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はじめてのまおう~《勇者に俺ツエーさせるRPG》   作者: どたぬき(仮)
第3章 3人の勇者編
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5-32 3者集う

 その戦闘状況は祝賀会の様子を凍らせるに十分だった。怪獣かと思うほど巨大なリューネもすごいが、それ以上となって文字通り”圧殺”した。そして、あの巨大な魔石…。

「あれでまだエレノアは手加減してました。戦略的なトラップの類は使ってません。流石にこれを見せられると冒険というより、食事とかになるので、戦闘してる気がしないのです、こっちは。」

「まあね、だから一緒に冒険とかにはいかなかったんだ。」

 ケイも納得した顔だった。

「というか、本当の化け物だな…。」

「あれだと勝てない…」

「一応あの人に勝った祝賀会のはずですわよね?」

 勇者たちはその画像を疑わしい顔で見ていた。

「本気の魔王軍って奴ですね…その中でもエレノアは別格ですよ。」

「あれが本当の魔王…。」

 エムントのつぶやきがその恐怖のすべてを物語ってていた。

「ここが…。」

「はい、ダンジョンの奥ですね…」

 声の方を見ると、エレノアに連れられて、リューネそしてみんなが来ていた。


 そこは牧歌的ともいえる…普通の農園とログハウス、そしてその脇でテーブルを出し、30人ぐらいが飲み食いしてるところだった。

「ここは?」

「地下というと感覚がおかしいですが…ここはB2F。”ネルの園”です。」

「なんか、凄い…魔素が満ちているというか…。」 

 そう、ここ、土に至るまですべて、力に…そういえば”ネルの園の土”ここの土か…。

「ファー凄い…すごい気持ちいい…。」

 七海が少し顔を赤くして周囲を見ていた。

「ここの農園は非常に魔素を含んでいます。本来はこういう開発のほうがここのメインでして。」

「塩も?」

「はい、今ではエルフ塩という名前で定着してますね。」

「今日の勇者たちと英雄たちに拍手を!」

 エムント王の言葉で、全員が拍手で彼女を出迎えてた。

「私はだらしなく負けだたけ。でもまあ、・・・先に言っておく、七海ちゃん。」

「はい。」

「だしに使ってごめん。そして…。」

 リューネは思いっきり、全力で頭を下げた。

「ごめんなさい。私はみんなに迷惑かけたの知っていた…けどここまでと思わなかった。」

 全員が沈黙して…リューネを見ていた。

「一つ聞いていい?」

 一人の男の子がこっちに歩いてくる。分かってる。

「最初ギルドに来た時にはあなたが長谷川さんだとは出てなかった。」

「うん…。それは七海ちゃんのダンジョンにいる時に記憶がよみがえった。封印されてたんだ。私の記憶は…だから知らなかった。そして、思い出した時…死にたくなった。が今日はもっと

…死にたくなった。謝るのがみんなへの限界だと思う、だけど…これしか思いつかなかった。」

「大丈夫だよ、長谷川さん。目の前に賄賂手渡す所見せられて。オーディションに落ちて、しかもそいつに目の前で馬鹿にされて、僕は何の手を出してはいけないんだって事よりはあのくらい

楽だよ。」

 この言葉に今度はナオへの目線が白かった。

「それ、比較としておかしいです。」

「さすがにお姉ちゃんも引く程ひどいねそれ。」

「少年も相当闇が深いな・・・。」 

 教授は余裕そうにお茶を飲んでいた。


「実はさ、花のダンマスにあったときに…会談の話が出たのよ、でそれをするための条件を満たさないと今後まずいかなって思って、で強行突破したのよ。でないと困ること起きてね。」

 それは大きめのテーブルに全員が座り、食事を再開したときの事だった。執事服の男の子が隣に現れる。

「ハーリス様。お初にお目にかかります。そして今宵は会談の申し込みにまいりました。」

「確認できました。”会談”に突入します。条件を満たしたので”会談”の条件を満たしますか?」

 ハーリスの声が急に硬い。

「何それ?」

「ダンマス同士での交渉、条約、同盟。それらを総称して会談となります。条件は”ダンジョンバトル以外でコアとマスターが一緒に直接二組以上いる”です。」

「コアも一緒に?」

「はい、お互いサブコアでいいので、権限を持つコアが一緒でないといけません。また、マスターも一緒であるのが信用であり条件です。この時クラン設立や条約の発効等を行います。この効力は

マスター同士は文面のみ、モンスターは物理的に効果を発揮します。例えば進入禁止の条約が発効したとき、マスターでは通知、それ以外は物理的に入れなくなります。またこの条約は発効時の

