26-7 契約書、結局読んでもサインしちゃう利害関係
相良はこの4人の中で運輸担当兼、良識派だ。戦闘担当でなく、運輸担当が魔王を輩出したのも、メリルがこっそり”教授”からの教えとかで強くなり、訓練して、戦闘担当を倒した実績が
あるからだ。その為、こういう細かい知略担当は全て相良が行っていた。
「地下室?ランキング抹消されたダンマスだがね。」
「知ってる。しかも…運営から、消されたはずのダンマスじゃねえか。唯一ランキング詐欺だという…。」
「聞いたことがあるが、で、どうする、これが亜人から出されたんだろ?社長。南が頭下げてでも。」
「そうだがね。そこが怪しいんだがね。相手は大社長のトップたちだがね。それがあんなに頭が低いとは思わなかっただがね。という事はこの契約書・・・文章長い、なんて書いてあるがね?」
「ああ、これは”地下室の関係者になる代わり、地下室にはあらゆる敵対行為を禁止する。”その代わり”その分の利権を渡す”という契約書だ。で、これがなぜか、各ダンマス向けに全員存在し、契約すると”ダンジョンのメンバー全員”がそうなると書いてある、ただし、これ…書いてある内容と、なぜか作戦内容は”契約書を結んだ相手”以外には口が開かなくなり、念話も禁止するとある。で、魔王に対しては”研修”を行うとある。」
「敵対しないと誓えばいいがね?意外と緩いがね。」
「デースね。私はいずれ手打ちにするくらいなら、ここで融資を引き出して、開発の資金をもらい、魔王ダンジョン”スパマウンテン・ハワイ”を完成させてから契約して、とっととお客を他の大陸から呼びたいデース。」
実際、今生き残っているダンマスの多くは生産系で武闘派の数は比較的少ない。その為、開発にかじを切り、今後予想されるであろう”リゾート開発”にかじを切りたいのがスキュラである。そして、海川達”スキュラカンパニー”の夢である”ハワイで豪遊”の為に”ハワイを作る”というのが現在の彼らの目標である。ただ、本物のハワイは全然彼らは知らないし、その為適当に作っている。
「俺は…一応一定の距離は取るべきだが、提携の形ならいいんじゃねえか、それにその契約書は亜人と提携とは書いてねえ。提携すると亜人と敵対しちゃいけねえと書いてない。それならいいはずだ。」
実際”魔王軍”契約書にはお互いが中立であり、より深い関係である”クラン”同士でない限り、敵対は許可されている。でないとダンジョンバトルに寄りDPが入らなくなると、ドルカス含め山岳同盟から言われ、この文言が追加されている。この文章によりブレイブ大陸ダンマスの集いである。”聖女教”とドルカスたち”山岳同盟”は一応ダンジョンバトルできるが。イツキ含めその多くは通常ダンジョン経営と都市のDPだけで必要分をもらい、自由にダンジョン作成できるため、聖女教に挑むことはなかった。むしろ相手が”S級冒険者”になる可能性がある以上そして、その実力を目の当たりにしている以上。自分多対が表立ってバトルは行わなかった。一応バトルできる同程度が欲しいので、パンダ同好会との提携を後押ししたのが”山岳同盟”側だ。
「全員一致でいいな。この…地下室関係者になるサインで。」
「というより、凄い巧妙な契約書デース。お互いダンジョンバトルしてもDPが入るように契約書が書いていあるデース。但し、この”幹部”による許可が欲しいとあるのが不明デース。幹部って南デースか?」
「わっかんねえ。が、俺は構わねえ、解除条件に”幹部一名の許可がいる”と書いてあるが、大方ドルカスだろ?」
「なら、サインするがね。サインして、渡せば契約整理るがね。」
そう、彼らはこれで”魔王軍加入手続き”にサインしてしまったのだ。




