26-5 腹が減ったから勇者は弱い
「後は、今回魔王バトルにおいて、銃の販売をこっちに依頼が来てるけど、美月ちゃん、進捗は?」
神様が書類を叩き、議事進行している。
「芳しくないです。もう少しローコストにしないと”MS3”は販売できません、今の反動だとスキルなしの場合、普通にダンジョン打ち抜く反動なので、ステータス一万はないと、反動を腕力で
抑えきれません。またマジックブリットは能力差が大きく、また銃口部で一定以上の魔力で撃つと銃が溶解し、爆発の危険があります。小さすぎると、今度はミニゴブリンに二さえ効果が薄
いということが分かっています。なので、どの程度の火力がターゲットか決定してもらわないと、調整ができません。」
美月が資料を持って答える。後ろでは3聖女が頷いている。今回は普通会議なので、ハートと遙さんが普通の顔になっている、”公式”では受けのいい主人公の姿になる。
「…それは販売はまだ遠いがや。」
「銃は待望だと思うけどね…ダンジョンが荒らされるからね…価格も確か…。」
「うん、宝箱経由だと”技術レベル査定”が入るから数千万が最低になるわよ。自前で欲しいなら自分で今は開発してね。」
「布スリングとかは?」
「あれは簡単です。すぐにでも作れますが、専用となると、ロッドに専用の穴が欲しいです。」
布スリングとは布を棒に括り付け、その棒を振って遠心力で投げつける、原始的な射撃法だ。欠点は投げ方にコツがあるのと。棒の強さとスリングの中身次第で棒が折れる事だ。
「弓は?」
「戦場とか野外以外だとダンジョン側次第では全く役に立たないため、一応武器屋においてありますが、不人気だそうです。」
魔法発展の弊害がここにもあり、基本遠距離は味方の間を縫って魔法攻撃が基本で、タンクとかは…敵が来る前に魔法で殲滅すればいいという考えが大きい。
「慣れれば、味方の間を通して打つことが可能だけど。きつい。」
弓は現代アーチェリークラスでないとかなり上下に揺れる。和弓でも一緒だ。しかもアーチェリーは相当”器具”が多い。その為開発の手順がかなり多いのだ。クロスボウは楽だが、再装填の
時間が長く、専用の”巻き上げ人”がないと実戦配備できないのが現状だ。
「魔法か…。」
「でも、魔法は、ダンジョンにおいてかなりDP収益になるんだよね。」
「そうなるな…。」
「となると、スキル銃技はまだハズレ扱いか…。」
神様も頭をかいている、この辺は流石に神様が手を出していい範囲じゃない。
「後は、懸案というと、魔王交代につき、勇者の必要レベル案内をどうする?」
「それよね、今回は、一応、大魔王でもあるスキュラのおっさんがいるけど。」
「それはどういう意味だがね?」
「今までは、”勇者”が魔王に向かうのは自由で、レベル99でも無謀。だったから基本、お目付け役だけで、着たければ、場所を紹介するよって感じだった。で、今回から、魔王は
スキュラ担当になったから、レベルがいくつくらいなら連絡して、来てもらった方がいいか、ここで出来れば数値の目安が欲しい。」
「魔王は一応、スキュラである、メリルに任せるがね。儂のダンジョンだと、このメディルになるから、ちょっと頼りないがね。魔王というには。」
「あのメリルさんか…。」
「ふむ、構わない。後、スキュラ列島は国家があるかね?出来れば、エクトネーゼとしては友好条約でいいので、結んでおきたいし、見てみたいものだ、新魔王の居城は。」
「それが悩んでるんだがね。一つ聞いていいがね?神様。」
「…まあ、イラっと来たけどいいわよ。」
「後で相良とかをレベル10にすれば、そこの魔王の間でも構わないがね?」
「本当は禁止したいんだけど、確かに部下の頼りになりそうなモンスターにさせてる事が多いから、いいわよ、」
こうして魔王がいて、奥に行くと大魔王がいるんだが、なんで大魔王の部下が、魔王にその部下が従わないでいるんだよ。っていう、シーンのあるあるがこれか…。、
「なら、さっそく集めてみるがや、でも…。ダンマスが攻めてくるかもしれないがや?」
「否定はしないよ、ダンマスと勇者が組んで魔王討伐とか、結構あると思うよ。実際、ダンジョンの攻略にかかる日数計算すると、物資の供給は欲しいから。」
ルール上というか、一応ダンジョン作成には以下のルールがある。”魔素供給と魔素の固有化のため、ダンジョンの規模に応じた出入り口の大きさと、通路が欲しい。またそれは
コアルーム迄通路として繋がっていないといけない。”である。但し、それがドアで遮られ、それが”関係者のみ立ち入り可能”と書かれていても成立るする。但し検証で分かったのが
ドアの開閉は”関係者の実”であるが、開けたドアに入るのは誰でもいい。すなわち、誰かが裏切るとダンジョンはプライベートエリアを襲われる危険性がある。またドアを”ダンジョンを
破壊して打ち破る”方法で抜ける事が可能だ。但し、コアは”隠れる”や変身でダンジョンモンスターのふりとかで偽装していないと体内にいるため、すぐに発見してアラームを鳴らす。
が、だまし討ちが可能なのだ。
「物資だがね。食べ物か…。」
「そう、食事は規模に応じて欲しいから大量の資金が欲しい。」
実際魔の森の魔王城に討伐軍はそれこそ、数十回派遣されたが、その食費だけで現地調達無しだと、…という過去の時に気いて発覚したんだが、魔の森の動物が実は魔王軍討伐で向かった際に絶滅に瀕するまで狩られている。その為、ダンジョン側で土の栄養だけ維持コストを払い維持している。そして食料がない魔王討伐軍はぎりぎりの食糧を計算しつつ一か月から2か月かけて魔の森について、戦闘する。というのがロジックだったらしい。当然干し肉とか用意すればいいのだが、当時はDPショップで買う以外普通に食べ物を運ぶことが出来ず、また、DPショップさんの食べ物のうち、思い出の異世界シリーズは数万DPと、ダンマスでないと高く、さらに勇者はダンマスと友好的な関係者でないとDPショップが利用できないなので、かなり貧じい思いをして魔王城に向かったらしい。そりゃあ、勇者弱いわ。飯をまともに食わないで魔王討伐なんて、できるはずがない。




