。ただ、あまりうまいものではなかった。この辺では山羊を飼う風習があり、その父のシチューは特産品だそうだが…ある意味ギルドを頼った理由もわかった。寒い上に…産業が薄くて、本当の北欧の寒村というイメージがわく。が、しばらく郊外まで行くと、国境らしい箇所に、軍隊が待ち構えていた。
「ようこそ、後君は・・。」
「私はここで帰ります。帰りについてはこちらに来る際はご一報を。」
そういうと、すんなり水木さんは帰っていった。そして軍団の方は天幕と…国境の関所らしい木の家が一軒あるだけだ。
「私達はこの辺一帯を治める赤の氏族の族長の”メリリサント”です。よくいらっしゃいました。」
赤い…というより赤茶けた肌の女性だ。日焼けでもあるけどね。
「皆様にはあちらのダンジョンにお入りいただき…それを我々が見届けさせてもらいます。」
そして指差すのが、小屋だ。
「あの小屋はなんだ?」
イツキさんもさすがに…警戒感をあらわにしてる。
「皆様を歓待するために上が用意した。施設と聞いております。我々は次の指令があるまではここで待機して…そしてあの小屋を撤収させます。」
どうも、話が通じそうにないから、そのまま、小屋に入ると、…小屋の中央に入り口がある。そこが…入り口のようだ。そして入ると…そこには
「んだこれ?」
イツキさんも驚くのもわかる。内部は…明るかったからだ。そして何より暖かい。そして僕たちが門を開けると
「ようこそいらっしゃいました。」
門番らしい…んとすんごくファンタジーに喧嘩を売った…黒いスーツのダークエルフが二人門番として立っていた。そして…
「いやこれ…。」
僕たちも驚いていた。そこには…白い壁の日本風の漆喰の壁があったからだ。
「ここが魔人連合本部・・・”組長屋敷”でございます。」
いや、まんまだから!
「こんなのみたことねえぞ。」
「こちらは去る建築家に、コツコツ依頼して作ったもので…おっと、どうぞ、」
ダークエルフさんに誘われ…門をくぐると立派な日本庭園がある。
「凄いのか?イツキ?」
「いや、漆喰とか見た事ねぇ。あったらおやっさんに報告してるって。そして、庭園。」
僕達からすれば日本庭園以上には感じないけど確かに…これを水木さんの土地の…荒涼とした荒野が広がる大地から見れば異常だ。
「こちらに、皆様は礼儀が分かっていると思いますので、玄関からどうぞ。なお礼儀知らずは…庭園以降には入場させない決まりですので。後…玄関に足湯があるので、そちらもどうぞ。」
「足湯?」
「この辺の型は…靴を吐いたまま…一年とか洗わない方の方が多くて…匂いだけで総長が暴れたこともありまして、ここで足湯をお出ししますので、まずは洗ってからおあがりください。」
確かに僕たちも日本の家に入らない頃は靴を脱ぐのが寝る時だけで、ベットの上とか多かった。クリーンが死ぬほど助かったと感じたのは朝靴履く時だけだった。
「でも足湯か…。」
一応、足湯の態度だけでも見せないとヤバいだろうし、洗うとしますか。




