26-15 これでも生産系(自称)です。
相良は、危険を感じ、すべての展開を停止して、普通の人間形態となり、水上歩行でぎりぎり海上に立つが、勝ち筋を思いつくことはなかった。それに、魔法の矢を防壁で止めても貫通して
いて、とてもではないが体を小さくして、回避に徹しないと当たる…いや、あれだとわざと外してるな…。
「すまない。降参だ。あんたを貫く攻撃がない。」
「了解しました。攻撃止めますね。」
さっと止まり…。相良がいつものガレオン船を呼び出し、メリルも船の中に入る。人間の大きさでだ。
「お疲れさまでした。流石、大ダンジョンのマスター。」
ふわっとした飛行で美月が下りてきた。猫に羽が生えた使い魔を使っている。
「褒めるなよ、あんた、それ、どうしてバトルで使わなかった?」
「これ使うと、一発で相手が消えるので、消化不良もいい所で、そして、これを使っても、”教授”含め幹部の皆さんには勝てないんです。」
相良がダークボックスから線内容の椅子を取り出すと。さっとテーブルセットを置いた。本来船は船幽霊の能力で存在するが、内装は備え付け部分以外は自分で買って整える必要があったのだ。
「そんな上は強いのか?」
「勝てないですね、一応、能力が認められ”S級冒険者”扱いですが…社長込みでのS級判断ですから。」
その話を聞いて、メリル含め青ざめた。
「あんたの今なら勝てると思うが?」
「いえ、最終的にはステータスより、戦法や戦術の方が高評価になります。相良さんのその、瞬間で大きさが変化できる艦船の方がずっと有効とみてます、そう言う戦法の評価なんです。」
「そう言うものか…。」
この魔王軍においてステータスはある程度なら覆して勝つことが可能なのを、”教授”が実証している。その為、ステータスより”戦法”を重視している。ただ、通常戦闘ではその戦法、戦術のラインまで至らない、虐殺に嫌気を指していたのだ。それは勇者としての本能であり、そして美月の優しさでもあった。
「とりあえず、戦闘終了なので、後、魔王軍は基本、戦闘訓練を推奨しています。言っていただければ組み手ぐらいならだれに挑んでも構いません。この規模ぐらいなら、この辺で
いくらでもできます。」
いつの間にか金髪の幼女の姿が船にあった。
「ハーリスさん。海上に戻せます?影残忘れてました。」
「いいですよ。ユウに頼んでおきます。」
「というか、俺、メリルもやれるもんだな…ミリーには負けたのに…。」
「当てようと思ったら…ですね、あとは…。」
「これで生産系の勇者だろ?あんた。」
「はい、開発が好きでやってます。武器も金額が払えるなら、受注しますよ。一年先になりそうですけど。」




