26-86 普通のダンマス スコーブ視点 募兵(難題)
俺が、あの冒険者ギルドとか言う業態に憧れたのは…主にこの”奴隷商人”がくそだからだ。どっちを向いても!だ!まあ、今回の仕事が終わりかもしれん。ただ、貴族位を貰った時に、侯爵と面会し、廃業を示唆したら、俺はだめだと…目を血走らせていて言いやがった。ちきしょう。まずは募集する貴族の家に向かい、打ち合わせが欲しい。
「じゃあ、募兵は500名ほどで?」
「ああ、頼んだ、それだけいればきっと。」
待て、こら、そこの公爵、この町のまともな成人はそんなにもういないぞ。
「あまり多いと、ヘンダール卿がうるさいかと思いますが…。」
「確かに…では金貨200まで下げよう、家一軒には過ぎたるものかもしれんが、」
200…南西スラム全人口ギリギリじゃねえか。ふざけるな。
「ではこちら…一人銀貨75枚程度が…これ以下ですと集まらない可能性も、ただ昨今…。」
「分かっている、やり過ぎているのだろう。200のつもりで金を用意しておくが。頼んだぞ。」
「三日後までお待ちください。」
こうして、まずは貴族に呼ばれて兵隊の詳細を詰めないと、あいつらに出す給料が決まらねえ。ついでに これでもほぼ収益はない。ここ数年の”貴族不信”が影響して貴族に騙されると噂になるからだ。
「お前たち!集まれ勇士よ!三日で銀貨20、三日で銀貨20の仕事だよ!」
俺は、手持ちの金を鳴らし、南西のスラムと露店街、住民街の間で少し小高い木の箱を台にして鐘を鳴らして注意を引く。
「おうおう、何の仕事だ!」
「ああ、あの水場の捜索だ、貴族様が探索に成功すればさらに褒美をくれるかもしれん。お得だろ、我こそはって奴はガンガン来てくれ。」
こういうが、今回は実は俺は集めた先が死地であることを知っている。何せ、俺もダンジョン関係者として確認したからな。あれはえぐいが、あれでも生きて帰すべくぎりぎりまで絞ってあるそうだ。
「あのドンガローがいなくなった?」
「そうだ、貴族様が我らがドンガローを救うべく、兵を送ってくださる!さらにそこで探索に加わるだけで銀貨20だ。ドンガローを救えば褒章が来る!ドンガローの覚えもよくなるだろう!」
もういないけどな、死体はメイリーンだけ、最奥までこれたら置く予定らしい。が…。ダンマスからすれば、本来は”DP”とやらになって吸収される予定なのを気まぐれでとっておいたっていうんだから恐ろしいな。
「俺は参加するぞドンガローの名において!」
「ドンガロー!」
スラムの連中が騒ぎ立てる。がこれは好都合だ。ただ…見た感じ70人はいないな。




