6-9 狙うは”転生勇者”
その日の夜は祝勝会としておもいっきりナッツのおっさんと騒いだ、ただし酒はないけど。つまみもないので、パンと商品のミルクである。
「でもさ、なんであんたに闇魔法使わなかったんだ、さっきの知ってりゃ、あんたが使えばいいじゃねえか。」
「それが僕はなぜかスキルが覚えれないうえに、レベルが1固定っぽいんだよ。」
「え?」
「訳がわかないんだけど、そんな感じ、その代わりに、このハーリスがいる。」
「よろしく。」
ぺこりと頭を下げる幼女。実は顔が似てるので妹に見えるのは秘密だ。
「で二人で地味にここで商売してます。ほとんどの事をそつなくこなすので、ありがたいです。」
「もしかしたらそんなスキルかもな…。」
実際はこの建物がスキル扱いなのだが…実際他のダンマスはこれにスキルと、種族レベルまでついている。なんという差別、うう。でも最近は町中も治安いいので暮らしていけるようになった。
「そうか。大変だな、あんたも。」
「はい、なので、僕にはみんなが欲しいのです。助けてくれる人が。」
ニコッ
「分かった、おじさんが何とかしてやるよ!」
「ありがとう、でも今度はどうするんだ?銃はない、俺に闇魔法があっても魔法はほとんど使えないぞ。」
「そこはカバーする方法は考えてるんだけど…その為には勇者が欲しい。」
「え?なんで勇者?」
「従者の称号。」
「探しておきましょうか?」
「お願いするよ、」
「では数日お待ちください。」
ハーリスはペコリとお辞儀する。
「・・・ふと思ったんだけどさ、おじさん。」
「はい。」
「その子有能じゃないの?」
「相当ですね。」
「悲観しない方がいいと思うよ。きっと。さっき思った。」
おじさんの呆れ顔がつらい。分かってる。僕にはもったないほどに良い子だよ。
「でもあと訓練はどうする?」
「それも武器が手に入るのと後は勇者が見つかってからです。」
「ん?だって国に勇者があってみんな囲ってるんじゃないのかよ?」
「はい、その通りです。が、異世界系ってそれだけじゃないでしょ。」
「あ・・・異世界転生か。」
「そう、そこを探す、まだ実はこの世界”貴族”が少ない、大体4年前に大戦争があった後で、騎士とか諸々みんな死んじゃって、人材が足りてない。だから貴族はいない。後、この世界が
未熟すぎて、実は奴隷もいない。その前に職業斡旋の”ワークギルド”がある。」
と言いたいが実は、借金身請けで、数件破産宣告があり、僕がいた時に問題になっていた。大方…そろそろ借金奴隷、犯罪奴隷が成立するのではと思ってる。ギルド主導の。
「なんでそこが?」
「という事は”定番パターン”貴族に生まれる”、”奴隷の勇者”が存在してないって事。ならどこが生まれやすい?」
「普通の家か?」
「ああ、だが、それに僕たちは入る隙間はない。狙えない。」
「あ・・・孤児院か!」
実は僕たちが魔王城追放された時に出すのを忘れていた指示。それが”孤児院に子供を集めて勇者発見。それを引き取って従者(同年代かパパ)”を量産する計画”である。同年代に従者候補がいるだろうから、それを根こそぎ確保してもいい。だが、この指示を出す前に終わったので、…幸か不幸か大方普通通り”10歳の成人”まで鑑定しないだろう。そしてその素地は当然組んで置いてある。たとえ命令が無かろうが発見するようにである。
「王子って話もあるんじゃねえか?」
9歳になると職業が確定するので、そこで鑑定を行い未来の路を示すのが”ギルド子供進路相談”である、当然孤児院を経営してるネル教はそのことを知っている。ただ、勇者がいる可能性があるとは伝えていなかったのだ。そして、もう一個・・・うん伝達不足、何だ、この辺は・・・異世界転生もあるよって事を伝えてなかったのだ。これはあの時聞いたのは”地元の勇者”なる者がいないと国は地元民を切り捨てる方策をしかねなかった。なので、それに待ったをかけるべく、転生者を混ぜるのだという。無論、今の魔王軍はそんな真似しないが色が黒髪でない勇者は産まれうるのだ。
「ああ、だから、旅の準備して、勇者が見つかるまで各地の孤児院を回る、そこで勇者とダンジョンの情報を得る。王子は数年だとあるかもしれないが、結婚した、子供ができた、どちらにしろ
それは手が出ない、僕たちの所に歩いてくる頃には大抵大物の敵がいる、」
自分はどっちの王様の実の家族も知ってるし、当然ハーリスがサブコアに肉体を与えて監視してる。魔力体のあれが肉体かは怪しいが、どちらにしろ監視している。ただ貴族というか怪しい地域はあるそれがエルトリア諸国連合だ。あまりに小さい国の為ギルド連盟”世界会議”には現在承認されていない。があそこの小国が来る可能性もある、あの辺に勇者が出ないのもおかしい。が魔石集めて
と言いたいが、実はあそこはダンジョンマスターはいても”勇者”は召喚されない。なぜならもう一つのパーツ”勇者召喚魔法”がないからだ。開発はできるのが分かってる。条件となるスキルも
だからできるとして偶然の可能性が高い。
「店はどうするんだ?」
「こうなった以上は僕も腹を決めて、おじさんに付いていくよ。」
3年の安寧は大きかった。ああ、常連さんにはしばらく店を閉めることを話さないと…。




