26-71 普通のダンマス 亜種
一晩考えて結論は出ない。だから、当初予定した改装を行い、今度はレイラの番というか、相方として、あのバルグンとかいう奴の魂を使ったオーガを作ることにした。
「いでよ!オーガよ!」
呼ばれて出てきたのは3mちょっと下の男のオーガだった。腰蓑は確定だがたくましい髭と角、牙、筋肉を持つオーガだが…。
「ん?ここは?}
「起きたか、早速お前に命名の儀式を行う、お前はカッチン。鍛冶屋として、わがダンジョンの武器防具を作って欲しい。」
「………分かった。が妙にお前、小さいな。」
「それは言うな、お前がでかいんだ。ただ、レイラはもっとでかい。」
「レイラ?」
「ああ、お前と一緒のオーガの女だ。そいつと生活してもらう。レベリングしつつ、お前には家事を行い、まずは木で武器を作って欲しい。
「…そう言えば俺にはバルグンという名前があった気がする。」
「まあ、お前は元はこのダンジョンで襲われて死んだんだ。」
やれやれと、大きくため息をついて見せるが
「そうだ、元は俺は鍛冶屋だった。」
名前:カッチン
種族:オーガLV1
職業:鍛冶屋LV1
HP:723
MP:38
STR:122
VIT:93
INT:22
MID:45
AGI:47
MAG::122
スキル:土魔法LV1、学習LV1、統一言語LV3、鬼の力LV1、鉄細工LV4、鍛冶LV4、剣製作LV4、鎧製作LV4
称号 ダンジョンモンスター、鍛冶の鬼、独裁者、親方
所有物:パツパツ腰蓑セット。
「非常にステータスが低いな。」
「何じゃ?」
「レイラの半分以下だ。まあいい、鍛冶の腕が必要だ、必要な物はアミールに買わせる。まずは石の斧とかある、それで木の加工を頼んだ。」
「構わんが、お主、どこかであったか?」
「いや、お前は俺のダンジョンに来て死んだんだ。それだけだ。もう人間じゃないから。」
「そう言えばそうじゃの。でも鍛冶師としてはどうなんじゃ。」
「筋力で言えば、人間の数倍はある。強く打った鉄や青銅は非常に強くなる。そうなれば、鍛冶の腕もよくなる、人間では到達できない限界まで行く可能性もある。まずはコアの説明を聞いて、それでレイラと合流してくれ。」
「分かったわい、舎弟な頃の感じで懐かしいが、まずは木の防具を作るかのう。」
「資金がたまったら、いろいろ頼む。」
「分かったわい。」
「マギア。こいつをレイラの元に送って。後、太郎と良子を頼むあいつらを”ヴォーパルバニー”に進化させてくれ。」
『了解しました。』
やっとこれでレイラが腰蓑の世界が終わる。が…ちょっとあの体格だと惜しい気もする。が
『イレギュラーです。亜種モンスターに派生しました。』
名前:太郎
種族:トゥーンバニーLV1
職業:未定LV1
HP:12
MP:17
STR:4
VIT:12
INT:102
MID:233
AGI:922
MAG::422
必要DP:32万DP
スキル:統一言語LV1、潜伏LV2、気配察知LV3、格闘LV3、忠義の一念LV4
身体特徴:牙LV4、跳ねるLV1、隠れるLV1、再構成LV1、獣魔法LV1、幻覚LV1、アイテムボックスLV1
称号:ミルツの一番部下、ヴォーパルバニー亜種、良夫
トゥーンバニーTIPS:トゥーン系基礎。元々ヴォーパルラビットはアメリカのトゥーンのウサギを基としたモンスターだった説がある。彼らはどんな攻撃でも死なず、コミカルな攻撃はどう見ても致死の一撃。画像から溢れる狂気はその後の世に多大な影響をもたらした。その為、現実で見かけたら目撃者は死んだと思っていい。性格は人を馬鹿にしないと気が済まないお調子者。ノリが合わないと、相手を罵倒し立ち去るので、致死を避けつつ無視するのが攻略法。
「ヤッホー。」
太郎だけの理由は、良子は抽出後、再召喚の予定だ。が、ヴォーパルバニーの一撃死部分はどこに行った。
「マスータ、ゲンキしてるー?」
外見はどこぞかで見たアニメキャラクターそのもの。しかも結構軽やかな…ぬいぐるみのウサギに見える。但しぱっちりした瞳も妙に白く大きい口もウザく感じる。
『統一言語を学習で入れてから作成したところ、こうなりました。職業が設定可能です。』
「色々ツッコミたい。まず何でこう…ぴょんぴょんしてる。」
だからこっちの周りを跳ねるな!
「心がひょんぴょんするんじゃー、」
「こいつをD…
「待ってよマスター。僕はマスターを愛しているのさ。」
と言いつつも煽るように目の前を跳ねる。視界があの妙に明るく、ウザい顔で迫るのがさらにウザい。但し…。
「ステータスだけで言うと魔法がひたすら多い。」
『一度、ヴォーパルバニー終了後に抽出します。ヴォーパルバニーが”風魔法LV1”、トゥーンバニーが”隠れる”になります。』
アイテムボックス持ちのウサギ。但し人の半分の大きさで非常にウザい。が変なスキルが多いな。
「この幻覚とかは?」
『これはシングルスペルスキルと呼ばれるもので、スキルの制限が薄い代わりにその魔法に特化した能力になります。レベルが、そのスキルの魔法でのレベルを超えると、応用として、その魔法に進化するので、訓練すれば強くなります。』
幻覚、跳ねる、アイテムボックス。再構成?
「再構成って?」
『ダンジョン外で死んでもDPを払えばいつでも復活します。また、MPが余っているなら、自分で蘇生もします。』
いくらでも蘇る魔法使い、厄介な。でもダンジョンのボスとしては最高ランクに強いぞ、きっと。




