26-23 普通のダンマス 宝箱
「で…連絡をもらったんだけど…村はやばいよ。」
結局結論が出ないのでアミールに飯を届けてもらうついでに来てもらった。
「なんで?」
「ダーバリの奴あなたが死んだことにして。逃げたみたい。それで村が葬式みたいになっちゃってる。」
アミールから水筒を受け取り、飲んでいた。ついでにごみを持って来てもらい、DPに変換しておいた。
「何だって?」
「あなたが狼に襲われて死んだ事になってる。って事、だからもう…。」
「帰るにしてもDPが大量にないと、帰れないのに…なんてこった、帰れる道筋見えて来たのに!」
硬いパンを悔し紛れに引き儀る。硬い。
「帰れるの?」
『難しいです。』
コアの返答は冷たかった。
「どういう事だ?」
『ダンジョン領域にはルールがあります。家等の所有権がある箇所においてはその所有者の領域化への許可が必須となります。この場合、あなたの父親に許可をもらわない限り
家に入れませんし、そこまで行くのにDPもかかります。』
「許可…。」
「面倒。」
二人の顔は、思いっきりしかめていた。正直に話して理解があるとは思えない。が大方、ダーバリの奴は俺の事を嫌っている。まずい、確かにまずい。ただ考えようによっては
今は有利だ。ダンジョンの入り口が狭く、通路も大人が入れる大きさじゃない。ぎりぎり生きていける。
「このままダンジョンマスターとして生きていくしかないか…。」
「でもまあ…この部屋…。どうするの?」
「それが聞きたいんだって。共同経営者さん。」
「とりあえず、原資金ないと死んじゃうでしょ?」
「まあね。」
あまり計算ができない俺は欲妻に火計を任せていた。夢を言うのが俺で。叶えるのが彼女って感じだ。
「可能性があるのは…。宝箱を設置する事ね。」
「何で?」
アミールの顔も渋い、
「この中で固定収益を謳っているのは宝箱だけなのよ。この何もない土地で固定収益は大きい。で…そのために2万+2万DPが欲しい。」
「ん?」
流石に混乱してきた。
「2万DPの1/20は1000DP.これだけあれば食事ができてそれなりに補強できるから。一日1000DP稼げれば二十日…または90日耐える事さえできればすべてを
元に戻せる。当然。その間消費もするだろうけど、この利益で来た人間を撃退するダンジョンを作る。まあ、来ないと思うけど?」
「いやあさ…。それが歩いて三日の範囲に街があるらしいんだわ。」
「そう言えば宝箱の欠点は?」
『宝箱は中にいれたアイテムに応じてDPを得る事ができます。がそのアイテムの価値分だけ、人を引き付ける誘因効果が発生します。但しアイテムを回収された場合満足して
その襲撃者は撤退します。がそれまでは必ずその宝箱の中身を欲します。誘因効果は達成されない毎に効果が累積していきます。』
「宝箱は利益を得る事ができるが、その分人を引き寄せる…ああ!」




