25-冬SP8 2度目の対決(代打)
「一応、前の案件の話は聞いた上で…。」
今回の千鳥万花との交渉は南さんと、その部下のセバスチャンさんの二人だ、僕は南さん側からモニターで見ている。
「音楽ってほら、儀式的側面もあるじゃない。だからさ、呼び水的にどうよ?」
南さんはこう見えて結構交渉が旨い、雑談で聞いた話、生徒会長になると嫌でも交渉が先生と必要で、しかも企画纏めて来いとか…ざらにある。しかも学園祭費用の分配とか数字にも強くないといけなくて…鈴香ちゃんとか、色々助けてもらっていたらしい。自分で企画をやるならなおさら…交渉は必須との事だった。
「確かに悪くない。費用と用地、かなり大量に欲しいぞ?」
「野外フェス会場の設営費用をこちらが肩代わり、報酬はその機材の一部をそっちに渡す…でいいかな?」
「一部?」
「大型電源装置なんて渡せないのよ。あと電源車とか、それに無いからね。その類。でスピーカーとラジカセでいいかな?」
「ラジカセはいらん。マイクでいい。」
「後、電気の方は無理だから、魔道具作る方向で。」
「その分も込みか…。」
「欲しいでしょ?」
「足元見られたものだ。が分かった。いいだろう。後向こうに行って現場打合せを行う。その時に付き合うように。」
「わ、分かったわよ。」
そう言うと、南さんは立ち上がり、井原も立ち上がり…握手をする。
「本来なら雇用主として敬意を払うべきだが…すまないな。これが地だ。」
「いいけど、そんなツンツンしてていいの?」「
「お客と分かっていれば敬語も使うが…その年齢で敬語を使われるときッと…気に入らんだろ?」
「まあね、」
「だからだな…では…」
井原は立ち上がり、去っていった。そして、緊張の糸が解けたように南さんが…イスに深く、腰かけてため息をついた。
「ほんとに…いるだけで緊張するわ。あの人。」
『そんな緊張するの?』
「何言ってくるかわからないし、それに報酬も…相手が手加減してるつもりでもかなり法外な物が多いから。うまく運ばないとうけてもらえないのよ。」
なんか気難しそうな相手だな…あの人は。
『でも電源なんて…。』
「分かってるけど…出すことはしないわよ。それにそっちから貰う魔王軍給料程度だと大型電源車は買えないの。」
値段はある…な…え?今でも2億9千万DP…高っかいなこれ。
「それに各ダンマス共々…しのぎを削っているわ。電源があれば各ダンジョンの思い出召喚に眠る電化製品動かせるでしょ?」
『電源車だと…燃料欲しくない?」
「あ…。そうだわ、全然忘れてた。」
ふむ、色々あるな。でも思い出…かこっちだとないけど…。ちょっと検索…あるな結構電子レンジとか。ふむたしかに思い出にありそう。そしてそれが快適な生活を生むんだろう。まあ、分かったのはいろいろあるなって事だ。




