26-109 普通のダンマス 奴隷産業の光と闇
「という事は、この村に20人ぐらいの人間が来て、調査を行うのか?}
村長の家に招かれた二人は、座ると、村長も…その場に座った。
「ああ、それで急いでこっちに来た、この辺の村に20人なんて泊まれる場所ないだろ?」
スコーブは元々、周囲の村々をめぐり、お互い同意の元人買いを行い、その代わりに食料とかを買い付けていた。農具や武器防具、村が困れば相談し、その対策も行っていた。その為、この国の基本的な村は全てスコーブと知り合いだった。そのスコーブが説明した内容は、都で功績をあげ、男爵位を貰った事。そして”鉱山”も一つ貰った事。その代わりそこを大規模に調査するために専用の人間を用意した事、その為に先ぶれできたことだ。村人が彼らを接待することにより、鉱山での仕事が斡旋される可能性がある事。その為の調査だという事。俺達からすると、怪しい話だが。実は技術が進んだりすることで復活する”閉山した鉱山”というのは結構普通らしく、その為の調査だという。が村で20人となると、その飲み食いら毛で、村が潰れかねない…何より。
「第一どこで寝るんだぁ?」
「そこでだよ、村人全員に協力して欲しい。」
「そう、村の全てを貸してほしい。特にその20人を止める費用は国から貰ったからその費用は払うわ。」
「その子は?」
「こいつか。俺の知り合いでな、こいつが建物を建てる…小間使いみたいなものだ。」
「ん。まあいいだぁ、ちゃんと金が村えるなら、村の人間を売らんかうてすむだ。人足税はその代わり…。」
人足税というのは村の男が工事現場とか”兵役”とかで工事の手伝いを強制的にさせられるという税金体制の一つだ。産業が無い村ではよく金銭のほかにこの形態で勢の代わりを行っていた。
「それは俺が領主になったんだ。ちゃんとしてやるよ。頼んだぞ。これに今すぐほしい分はあるか?」
村長が手を広げる。無言でスコーブは銀河の袋をテーブルの上に置いた。
「これだけあれば食料が買い付けれるはずだ。最近値上がりが激しいからな。じゃあ、快諾って事で、俺は引き上げる。来たら丁寧に出迎えてくれ。」
「接待は分かっただぁ・・・んでも建物は?」
「こいつに任せておけ、」
スコーブがアミールの頭に手を置いた。
アミールからの連絡後、一気に村の全てを領域化して…建物もビジネスホテル型の5階建てコンクリート民宿20部屋(ベット2個)を建築した。結構高いが、村で宿屋の建設も街道沿いとかで人通りが多い地域以外では…ない。そして、ダンジョン傍のあの村の人口は30人だ。どう見ても20人が泊まる場所はない。ついでにこの世界での宿屋には”長期宿泊専用ブラン”というのがある。手入れの頻度を下げる代わりにその部屋を”月極”で貸し出す形態だ。それ用に5部屋。それ以外は一週間をベースに組み立てて15部屋。1F部分は食事場所もこの村に無いって事で、村の奥さんが日替わりで食堂を建設し、そこで飲み食いしてもらう、ここが…この国での運用するギルドショップ第一号店となる。都市部の方が速いはずなのだが…許可が下りないから、村の部分で先に実行することにした。ついでにこの建物は、アミールが一晩でやってくれた事にした。その為のアミールだ。まあ、この村に問題が無いわけでもない。それは村からスコーブが旅立ち、アミールが建物を完成させ、中を見せていた時だった。
「金とか言うもの貰っても、ここに来る人間の飯、どうするだぁ…。」
「んだぁ。」
そこで、一応1Fに建設した酒場の椅子に座り、全員で悩んでしまった。この世界の食料自給率は地味に悪いと思っている、俺が見た範囲でも農家より狩人が多く、農家を軽んず傾向があった。ただ、その時の村人はあまり重要に考えていなかったが。アミールと、その報告を受けた俺は頭を抱える事になった。今後の問題だ。ギルドオーブがあるとはいえギルドオーブの飯は高く、そして”収益利率が地味に悪い”。味はうまいが利益はまずい。そして、確認したところ、どうも…30人がぎりぎり暮らしていけるだけの畑しかない。級にダンジョンが…って事になれば当然今後軍隊の宿泊や冒険者の多数来訪が考えられる、まだ誘因は機能させていないが起動させれば…って事だ。そして、この村にある食料では自分たちでさえヤバいのに、それが他人の分を…というのはきつい。ギルドオーブもあるが、あれは俺が見た感じ”味はいいが利益率が非常に悪い商品”である。ギルドの利益も入っている為か、値段が高い。そうなると、貨幣に慣れていないこの村でこの食事を出せても、食えるまでに稼がせるでも相当時間がかかる。それが怖い。
「というわけだ、なんかいい案ある?」
思いつかない時は会議(定員2名)。定番である。なお4歳児なので、馬鹿を前面に押し出してもいい。会議はいつもの食事場である。向こうの現地でない理由は…向こうでは向こうの村人がアミールを囲んで、新しい建物である”ギルド酒場及び宿屋”に村人が入り浸ってしまったからだ。ついでに、貨幣の供給とか受けれるので、カードの登録を村人全員にさせている途中だ。
「知らん。というか、どこもこんな感じだぞ?」
「そうなのか?」
「徴税菅が、説得(物理)を2年ほど乱発したんだ。当然村人は食べ物を隠すようになった。露骨に隠した場合は、村全部を焼き払ったという話も聞いた。だからこそ、そこまで食料の備蓄を頼めるほどはないぞ。こっちが食料の増量を願うには”実績”が欲しい。だから…説得も無理だ。種の増量も貧困を生むからな。」
来年の為の種も食えるなら食う。それは俺達の村でもあった。…という事は無理か、外から取り出させるのは。
「って事は…近隣の村からの買い付けは…。」
「村同士だと無理だろうな、俺とかも食料の融通の話はガンガン来てた。」
「これ、前提狂うぞ。鉱山より先に飯だろ。普通は。」
「だよな…。」
食料が無い状態で鉱山なんて掘らせれば、鉱山府が先に死にかねない。しかも
「ってこの国の状態だと生きた鉱山を発見すれば…。」
「…そうだよな、今思いついた。これ、結構ヤバいぞ。」
そう、この食料が無い状態は、露店でも一緒だ。って事は貴族も一緒だ。しかも暴走気味た。ここでもし鉱山が生きていました。なんて言えば?当然国か上の貴族が独占を狙ってくる。そうなると、国の兵士が来て宿場町からの冒険者が来るダンジョンなんてものはなかった。になる。当然村の整備計画も無駄だ。こうなるとダンジョンのデビューも…しかたない、こうなれば…。
「こうなると、公爵との対話のセッティングをしないといけなくなった。」
「…その手…か。行けるか?」
そう、マッチポンプさせるにしても…公爵を巻き込まないとだめだ。国王の動きを抑えれる存在にこの話をするしかない。




