26-64 普通のダンマス 欲望に忠実
アミールが謎の連中に…奴隷を買いに行って、日没ごろには6人の…家族に見えるんだがこれが。
「ここよ、ここであんた達には、店をやってもらう。」
「え!」
「よう!」
「ミルツ!」
ようやく、ダンジョンを調整しつつ、領域内なら歩けるので直通通路を通り、久々に…って!
「会いたかった!」
いきなり抱き着くかお前。寂しいのは分かるが…。後、見てるぞ、お前。
「おい、そこのおっさんたち連れてきたんだろ?」
「うん、そこの…。家族ね。」
「家族?」
「父親が、腕を片方。母親が、つわりで体調が悪く、この二人はその娘。で、そこの男の子2名は若すぎて使い物にならないって。後…ひじね。そこのけが。」
確かに、こうしてみると、4人兄弟の普通人だ。ついでに売られた理由は”税金滞納”だそうだ。俺達も村がそうなると売られる可能性が…だから親父はあんなにあっさり子供を…腹が立つな。
「よろしく。」
「あ、あの…。そこの方が、魔法使い様と聞いて。で、何をすれば?」
「…何をさせるんだ?」
「肉料理よ。これは儲かるわ。」
「どういう事だ?」
「こっちに座って。説明するわよ。」
説明されたのはこういう事だった。この数日、露店通りにはスラムの連中が手を出せないと知って。アミールは露天の調査を行った。そうしたところ肉が少ないと発覚。数日に一度、シカ肉が露天に並ぶが、畜産もそんなに発展していない模様。確かに畜産は無かったな。そこで、アミールは考えた。
「ウサギ肉をメインとした食堂なら売れる。安定的な肉の取引はない見たくて、高級品なんだ。」
「確かに肉はごちそうです。ですがそんなに狩れるんですか?」
「何とかする。だから大丈夫だ。って事は。」
「料理ができればいいのよ。子供に手伝わせてね。一人は責任者に見えればいい。」
「こっち来い。説明してもらうからな。」
そう言うとアミールを引きずって地下に向かった。
「どうするんだ。特にここの事だ!」
「…最悪は地下に放り込むつもりよ、DP生産機としてね。」
「…本音は?」
「肉が食いたい。主に肉。で、食える場所が無かったのよ。後食堂スタイルは露天、商店共になかったわ。だから、この酒場スタイルは売れるって。」
それなら確かにそうだ。だが、肉はどうする…ダンジョンから出せばいいのか。
「でもどうするんだ。肉は。肝心の肉はよ。誤魔化しきれんぞ。」
「…地下に出せば?ダンジョンで。」
「あ、そこはそう言うスタイルなんだ。でも確かに…。ありかもしれん。あんな感じだからな。但し、これは一軒だけになるぞ、もうそろそろ、距離の限界っぽい。」
「分かった。ちょっとセッティングする。待ってろ。その前に…これ。もってけ、実験する。」
「これは?」
「聖女水とかいう、治癒のポーションだ。で、こいつの実験に行ってもらうつもりだった。最初は。ちょうどいい。これを使ってくれ。」
「…頑張って逃げられないようにするわ。」