精神に基づき”恣意的な違反”は禁止されています。それを行った場合罰則又は破棄が可能です。また、会談中は会談領域において一切の遠隔知覚を効果を無効化します。」

「交渉かね…。」

「で、これの話が出た時に従属って話が出たんだけど、これ…。」

「はい、同盟作成及び同盟加入、脱退は全部のダンマスに通達が行きます。また条件や規則は設立時、および加盟者全体での会議でしか変更できません。」

「これやっちゃったらまずいよね、立場的に。だからと言ってこれ普通に話しても決してみんな、ナオ君表に出さないよね。」

「当然です。」

 エレノアが不満そうに頷く。

「だからこれやった。できればそっちの団体名が魔王城で、”魔王軍”って同盟作ったら?そうすれば勧誘は”魔王軍”名義でできる。」

「いいですねそれ。」

 その言葉にリーメも頷く。

「今後にもこれが必要だったんだ。」

「そういえばいいのに…。」

 ナオは残念そうな顔だった。

「大方、嘘つきか、実験してってなるが、その時間はない。」

「確かに、相当時間かかるだろうね。」

「僕もガルッチ連れてきていいでしょうか?」

「私は構わないけど…ナオ君は?」

「いいよ。」

「じゃあ、ハーリスさんよろしく。」

 そう言うとハーリスとリーメが億のほうに去っていく。


「そういえば”教授”。」

「なんだね?」

 勇者たちとエムントが側に集まる。

「リーメ君って何者なんだ?」

「ああ、二人の裏は彼らの裏と、スカウトの理由を説明してなかったな、ックックック、もうみんなダンジョン関係者になっただろうし、二人とも説明しておくか。」

「確かにそれも謎だったんだ。」

 王のほうはあの会談に興味があるらしく、そっちに行っていた。

「まずはネル君。ネル君はここで働くダンジョンのナンバー2.実質的にエルフのトップであり、対外の責任者。商売と農業が売りだ。ついで上のワークギルドと、先ほど画面に映っていた

”魔界”のギルド二つの統括だ。このダンジョンのトップは当然あのエレノアだ。」

「へ?」

「事実上世界の支配者って所かな…今は。ついでに私に隠れて大方、商売とかの情報交換や商売とか全部やってるぞ、あいつが。エルフの統括もあるが、連中から聞いたときはもっとだった。」

 教授は一緒に会談してるネルを見ていた。ついでにその脇には表、裏、のエルフの代表とギルドの代表がいた。

「全エルフの戦闘の師匠とか、計算を教えていた。文字通りの統括だ。で、私のもとには要請に応じてきていた。」

「えー!」

 その言葉に全員大声出してしまう。あまりのことに驚いていた。

「ついでにそこの薬草、とか後ポーションはここで作ったものを作ったレシピだ。そう言う開発をメインでやっている。ので私は雇われているだけなのだよ。」

「思いっきり報酬要求されてましたもんね。」

「で、リーメ君はダンジョンマスターだ。」

「えぇ?」

「鬼のダンジョンマスターだとか言ってたな。大軍とか軍隊系のスペシャリストで、私が知る限り魔王軍に次ぐ大規模ダンジョンのトップだ。リューネ君のはあれは違うからな…。」

「そんなすごい子なんですか?」

「直属合わせ結構いるはずだ。で、君たちはその援護を受けて、通常の実力以上のものを出させられていたのだよ。ミニゴブリン一体用意できれば勇者を瞬殺する程度の能力を与える。」

「…。」

「で、そこの妖精と隣の男の子がリーメの部下だな。DPが多く、幹部に指揮持ちが多いのもあり、戦争するなら止めておいた方がいい。そう考えると、ナオが少数精鋭。リーメが大軍

リューネが単騎無双の形となる。ある意味いいバランスだよ。」

 会談の様子を見ながら遠目で勇者たちがぼーっとしてる。

「やっほ、これ、下の料理、やっとというか、最近出回ってきたマグロ定食。」

 そう言って勇者たちの前に定食の皿を置いていく、

「マグロ定食?」

「うん、下のエリアの一部にマグロがいるのよ。近くに顎クジラの巣があるけど、でそこで取れたマグロと、エルフ塩を使ったエルフ醤油、最近開発成功したんだって。」

 ケイは言うと黒い液体の小瓶を置いた。


ネル謹製エルフ醤油(100g)400DP


TIPS:エルフが魔塩とアンバールの実を使って異世界由来の技術”醸造”を使って作った”醤油”。異世界人監修のもと味はほぼ成分関係なく旨い。お互い超栄養土のネルの園産の物なので、

使用された魔力が半端ではない。場合によってはうまみと魔素過多で人が死亡しうるので、仕方なく作った後で水で薄めた廉価版。これでも醤油のコクが残ってます。


「マグロもあるんだ…。で、ふと思ったんだ。会談にいる人間多くない?」

「うん、多いよ、ゲスト来てる。で、ミーアたちが食べ物とか出して、今煮詰めてる。」

「二人?」

「今いるのは…。ナオ、リューネ、リーメ、ネル、エクトネーゼ王、七海だな…。」

「それはあいつだよな…。」

 勇者たちの顔が苦笑いになっている。こっそり椅子が一つ増え、スーツ姿の女が一人増えている。

「どうしているんですかねえ。普通に混ざってますよ。」

「私もそう思った。」

「他の子たちが気が付いていない。があれ、神様ですよね。」

「あれが女神かね…覚えておこう。」


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