26-47 普通のダンマス アミル:手ぶらの理由
私は袋を地面に落とすと相手の足元に”ボコ”を設置する。ボソボソ。
「が!」
それに引っかかって私の目の前にすっころぶ…私よりは年上だが…。手を見えない位置に隠すと”石生成”を使い小さい石のナイフを生成する。それを首元に突きつける。
「死にたいの?」
「おまえ!」
私は後の子たちを睨みつける。
「死にたくない…でしょ?」
わざとゆっくり首元のナイフを肩にずらし、切り裂いてみる。
「イダイダイダ―!」
「やめろ1」
「…そこをどいて。」
「…お前ら。逃げるぞ!」
そう言うと、他の子供たちは逃げ出していた。…この子はなんか、気絶してる、更にアンモニア臭がする。…帰るか、こういう襲撃は4回目だ。こういうイベントにもならない手合いは時々来る。食料を見て反応的に来るらしい。ただ私も必至だ。この食料が無いと達成できないことがある。主にMP的に…。一応私は念のため様々に話し合った結果土魔法レベル2を貰った。あと一個はスポナーに使い、土魔法を大量に盛ったゴーレム作成者を増やす計画だそうだ。そして三日旅の間に狩りをしつつ検証した所…。地味に石作成が強かった。攻撃魔法と言っていい。石作成は最大MPを消費しして、周囲の土から石を作る、周囲に石があるとMP-1だが、それで10mの石を一つ作れる。がこれは直径10cmのいびつな石を作る…透析用の魔法だと最初思った。が制作時に形状のイメージがあれば、大まかにナイフとか形状を変えることができる。但し軽石程度の硬さしかない。ついでに場所は自分から1m以内のどこかに時速0㎦で意識的に出現させれる。決して飛ばない。が自分の手元に召喚すれば石が手元に来て、投げてもいい。
そして、魔法を解除すれば、消費はMPだけとなり、維持したければ最大MPが減ったままになる。そして私はナイフ形に作成した石をさらに”土硬化”で硬くして石のナイフを作ったわけだ。これでMPは15.この魔法があるので手ぶらで来ていたのだ。これに初速が付くと”石の矢”になるらしい。だが、手で投げれば消費は低いので、武器でいい。この土を固めた状態だと、魔法を解除しても石の形が残る。そして魔法を維持している状態だと、この石は…”自動修復”があるみたいな挙動になる。結構便利な魔法だ。
「さて、今夜で作業が終わるなら、オートミールでも作ろうかな。」
流石にパンと水だけでうまくなる料理に私は覚えがない。パンを水につけてぶかぶかにした”疑似オートミール”くらいだ。ついでに個人的意見だと、くそ不味い。おっと、家に帰ってこれたようだ。パンを卸すと土壁に寄り掛かる。この辺の家は全て土で出来ている。スラムでもだ。これには、非常にきついが、疑問で聞いてみたところ…厄介な話が帰ってきた。ここの役人どもは基本怠惰だ。しかもスラムの匂いが嫌いだ。そこで連中はにおいの元を消し去るべく”スラムに火をつける”そして燃えてしまえば臭いもなくなるわけだ。が当然風向き次第で貴族街が対価に包まれたことが数回あったらしい。そして、この事故は聞いた話数十年に一度程度は起きている。そうなると安価な”木の家”はすぐに燃える。ついでにこれが起こると暴動が起きて、大抵貴族街が襲われ…半分内戦状態となるが貴族側が兵士を繰り出し…押さえつける。貴族の家が焼けた時でもだ。ついでにその日を付けた役人は貴族や商人外に火が回った時だけは処刑される。が、住民が燃えただけでは処分もされない。もっと腐ってやがる。
「でもまあ…。ここよりひどいスラムはなかなかないね。」
ついでに犯罪組織も横行しているうえに”角同志”の仲が悪い。貴族街に近い所には色街があり、スラム街の中でも職人が多い”鍛冶街”がある。こっちは貧民街だが非常にきつい。ついでにこの世界では職人も”無職”の一種らしい、職人保護しろよって思う。がこの国の貴族からしたら水みたいに湧くとでも思っているのだろうか。私は石作成コンボで作った石の器にパンを入れ。昨日組んできた水を入れて…指でほぐして食った。これが必要なんだ。主にMPで。私は左右を見渡すと、地面の一か所に手を当てて、
「ボコ。」
魔法を唱える。わざとこの魔法で穴が開く程度の土で、地面の一か所を覆い、そこにパンと水桶を運び込む、そこは機能頑張ってあけた穴がある。プランBとは
『地下に洞穴を開けてつなげる事で私がいつでも脱出できるようにしておいて、通行をごまかす。』
である。ついでに連絡はダンジョンの機能で連絡しておいた。このプランBは金を払っても通れない時に使う予定の計画だが、その逆をやった。本来は門前払いを受けたら、近くの森から魔法で穴を掘り、潜入する予定。だったのだが、順序が逆になった。土魔法レベル2にはそれ用の魔法である、穴掘りと土硬化がある。穴掘りだけだと土が崩れて埋まってしまうので、本来は天井を固めて通路にするためにこの土硬化を使う。念のために下に降り、…明りとして、自分の衣類のきれっぱしを石の皿の上に置き石作成で作った”火打石”を使い点火する。そして、空気孔だけ開けて土で埋める。こうして偽装した場所から、魔法で穴を掘るのだが…ここで食事が欲しくなるのだ。
「穴掘り!」
私の身長の2倍くらいの穴がスコーンと空いて…土硬化でそこを固める。そしてその地面に座ると、休憩でパンを食べる。これも”柳田論分”とやらの記事でMPを使うと頭の栄養が消耗され、消耗しすぎると脳震盪の症状が起きる、モンスターでも脳が無い場合は虚無感が発生し、やる気がなくなり…人間は片頭痛が起きる。これを治すには休憩のほかに食事を行い、頭に栄養を送らないといけない。MPポーションもあるというが、主に栄養ドリンクらしく、レシピが安定しない為、ポーションの偽物が多いという。
だから練習の合間を縫ってこうして食べ物を体に押し込み…。休憩する。やる気が出るまでだ。そして魔法で穴を掘り続ける。パンがまずい。が、押し込まないといけないので、ゆっくり歩いて、パンと水を持って来て、また疑似オートミールを作って、押し込む。村の頃に食ったウサギ肉とか…ミルツの所で食べたウサギの塩焼きの思い出をおかずに。
「…さて、穴掘り。」
ダンジョンにつけば、食事と銀貨の支援を受けられる。まずはこの穴をダンジョンとつなげる。それが最優先だ。




