26-12 この場所、子供しかいないけど
「新人さん、いらっしゃーい。そして、楽しんで言ってね。」
「「ゆっくりしていってね!!!」」」
新入り歓迎会は普通の立食パーティに近い・・・高級スィートルームの最上階フロア貸し切りだった。でいるのは多くが女性だが、男性もいた。そこに一応用意したタキシードとパーティドレスで、相良が来てみたものの、普通に子供ばっかりで、逆に肩透かしを食らった感じだ。あのヨミが、一応一番最年長に見える。が、ここは”エレノア”クラスが闊歩する。魔王軍幹部の…やっぱり子供が多いとか、、女子会の空気だ。一応南と、あと離島に連中と、あれはナギサか、そのメンバーもいるな。
「君も被害者として・・・苦労してくれ。」
「あんたは、柳田か。」
立食パーティの形式ではあるが、料理はダンジョンから出されている。
「まあ、そうだな、私は一応、訓練で一度魔王軍幹部にぼこぼこにされたからな…。」
「あんたも大変だな。」
「一応スケルトンファクトリーの精鋭50人を持ち込んだんだが。全然勝てなかった。」
「それはきついな。」
戦闘ランキング上位の腕を持つ柳田の直属部隊である再構成を生かし、DPで復活を繰り返し強くなったスケルトン50人、それが、柳田のダンジョンの特徴だ。これで、経験を積ませ戦闘訓練を経させる事で、一人一人にDPを与え福利厚生を高める事で、精神的にも強くなってもらう。そんなダンジョンがスケルトンファクトリーだ。
「それくらい、魔王軍は非常識の塊だ。」
「お勧めはあるか?」
「どの死に方がいい?と聞かれてるのと変わらんぞ。答えたくないな…。」
「そんなひどいのか?」
「分からん。ただ…君の戦艦を見ていて。私が君に勝てるかは不明だ。」
相良は少し満足した顔をしていた。
「じゃあ、できる限り安らかに死にたいって言ったら相手は誰になる?」
「船が9隻砕かれていいなら…。鎧騎士に頼むといればいい。一瞬で負ける。」
「…勝ち筋は?」
「教授の話は聞いていたか?あるわけないだろ?」
「じゃあ、一番長く闘って死ぬのは?」
「離島の本気もえぐいが…。そうだな、一度聞いてみたかった、頼めるか?」
「なんだ?」
「美月君。」
「はーい。」
寄ってくるのはあの魔王バトルの際、ステータスがなくても魔王国のエージェントを全滅させた…。美月だった。
「彼なら少しは耐えれるはずだ。前に言っていた。欲求不満で死にそうになったあれ。見せてもらっていいか?」
「あれ、ですか?外部で使うにはだめで、内部に使うには出力足りな過ぎて。」
「どういう意味だよ。」
全く訳が分からない顔を相良がしている。
「美月君は、この世界を去る理由が”本気を出せないから”という物だった。で、今はステータスの無い生活で戦っているが…。」
「そうです、ダークパウワァを出す前に相手が死ぬので、厨二病する間もないので、最近は普通になってます。出来れば少しくらい出させてもらえれば、暗黒魔王砲とか出せるんですけど…。」
「…それ本気?」
いきなり眼帯付けそうな顔で言う美月の顔を…相良は呆れてみていた。
「私はテンションが乗らないと厨二病モードにならないので…。最近は不発ですね。」
「おお―。一度見てみたいよー。後輩君がそこまで言うモード、見てみたいなぁ。」
「先輩、また酔ってますね。飲み過ぎですって。」
普通のスーツ着たお姉さんだが…みたことないぞ。
「ああ、3聖女は、プライベートだと。姿を元に戻してるので、で一応、危ないなら、手加減しますけど…。」
「まあ、お願いしていいかな、ただし…海上になるけど…いい?」
「はい!お願いします。流石に戦艦とは戦ったことなくて…。」
「お、決まったのか…というか美月君か…。また厄介な人と戦うな…。」
「どういうことだ?教授。」
教授が寄ってくると、酒を手にしてる。
「ついでに私の時はナギサやメルと戦って負けたんだが。それより上、魔王軍中堅だ。」
「は?」
「鬼ちゃんとかも最近は中堅程度まで上がってきたからな…。その上で、最初から中位並みの実力がある。それが美月だ。かなりえぐいからな。覚悟しておいてくれよ。」
「教授、そんなことしないですよ、きっと。」




