6-21 神様が来ると碌なことが無い。本当に。
3年前まで僕たちの議題の中にエリンシアの空白地帯度どうするのかという話があった。あそこはギルドもない。かといってダンマス出来たら最後管理もできない。実際僕たちは楽園の七海たちを見つけることはできなかった。そこで、国家樹立させ、求心的な国家を作る。という話があった。が実際適任者がエルフたち込みでおらずリーメ君に話を送る事をずっと考えていた。だが、こうして南さんがあるなら、ある国家が作れる。”教国“である。ネル教はあるが。実際の聖女がいる国家なら可能だし、抱き込むうえでも”聖女”は大きい。ダンマスになるとは思わなかったけど。ただ、樹立には王様、そして統治機構、国民、自分たちを国と認める相手団体が欲しい。統治機構はあるが兵士はない、それが今の南ちゃんだ。そして僕には軍を作る力がある。但し…。地下室は目立ってはいけない。せっかくあるカモフラージュが生きない。
「国ってそんなに簡単に作れましたっけ?」
「かなり時間がかかる。ができる。」
「せっかく時間があるし、その統一機構はきっともう一回こっちに接触持ってくる。そこで抱き込む。」
僕の自制が効いているならいいが、今の環境では”ネル教”以外を認めないだろう。ただ、国家作る段階で、大方、僕の話は失敗する。なぜなら、”教国”を作る前に”ギルド”が引き抜きに来る。
ネル教の”聖女”としてだ。そしてそれは南ちゃんが頷いてしまう。彼女からすれば”スカウトが来ればいい”のだ。これ以上単純な物はない。そして、南ちゃんは大方、”旗印”としてかなり
有能だ。単純だけど。じゃあ、相手はどうするか、怖い話2パターンある。当然相手はランキング、そして、ダンマスであることは理解してくる。一つは抱き込む。だがもう一個は暗殺である。
”ネル教”にとって邪魔なら殺せばいい。当然出てくるのがこの手段である。
「問題は何を信仰するかって事か…。」
「どうしたんです?」
「いやあね。南ちゃんが聖女として、出ていくときに信仰対象によって三つのパターンがある。で、どれ選んでも南ちゃんにとってあまりいい結果にならない、又は僕に取っても。」
「と言うと?」
「まずは、さっきの僕を探しているっていう話で、大方…魔王軍幹部は一切この件にタッチしない。という事は、ネルの狂信者のハイエルフたちが来る。という事は覚えておいてくれ。」
「はい。」
「ネルが来るパターンもあるが、一つは神様を指定しない場合、君を下っ端として雇いに来る。今の環境だと魔王軍最強で”他のダンマスは従うべき。勇者向けて潰すぞと脅せば落ちる”
と考えてくるとみられる。」
「それは好む範囲ではないですね、魔王軍の、フレンドであればという平等さのほうが好きでした、ネル教として参加は少し…。」
「だよね、で、このパターンは他の神様とかでも一緒、うちよりショボいならッて言い出す。」
「なんか嫌ですね。」
「で、第2のパターン。ネルが神託と受けたとされる創造神を信仰すると言い出す。あの神様ね。」
「できれば…それなら、中性的で神様作った方が早いんじゃない?」
聞きなれない声に全員がそっちを向くと、一人分の席が多く…そこにクッキーをつまむ…女神の姿があった。
「私の存在をそこで出すと、信仰のランクが低すぎてアウトになる。のでそれは認められないわ。」
「「神様!」」
「ようなものではあるだけど、その程度ではないので、それは不敬に近いかな…。ただ、知ってはいないだろうから。…ね…。」
「だとしたらどうるするよ?」
「中性的な神で、神を作る。」
「神・・・ですか?」
「と言ってもスキル増える程度というか、後は特殊能力得る程度なんだけど。やってみる?南ちゃん。」
普通にコーヒー飲んで、で、クッキーつついて言うセリフに聞こえない。
「私がですか?」
「ほら、聖女って信仰の対象じゃん、なら、自分がなっちゃいなYO!」
神様、その軽さはどうかと…。
「でもあんた、ちゃんとみんな見てるんだな…。」
「かわいい子供たちよ、ちゃんと管理もする。手もかける。住人は全員私にとっては子供みたいな物。それ位はするし、ちゃんとチェックもしてる。あなたも、みんなも、そこのホーリーゴースト
たちもみんなちゃんと愛してる。」
「なら…娘は…。」
「あの子は心神喪失状態ながら…まだ生きている。それは私が手を出して何とかする範囲じゃない。生きているならば、その子にはその子の人生があるわ。あなたにそれを阻害する権利はないの、だけどちゃんと考えてある。それまでは、ここでこのまま、まったり異世界堪能してみたら?」
「そうか…そうか…。」
ナッツはその場で泣き崩れた。
「でもさぁ、その神様って…。」
「うん、ナオ君は、それも作れるのよ、ただし、神様はすべて試験を受けてもらう、人間とか影響大きいからね、また信仰に値するかどうか性格、考え方、そして力を試す。そのすべてを満たさない
