26-33 普通のダンマス 謎のザマァ
全員が恐怖で泣き続け…そして、しばらくすると泣きつかれたのか、そのまま寝てしまった。アミールを除いて。ここには当然太郎達”狼”はいないが、狼部屋ではある。だが計算外はさらに起きた。まず村人の様子だが、3時間ほどダンジョンの穴の周りで、歩いて、まるでフォークダンスを見るように穴を見つめつつ回っては、鍬を使い全力で
ダンジョンを拡張しようとぶん殴る。あかないのを確認したら。じっとしていられないのか…さらにグルグル回る。が、これが2時間もしてくると、無言で数名が離れていった。
一応見張りがい一名残るようだ。この隙に…。あ、2万DP溜まってる。…これを生かし、あいつらを追い払う。そうでないとまずい。まずは領域を購入する。ダンジョン近くの
木の陰だ。そこから太郎、良子の2匹をユニット配置で送り込んだ。今回の命令は相手に傷をつけ噛みついたら、適度に離れる事。追い払うのが目的だ。がここが第一の計算外
だった。
「ああ!きやがったのな、ガキどもの仇!」
無音で忍び寄り、足を噛みつき、しばらく噛み続ける太郎。良子は周囲の警戒を行っていた。が、いくら噛んでも引き下がらない。勘で、振られた勢いで離れて、様子を見ても、…こっちに敵意があるだけで、普通なら逃げだすような…出血をしていても気にしないで立っていて、逃げようとしない。仕方なく、ゴブリンたちをストックに入れて、腕狙いを指示、
「何だこいつら!死ね!死ね!」
…確かこの人村で一番臆病なレミンタンおじさんだよな、確か。それがこうなるのか…。信じられん、が、ゴブリンたちも。あ、股間を蹴った。がそのまま蹲り…そのまま気絶した。
そのまま、ゴブリンたちには眠った子供たちをダンジョンの外に引きずって、出してもらう事にした。。そして…穴の周辺に転がしだ。
「あなたたちは?}
流石に気が付いたようだが、軽くゴブリンたちは会釈すると、ゴブリンたちはアミール以外をダンジョン外に出して…ようやくダンジョンが改装可能になった。無理矢理、扉を作って…どうにかアミールは回収した。…怖い。
「…ミルツ。」
きゅっと抱きしめられるが…安堵の方が大きい。そして、全員を回収した直後、異変が起こる。村人たちが戻ってきたのだが…。ちょっと待てなんだそれ!
「あ!」
「子供たちが!仇は絶対取るからな!お前ら!」
「こんなイラつく穴があるから、ミルツの仇、喰らえ1」
全員が持ってきたのは石の塊だった。村人が全員で石を抱えれるだけ持ってきて。…ダンジョンの出入り口を埋め立てちまった。
「子供たちがこんなになって、絶対に仇は取るぞ!絶対にだ!」
そう、大人たちは、行っているが、子供たちは、アミール除いて生きているし、しかも、大人も…金的で気絶させただけで…ついでに持っていた鍬はちゃんとスタッフが
いただいておきました。が…。さらにその仇、絶対その穴の中で、埋まって死んでるぞ、もう。
「これでは絶対にミルツは…いや子供たちが死んでしまった今、この穴は絶対に許せない!」
…論理が破綻しすぎてる。隣のアミールもドン引きの顔になってるぞ、俺も。
「だからこそ!領主に直訴するぞ!こんな穴、吹き飛ばしてくれる!」
いや、その穴あんたらで埋めただろ、今。
「正気じゃないわね、これ、あのまま穴の中にいたら。もう…死んでいたと思うわ。」
「行くぞ!」
そう言って、村人たちは去っていった。…子供を置いて。
「…どうするのこれ。」
「どうするんだこれ。」
石で埋まったダンジョンの入り口は実はたいしたことではない。
「確認だけど、現在大丈夫?」
『はい、現在DP収益48%…ぎりぎり維持できます。』
「どういう事?」
実はダンジョンは出入り口とか穴とか、大量に開けていないといけない。そうでないと外気を取り込み、ついでにDPも循環させている。出入口を閉じると呼吸不全みたいな
感じになってダンジョンが維持に使っている”通常収益”Dpを得る事ができず、DPが減少する。が、食のダンジョンマスターの特性はこの”維持費”を半額にする。
その為、通常にモンスターに生産活動をさせると…DPを得る事ができるようになる。但し…ゴブリン部隊30体がいても一日220DPと少ないが。本来はこれでも得る事は
出来ない。が、もう一個こいつには利点がある、維持費DPを削ることで、出入り口の大きさを既定の半分にしても死なないのだ。…そのためにダンジョンの脇に小穴をあけ
半分はこれで維持していた、だからこのまま、穴が閉じていても大丈夫だ。ついでにダンジョンに入った部分で、誰も見ていないならこの石も当然回収可能だ。但し…。
「このためにわざと…穴を小さくしていたんだ。」
ただ…ダンジョンを大きくすると、入り口はどんどん大きくしないといけない。が問題は、村がどうなるかだ。それにもう
「…後で説明してね。ただ…。」
この調子でアミールが戻っても、どうなるか保証はできない。どうする?ただ、この状況はもうダーバリの…やつれた顔を見たら、ざまあとか…言う気分じゃない。むごすぎる。いくらザマァがファンタジーの常とはいえ…こんなザマァはいらない。




