26-SP2 それは商売の為の侵攻で
そんな中で問題がいくつかあった。それが前回の”会議”において、魔人連合側から
「今回の例の秋のイベントでの奴隷販売会に関して…一度この会議でのスタンスを出した方がいい。奴隷…は今年少ないのだろう?」
「奴隷は嫌いだけど…どうも奴隷が公認の人間の国が出してくるのを救済する意味的に。」
南さんが反論を言うと視線は海川さんに集まる。
「あんたらの担当だろ?」
今回の会議は亜人同盟から南さんとドルカスさん。パンダから柳田さん。千鳥万花から鳥海さん、後は海川さん黒木さん、僕という感じだ。ただその中で前回一番狂った奴隷販売を行い数万単位の人間を送ってきた国家であるリラシルトに拠点を構えるのがスキュラカンパニーの海川さんだ。
「うちは関係ないだがや。食い込みはしたがや。でも上層部が自分たちの利権以外考えてないがや。それにあそこまでの暴挙だと。困るだがや。」
「我が方としてはまあ、そこまで買えん。だからそれでいい。」
なんというか、威圧感あるセリフである。そう言えば黒川さんとあんまり絡んでこなかった。
「ただ、少年。…いくつか頼みがある。」
「それはあまりお勧めしないだわさ。」
「我が魔王国側の方から…いくつか商談をしたい。」
鳥海さんが遮る中…魔人連合側が提案してきたのは…魔王軍及びギルドによる…魔王国側に、ギルド開設を依頼してきた。
「結構部族主義だって?」
「ああ、それは地域特性に近いな。」
それに…ドルカス側も…あまりいい顔しなかった。
「黒川の。それは…。」
「まずは視察で構わん。それに冬の件もある。報酬として…検討だけでもしてほしい。」
冬の年末出店祭りでは魔人連合が大量に露店を出して見事売り上げトップに輝いた。その時の報酬だろう。
「こっちで使節団出せばいいの?」
「南のグランハイムにギルドが来れる位置があるだろうから。その国境沿いにゴーレム車を待たせる。」
そう言えば水木さんというあの地方唯一の亜人連合領地がある。千鳥万花からの偵察というか、繋がっている人だ。ただし、いまだにランキング下位のではあるが一応国家持ちとして知られるダンマスだ。今の亜人同盟に残ったダンマスは基本全員国持ちで…草原同盟の誘いに乗らなかった人たちだ。
「分かった。そこ経由で視察に向かう。」