と無理。なんだけど、まあ、あれだね、ここまでたきつけたんだから・・・。」
と言うと、手元のリストを神様はぺらぺらめくる。
「ある程度は教える、どうせナオ君のスキルオーブ使えば満たすだろうから、やる?」
「と言うかナオって…神様も作るんですね…。」
「ここまでハイスペックでかつ、何もしないのは逆にすごいのよ。普通の人間は力におぼれるから・・・。というわけで、どうする?ナオ君。」
「僕の想定の二つ目は”暗殺”、南ちゃんを殺すことで、なかったことにする。幹部は南ちゃんの姿は知ってるが・・・同じと思わず、邪魔なら殺す可能性がある。で三つ目が”戦争”だと思う。
暗殺、すなわち単独で落とせないなら、いる場所ごと潰す。」
「結局スカウトは来ないんです…?」
「最初からスカウトに動いているならわかる。が、する気もないなら別。僕が魔王軍に認識されない以上。”ネル”にとって邪魔なら壊す。そうなるとみて動いていい。スカウトが来るとしても
平等は最初からダンマスが動かないと無理。しかもそのダンマスが全く動いていない。最悪知られないまま僕たちは死亡まである。」
その言葉に全員が固まる。
「が、そこは躊躇なくハーリスを使う。僕もまだ死にたくないからね…。だからこそ…南ちゃんどうする?君が覚悟を決めて欲しい、僕はその分のDPや、資材は出す。」
「やりましょう。」
即答だった。
「オッケー。じゃあ、条件の一つは魔法、2種類がLV8であること。で、あなたがメインに置きたい信仰の学術が最低8.これに加え、中位戦闘術一つが最低9であること。スキル昇格を2回以上
体験していること。この上で、神格テストを行い等級を決定。スキルは条件満たしてるので、その分満たせばいい。」
これはリューネ、コクヨウ、後ネルちゃんも満たしてるとみていい。
「後あんまりいないけど、魔法も条件で昇格ある。その時は属性がそっちの方向に上向く。ただ、そこまではいらない。」
「後、みんなに頼みたいことがある。」
「何。」
「魔王城を止めて欲しい。私は確かにみんなに自制を求めてこの状態にした。けど、こんなことになるなんて思わなかった。このままじゃ、ダンマスはここでは生まれないし、大陸を増やす
応急処置もそんなに長く持たない。だから、ごめん。ナオ君。みんなを止めて欲しい。」
女神はみんなの前で頭を下げた。
「この状態は…。」
「うん、計算外だった。変な方向に暴走した。全員ナオを探すためにインスタンスダンジョンとかすべて根絶やしにしてる。で、エルフ達の魔界からの投入まで検討されてる、人海戦術を用いると。」
「やばいぞ!それ!」
本気で制圧どころではない。このままでは人類全滅までありうる、エルフによる圧政はファンタジーと違う。
「どんぐらいやばいんだよ。」
「魔界はこの世界と違い”魔物がわき続ける”ので、各市民でも強さが全然違う。平均ステータス50.で、魔界にはエルフの里というエルフがそれこそ数十万人いる都市がある。」
「な!」
その言葉に全員が絶句する。ついでにエクトネーゼが、5万人都市で、向こうでいうランク4、パルミダークが少し低い渓流都市の4クラスだ。その上のランク5とランク4森林都市を
隣接して巨大化してある都市が魔界のエルフの里”エルフウッド国”である。
「ハイエルフの幹部たち程度ではないが、それでも相当違う。それが、都市単位でやってくるのには問題がある、そして、そのエルフ達は”DPある限り無限に沸く”から、投入は僕は
許可してこなかった。」
問題はみんなが目の前にいても気が付かない。認識阻害のはずである。
「それが、魔王城のみんなじゃ思い込みのせいで、解除できないのよ、認識阻害。一度倒すか、またはもセーフティで置いておいた”メンバーが魔王城を抜ければ元に戻る。”しか方法がない。」
うわぁ…やっちまってる。
「え?そんなのあるの?」
「そうなっちゃった。で、解除探してるんだけど、まともな方法だと無理っぽい。で、私の方としては死んだ後に転生行わせる。から、一度、魔王軍を倒して欲しい。メンバー全滅のを依頼する。」
「それを僕にやれと。」
「うん。それしか、今は手がない。計算外に計算外が重なって、致命的になってる。補填はするからさ…。後、できるだけ配慮するから。ごめん…頼んだ…。」
そう言うと神様の姿はなくなった。泣いていたのは分かった。どうにかしないといけないらしい。僕はどうも、こういう星のもとに生まれてるらしい。神を恨むのはもう一度や2度ではない。
「これはきつい課題ですね…。」
「さっき言った魔王軍の本気と戦えと。しかもも全滅狙い。」
「それだけならいい・・・勇者と魔王軍総出と俺たちが戦い、完全勝利っていう話。」
できないわけじゃない、算段もたつ。が、僕がそれをやるのか?




