26-9 魔界を通って魔王城
「…なんだここ。」
教授に連れられやってきた雑貨店で数回話をすると、バックヤードに紹介され、階段を下りた先は、先日魔王バトルが開かれた”魔王城ver2”だった。
「ああ、魔王城だ。君たちも中庭から来ただろう?」
「ああ、ゲートがあそこになってたからよ。でも、でも、それが雑貨店の地下からくるのかよ、しかも上の方。」
「そうだ。あの雑貨店がダンジョンだよ。」
「へ?」
「そして、そこから、浮遊島にある”NEO雑貨店の出入り口だ、そう言えばリーメ君も忙しくて、この城の案内はまだだろう?」
「はい、聞いてはいましたが。」
「って事はまだあるのか?」
「そこが神様の専用ルーム、ここは魔王軍幹部の私室がある。」
「は?神様?」
指差した先は実は会談となり、パーティ会場から見えないが、バルコニーから見下ろすことができる部屋の奥3Fの並んだ部屋を指さす。
「そう言えば掃除とかしてるのか?」
「コアがしてるはずだ。ついでに、このダンジョンの最大戦力様だからな。決して怒らせるなよ。」
「教授…。」
メリルたちがつばを飲む。
「ついでに私でも幹部上位相手だと、殺し合いは不可能とみてる。それ位には強いんだぞ全員な。君ら向けに言うと”エキシビジョン”の相手クラスがうようよいる。それが”魔王軍幹部”だ。」
「は?」
「だれか来たのです?一応メイドのマネとか、コクヨウに習ってしてみてるけど、どうです?」
来たのはメイド服も赤が多いエレノアの姿だった。
「掃除と食事は必要なかろう?風呂は…先日別荘ができたばかりだ。いらなかろう?魔王殿?」
流石に全員が緊張していた。
「ダンジョン作成練習して、魔界のインスタンスに混ぜてもらってるですけど、どうも微妙です。頭使うのは苦手です。」
「管理して、観察して、思ったことを反映すればいい、経験とは観察でも得られる、しばらくコアルームに籠ってはどうかね?」
「…わかったです、ちょっと行ってくるです。後お客さん。あまりここの事を他人に話さない方がいいですよ、後、リーメ君は企画書出来たらナオに提出して欲しいです。現地スタッフの決定を行うです。」
「分かりました。」
「後、徳永さんが呼んでたです、また来て、成分とか言うのが欲しいと言ってたです。よくわからないけど伝えたです。じゃ、ちょっと観察してくるです。じゃ。」
そう言って、すたすた歩いていくエレノアに…。相良、メリル共々化け物を見る目だった。あの一年ちょい前のあのバトル以降強すぎるラスボスの一角であるエレノアが普通に歩いて仕事
してると思わなかったからだ。
「魔界だろ?」
「デンジャーゾーンの勘違いだろ?」




