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はじめてのまおう~《勇者に俺ツエーさせるRPG》   作者: どたぬき(仮)
第16章 ガチャガチャマスター(第一編)
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25-冬SP15 冬はゆっくり露天を歩いて 

 年末当日、僕は暇だと困るのでシチューをほーりすに大体三日間ほど暇で作って…それでここまで来た。一応、キッチンカーを預かり、使ってみると僕もハーリスも高さ的に使えないことが分かり、キッチンカーを置いてテーブルとコンロ(石を積んだ)で大きい鉄の寸胴を置いてシチューを売ることになった。で、うん。

「いらっしゃい。どう?」

 店員は読みとハーリスに頼む…。

「くれ。」

「それ、絶対さぼりだからダメ。」

 お姉ちゃんが一番のお客さんになった。いや、ヨミさんと今は同一人物だからそれ、店員が自分で食う事になるって。

「私ならいいでしょ?」

「長谷川さん。」

 地味メガネのいつもの長谷川さんの姿だ。キラリ君と一緒だ。

「一杯銀貨一枚ね。結構貴重だからね。」

「確か…ってナオ君の手料理…。」

 いや、長谷川さん。暖まっているようだね。顔も暖まったようだ。

「ハーリスは?」

「このまま皆さんお願いします。視察行きますので。」

「あいよ。行ってらっしゃい。」

 ヨミさんがゆらりと手を振り見送ってくれた。…露店は実はコンサート会場につながる一本道にみっちり詰まった感じで露店が並ぶ。勇者の多くが露店で料理チートを狙って出店したことも相まって…ってあれは?

「いらっしゃい、りんご飴いかが?」

 怖いおっさんが専用台にりんご飴を刺して作っている。隣は、教授のお面と、子供ッぽいデザインのゴブリンのお面。エルフのお面もある。

「いらっしゃいませー。いらっしゃいませー。眠いー。いらっしゃいませー眠いー。眠いー。」

 凄い店員さんがうつらうつらさせつつも声を上げているが…。

「起きろや。スリーパー。眠いの頻度上がってんぞ。」

「いや眠いし。」

「客呼ばねえと…。」

「おねえちゃん。これちょうだい?」

 親子連れの…子供の方がお面を指さしていた。教授のお面だ。と言っても普通の男性にしか見えないんだけどね。

「眠い。」

「いや、待てや。すまないなお嬢ちゃん。これ銅貨20やけど?」

 見に来た・・・と言うか衣装が土方みたいな感じのおっちゃんが隣の眠そうな店員の横で応対してる。

「これでいいの?」

「ああな、いいぜ。後これ、持って行きな。余りもんだ。」

 近くの箱から…なんかおもちゃを取り出すと手渡しした。

「いいの?」

「いいぜ。」

「苦しゅうない、眠い。」

「…まじめにやろうや。」

 意外とボケが多いかもしれん。というか結構露天多いな。こういう感じの。で、しばらく歩くと醤油の匂いが強い串焼きエリアだ。あとこれ、ハムステーキとか置いてあるな。と言っても串焼き。ハムの輪切りに醤油を掛けて直火であぶった料理でワイルドだが、現代に通じそうな、

「おじちゃん、2本。」

「銀貨一枚な。」

 意外と高いが…支払って買ってみる。結構醤油もあるけど食える。むしろあぶってあるハムから脂が出て美味い。一本をハーリスに手渡す。

「食べる?」

「あ、はい。お兄ちゃん。」

 そう言えば外にいる時はハーリスとは兄と妹設定だっけ、今でも。

「結構いけますね。これ。」

「ただし高いんだよねこれ。」

「レポートによると、向こうでも肉の人気が絶大で、こっちに回す分量が買い付けられないので、DPだと赤字だそうです。」

 実はこれがDP生産の欠点でもある。DPでの提示価格より市場での物価が下がる場合がありうるのだ。貴重品でもない限り…DPでの価格という基準価格がある為にそことの差額で儲けることができる。が…貴重品もある。実際この地方ではほぼない蛇肉である”バンガルスカーデ”とかいうモンスターのお肉はかなり高額で取引された。ただ取りに行った大下君たちが言うにはもう二度と取りに行きたくないとの事だった。この辺のモンスターの死骸関連はダンマスでは取引されない。これはダンマスの性質上100%のモンスターの死骸があればそのモンスターを購入可能でそれを警戒して…ダンジョンコアはこれらの取引を停止させる傾向にある。それが…食肉ダンジョンからの肉の販売を止めさせていたらしい。ウサギもいたらしいからね。

「でもこうして…あっちは行列出来てるね。」

「あそこは、練りもの屋みたいですね。」

「イラサーイ!イラサーイ!」

 というか、結構行列が多いけど、あれはスキュラカンパニーの…リチャードさんだ。片言日本語の人だ。

「後で買いに行かせます。」

「いや、あれで。」

「分かりました。」

 僕たちは実はここで物を買う必要性はない。全部を領域化しているので、登録してしまえばいつでも食べれる。が屋台での味の8割はその場で食べる雰囲気の味だ。行列も、並んで買った勝者の味はDPで出して食べたあの時の味とは違うのだ。がまあ、ここはずるさせてもらおう。というは人通りも多いな。

「そこで一発剣を刺し―!勇者はー!」

「冒険者の恋の行方はダンジョンに―!」

 請う人も集まると通りのハズレとかでは野良のというか吟遊詩人の方々が簡単なリズムに乗せて人を集め、お金をもらっていた。

「いいねえ…。」

「そうですか?取り締まった方がよくありませんか?」

「一応各店で用心棒らしき人はいるし、邪魔ならどけるでしょ。」

「そうですね。」

「というか、僕はあんまりお祭りとか来たことないから。」

「そうなんですか?」

「売れる子役になりたくて、母さんに…全国の端役でも連れていかれたから、こういう休日の思い出ッてないんだ。」

「…すいません。」

「いいんだよ、今はもう…そう言うのは。」

 実際初期の勇者で5年。ダンマスになって5年…地球換算10年。外見は中学生でも中身はアラサーのおっさんだ。皮肉にも中学生までの年齢よりもう、こっちの方が年月長いけどね。

「で、では。ライブ会場に行きましょう。」

「そうだね。行ってみようか。」

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