26-69 普通のダンマス 来訪
スラムの顔約3名の失踪は大々的に街に広まることになった。当然死体も失敬しました。俺が。この死体もDPに変換できるがしなかった。人間の死体が必要なモンスターが結構多いらしいからな。一体25000DPなのでDPが足りない時のストックにさせてもらう。そしてこの顔役の失踪は騒ぎになっていた。鍛冶町の失踪、色町のトップの失踪そして、スラムの”水場主”の失踪。セコーブが部下を連れ、店に来たのも当然だ。
「あら、早いじゃない。明日よね、出発は。」
「…お前じゃねえだろうな?」
「なにが?」
セコーブがドかりと椅子に座り、アミールを見つめる。
「グラン。食べ物を。」
「ああ。」
グランが調理場に引っ込むと、アミールはセコーブを睨みつける。
「だから何よ。」
「お前が恨んでたから殺したんだろ?ドンガローの奴をよ?」
「第一、ドンガローの顔も知らないわよ、あんたみたいに優男なら覚えてるけどね。」
「…本当だな。一応あんたを追加で監視させてもらう。いいな。」
「いいわよ。私は…何を疑われてるか知らないけど…後…。ここで出す予定の奴がほら。」
「お持ちしました。”ウサギ焼き”です。」
「これは?」
「肉よ、ここで出す予定の奴。これに酒をつけて出す予定だから、」
セコーブが恐る恐る口にしてみると…。
「これは!」
「ここってほら、肉少ないでしょ、これがあれば儲ける事ができるわ。ただ…。」
「そういう事か、露店長の馬鹿か、あいつは変に独占したがるが…肉か。」
「そうよ、ここって、外に出にくい上に肉は足が速いから運搬には向かないわ。だからこういう商品がいいわけ。」
「で?こいつをだれから買った?」
「…魔法でね。」
「俺が聞いた魔法ではこういう事は無理だ。」
「でしょうね、私なら可能よ。」
お互いがにらみ合う。
「…まあいい、あんたがここにこだわった理由が分かった。確かにここなら、あの銭ゲバの露店長はこっちに来ねえな。ここは露天じゃねえし、ちょうどいい境にある。」
そう言い、ちょうどよく焼けた
「で、こいつがすげーうまい。どういう事だ?」
「旨味って奴よ。ちゃんとした味付けで肉はいくらでもうまくなる。だからね。まあ、いくらだと思う?」
「…これか?銀貨3でも食う奴がいるだろうな。」
「なら銀貨2でいいわ。肉と塩だけよ。」
「いいのか?」
「いずれもッと改良するわ。もっとうまくしてみせる。」
「変な奴だな。」
「できれば、もっと人員が欲しいわ。傷はついていてもいい。肉を捌くにもっと人間が欲しいのよ。動けないくらいなら、むしろ買いよ。」
「…今度そろえておくか。でもいいのか、人数の役には立たんぞ。」
その言葉に、従業員を見る。そこまで悪い動きはしていない。
「魔法使いを舐めないで。ほら。」
「…ん?ここやってる?」
玄関を見ると、亜人たちのようだ。小さいエルフと大人のエルフの二人組だ。
「何よ。調整中ね。今は料理の試作よ。」
「あんたら…何者だ。その耳、見慣れないな。」
「…私は枝の氏族のエルフ。ハイエルフのミルカスという。この子は…。」
「…珍しい。」
「おいおい、俺を無視するなや。」
「…あなた、ギルド入らない?」
「え?」
唐突な物言いに二人とも硬直してしまった。
「ネル様!」
「…いいの。この子、大方転生者。しかも結構強い。転職してある。」
その時、アミールが立ち上がり、魔法を打つ構えをする。一瞬で全部を見破られた。
「…警戒してる。当然。また来る、いい返事待ってる。主と相談してね。」
そう言うと、エルフの二人は去って行ってしまった。




