25-冬SP13 音楽できなくてもできる事はある。
「というわけで暇なら小銭稼いでみない?」
と南さんが…同盟及び各ダンマスを全員集めることになった。
「イベントねぇ…。」
「めんどーい。」
今では少なくなった亜人同盟の9人が集められていた。それぞれ国家持ちやそれに匹敵するダンマスでもあるが…。
「出来れば協力していただけませんか?僕達は盛り立てたいんです。」
リーメ君が頭を下げる。ゴブリン村としても協力に積極的だ。というのも、リーメ君たちが協力しているのがゴブリン村だ。そして村の婦人会がほぼ全員出ることが決まっている。それに向けたギルドの依頼も張られていた。
「いいけどさ。出店の屋台もないっしょ?」
サンディーン女王の意見もわかる。
「それに関してはアチシ達が…これを用意しただわさ。これは報酬代わりに一台なら…無料提供するだわさ。」
と言ってダークボックスから出現させたのは…キャンピングカーを改造したような。
「キッチンカーだわさ。ゴーレム車にひかせる用の特殊品でゴーレム車は出せないだけど、これなら出せるだわさ。」
これは今年の奴隷見本市で売られていたゴーレム車展示会に置かれていたタイプに似ている。
「何で―?ゴーレム車が出せないのよー?」
というか目立つな、サンディーン女王の間延びした声。
「そうだがや。あれこそ目玉だがや。」
「あれ、井原から生産原価聞いただわさ。35億DPだわさ。出せるなら交渉に応じるだわさ。」
その言葉に全員が凍った。
「あの乗合馬車そんなにするの!?」
驚いたのは南さんも一緒だった。
「そうだわさ。」
でも実はあれ、気になってハーリスに鑑定してもらったら真実だった。各所にマナバッテリーを300M分の容量で配置し、ゴーレム作成の際にもさらに1000DPのマナバッテリーという再充魔可能な大容量のゴーレムでしかも…御者台に”MP共有魔法陣”が設置されていて乗っているだけでMP補充が可能という便利機能までついている。スピードは出ないがパワーも高くて、どの人間でも使えるというチートだ。僕の評価では35億DPでも安く感じる。よっぽどコストカットもしたんだろうな。
「というかそんな35億も出店に出せるわけないがや。」
「そう思うだわさ。だからパーツのキッチンカーで我慢するだわさ。これもこれでかなり細かい配慮がなされているだわさ。」
鳥海さんのこの言葉に黙る。
「という事は出ればこれが一台貰えるという事でいいのだな?」
「黒川。その通りだわさ。」
黒川さんたちは3名のみが参加
「で店は小銭稼ぎでは有利だ。私達は出る。ただし配下ダンジョンマスターの分も一台貰えるか?」
「仕方ないだわさ。了承するだわさ。」
「と言っても…参加しないのもありだろ?」
「これを出す代わりにアチシ、および千鳥万花の他のダンマスは出ないだわさ。」
「俺もやめておこう。こっちはこっちでやることがある。」
手を上げたのはイツキだった。
「俺は出すがよ。少数だぞ。」
ドルカスも一緒だった。
「配下のモンスターでもいいのか?」
「それは構わないわ。あと、地元の商会も来るし、ここで騒動さえ起こさないなら・・・と条件はつけさせてもらうわ。最近は忙しい人も多いからね。」
その意見に黙って数人が手を挙げ、それ以外の参加は無かった。なんか渋い結果だな。
「そして、売上で競ったらおもしろくない?みんなで出店出すんだから…景品は出すわよ。ね?}
…こっちを見ないでほしい。景品考えないといけないやないか。




