6-19 南が見た大陸の現状
「分かりました。では、なんか、ナオさんもダンマスの現状が分かってないようなので、私が説明ます、セバスチャン。ホワイドボード。」
「は。」
あれから、僕たちは”聖女の安息所”の地下にある自宅スペースに来ている。地下10Fで9階にコアルーム+ボスルーム、そしてここがプライベートエリアの草原と豪邸である。ついでに
邸宅は今風の少し豪邸が一軒建っている、この辺DP掛けてるな…。
「でけぇなぁ。」
「いやすげえ…。」
「これができるのが、ダンジョンマスターです。3年くらいやってますので、それなりの儲けはあるんですよ。」
会議室まで来る間、シャラもナッツはずっとこんな感じだった。ついでに南のダンジョンはB1が教会。2から7まで各フィールドダンジョンで8階が偽装ボスルーム。9階がコアルーム(偽2)
+真ボスルーム。そして、B3Fに隠し入り口から10Fのプライベートエリアという平均的ダンジョンマスターのシンプルなつくりとなっている。
「現在、この大陸のダンマスはこの魔王軍の支配下に半分あります。が最近それに対抗するクラン”大陸統一機構”というダンマスの同盟ができており、それが現在、他大陸のダンマスの戦力を探して、各地を回っています。」
そう言うとセバスチャンが地図を描き始める、この世界の大陸はあと2つある、地球より2倍は大きい球形の世界それがこの世界だ。ダンマスのうち39名はこの他の大陸でぬくぬく育って行こうという算段のもと。育っている。勇者は現在、この大陸鹿出現していない。いや、ハーリス調べでこの大陸にいる”異世界転生勇者”はあと1名のみ。すなわちあと8名は他の大陸にいる。ついでに今あるDP量だと、捜索及びあ他ダンマスをその邪魔程度はできるが、したくないがこれ…。
「なんでそんなことしてるの?」
「この大陸のダンマスが、もう私以外に4名しかこの大陸にいないからです。しかもいずれも領地が少ない。どうも、最近ダンマス狩りが、冒険者で発生したのと最近やっと…外に出れるダンマス
が増えて、それでギルドに接触したダンマスがいたのらしいのです。」
やっと外か、長かっただろうな…。当然憑依したり、スキル使ったりといろいろあるんだけど。
「実はSNSでの流れがそれまでは”ネルの園での買い物=ステータス”だったのが急に”ギルド=ネル=悪の権化”って話になりまして、危機感募ったマスターが逃げ込んで…それで会談発覚。
そしてクラン結成となったらしいのです。」
そうネルの園の牛乳含め、ポーションとかすごいいい売り上げをしてる、ナオ、楽園ショップもしかり米、大豆、醤油日本人好みのショップラインナップをしている。
「で、現在散発的にスタンピードを今まで起こしていたダンマスが、クラン結成して…それでスタンピードでネルの園を陥落させる。という話が…先日私に来てました。」
ネルの園の陥落。それはギルド、および魔王軍最大の危機である。
「そんなことになってたのかよ。」
「つうか戦争か…。」
「これには実はいくつもの素地があります。というのも大方リューネさんだと思うのですが、街の近郊のインスタンスダンジョンを狩りまわっています。で、その為郊外にと言いたいのですが
どうも…。」
「ほとんど全部狩りまわってしまった。」
「あのリューネさんの機動力による”近郊”はすなわち…。」
あの人たちは文字通りオーバースペックである。だから、近郊と言いつつほぼ全領域が範囲になってしまった。
「そしてそれに拍車をかけるようにどうも、かなりの数の凄腕と呼ばれる”ギルド員”がインスタンスダンジョンを根こそぎ壊してしまったらしいのです…。その為、この大陸からダンマスが
入らなくなってしまいました。」
途中から競争になったパターンかなこれは…。セバスチャンがいくつものバッテンを大陸の各地に書いていく。
「で、その中で村と仲良くしていた穏健派のダンマスが10名連合を組み、最初はまばらに暮らしていたそうです。が、それがギルド発案の”偉業”により、急襲され村ごと焼き払う展開に。」
「何だそれ…。」
「どうもこれが、逃げ込んだダンマスの書き込みで。これがそうですね…。」
そう言うと全員が南のタブレットを覗き込む。そこには惨状が書かれ、復讐を求めるダンマスの書き込みだった。自分は背筋が冷える思いだった。
「各国では”偉業達成し、再度魔王に挑むため”ダンマスを破壊すると各地の穏健派ダンマスを国単位で襲うようになりました。」
「これに対してギルドは止めなかったの?」
「それに対する書き込みがこれですね…。」
『そんな弱者は、魔王軍の門を叩く必要もない、自衛して勝ち残るのがダンマス。』
いつの間に本当の魔王軍になったんだ?それだと、ダンマスに死ねっていっているようなものだぞ。
「これには他のダンマスも全員激昂したようで。反発が強いです。で、そのあと、どうも大陸でギルドに入ったダンマスが現れ、”ギルド=ネル=魔王軍”となり、ダンマス側も、ギルドの偉業
と魔王という話を聞いて、自分たちが狙われると判断したらしく、向こうも命がけですね…。私は魔王軍の実力知っているのであれ相手の戦争なんて…。」
「そんなにすごいのかよ?」
ナツは当然挑む側である、その声もわかる。
「戦争するときと、魔王討伐だと強さが違います。戦争だと魔王軍は平均で勇者の10倍から100倍の能力持ちです。しかもスキル平均10から20あり、魔法も万全です。」
「というか、なんだよそれ?」
「魔王軍は討伐に来るときは”接待”です。討伐してもらい、気持ちよく帰ってもらうのが信条です。」
「え?それであの成功率?」
成功率3%である、もう少し増やしてもいいと思うけど。
「はい、その”接待”の最低限度にさえ届かない…場合は死亡です。でしかも本気は全部戦法があり、勝つのは難しいです。なので魔王軍に戦争だけは挑んではいけないのです。」
確かに全員戦法があり必勝パターンがある。
「そんなひでえのか?」
ちょうどホワイトボードにはエリンシア北からエルシュウッドへの赤矢印が引かれている。このルートなんだろうな。
「はい。物理か聞かない、魔法が効かない、攻撃効かない、普通にあります、一瞬で一億吹っ飛ばすとかそんなもの大量に飛んできます。まるで世界が違う強さ。それが本当の魔王軍です。」
その言葉に全員が黙ってしまう。




