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はじめてのまおう~《勇者に俺ツエーさせるRPG》   作者: どたぬき(仮)
第3章 3人の勇者編
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5-24 教授の章 勇者部隊

 周囲は焼け焦げ、村はもはや残骸になっていた。建物の多くは噛みつかれ、人々の残骸がそこにあった。無残であった。私はその村の周りを一週回り…。野良犬がちらほらいるな。

「支援は期待できるかね?」

「捜索中。ちょっとやってみる、みんな、おいで、」

 ネルはそう言うと体から6体の少し大きな子供たちが出てくる。ちょっと透き通ってる。

「ネル様?」

「「「「「なーに?」」」」」

 この様子にキラリ、南はキラキラした目で見つめていた。

「このあたりにダンジョンあるか探す。」

「はーい。」

 みんなの声がそろう…。流石だな。実際ネルはこの6人を率いているのだ。前聞いた時いはこの6体の精霊もダンジョン産でしかも。かなりの強さを誇るらしい。が私の出番もないとな…。

「そうだな、まずは向こう探すといい。あっちに同じ向きの足跡が多かった。だから、向こうから来た可能性がある。そこから始めたまえ。」

「あいあいさー。」

 そう言うと精霊たちは、そっちの方向にそれぞれ散って向かっていった。実は彼ら『念話』があるらしく、連携も強い。私も闇の精霊とか言うのを譲ってもらった。まあ、ネルの子たちが闇精霊で遊んでいるので、私も欲しがったのだ。まあ…私も年甲斐もなくはしゃぐ当たり老けたものだ。ペットもあの安いアパートだと匂いが染みつくからこういう臭いが薄いのが好きでねぇ。が、今は出さない。向こうに任せる。

「すごいんですね。」

「ネルさんはやっぱりすごいです。」

 新人の勇者たちの輝きは凄い、こういうのに憧れるのは今も昔も変わらないのか…外見だけなら私のほうが若いらしいが…。さてさて…。やはりこうも平和だと勘が鈍る、ナオ相手に神経衰弱かゲーム機もあったがあれはに数億DPになっていたからな…手が出なかった。ちぃ…せめてシューティングゲーでもあれば楽なのだが。そこは我儘という物か…。仕方ない…今度色々考えておこう。

「君たちも勇者なのだぞ、少しは気を張りたまえ、もうここは戦場なのだからな。クックック。」

「でも、襲われたあとなんでしょ?もう来ないんじゃ?」

「よく考えてみたまえ。相手は頭があるんだぞ。しゃべる骸骨の話を忘れたか!」

「あ、そうでした。」

 キラリは慌てて剣を抜く。いや、実際君は魔法使い系だろ。能力。魔法自体はギルドのマスターというネルの直属の部下が行い、ちゃんとリューネもレッスンをしていた。その為か、実際キラリは面白いほどに成長していた。精神的に。あれが男というのがむしろ惜しい。最近はああいうのが流行りなのは分かっていたのだが、やっぱりああいうのは性に合わないな…。さて、そろそろか。

「そろそろ第一陣来るぞ。」

「え?」

 さっきちらっと見た犬がずっとこっちを見ていた。大方報告か見張りだろう。ならば。当然私たちを襲撃してくる、ネルの話だと、”ダンジョン領域”が設置してあればそこの目に見えない範囲から

ダンマスはDPある限りいくらでも召喚できる、ただし”目に見えない”がポイントだ。見えている範囲で放置してる限り、連中は”死体を回収してDPに変換”できない。すなわち有限化できる。

後で燃やしておけば回収も不可能になる。そう聞いている。だからこそ、ここでわざと待った。連中に”視界の開けた場所”で襲わせ、死体回収させないためだ。オオカミが遠吠えをする。そして、足跡のあった方の反対側から数十体のウルフたちが湧き出てくる。

「ネル!」

「リーメ、少し下がる、援護お願い。」

「了解しました。勇者様、頑張ってください。」

 リーメの声に勇者二人の顔が引き締まる。…私はあれがスキルと分かっているからいいのだが。わからなければあれ、絶対理解できないはずなのだね。だが今回は彼らに経験を積ませ、レベリングが

目的なので、我々はここで、彼らのバックアップである。と言っても背後打ちを警戒し、それとない位置に配置して、私は周囲に目を配る。彼らは若い、新兵だ。FPSで一番つらいの新兵が固まる序盤だ。それ位新兵は手に負えない。そこから這い上がるベテランは文字通り少ない。それ位戦闘自体の経験が欲しいのだ。ステータスがあろうが、無駄打ちするならなんという事もない、置物に等しい。それを彼らに学んで欲しい。がそう言うと、一気に振り返り、背後討ちの部隊に突っ込む。意外と賢しいな。連中は。地面をはい、一気に潜り込むとナイフを相手の喉元にねじり込む。刺さったの

を確認するとそのまま引き抜く。格闘ができるなら…私もこういう道に入ったのだろうか…が、やっぱり、リアルは好きじゃない。そして、獣をけ飛ばすと闇精霊に命令を下す。

『この辺にある死体を全部ダークボックスで回収。それが終わり次第南たちに向かい護衛しつつ死体回収メインで。決して見つからないように。』

『了解。向かう。』

 私の陰から抜け出た黒いボールはそのまま周囲の死体を食い散らかし、そのまま潜むように彼らの陰に埋もれた。どうして私の契約した精霊はああも可愛げがないのか…。いや、孫見せられても

困るからちょうどいいかもしれないが…。その頃の南やキラリたちはそれはもう…さすがにうまいな。が、あの魔力の放出量だともう少し出てくるか。それか…。

「リーメ君。そろそろかね?」

「鬼ちゃんたちが何か巨大な岩を発見したそうなので、もしかしたらそこかもしれません、今向かってます。」

 やっぱり主人公は向こうに見えるな…。

「ネルにも伝えておいてくれ、私は少し休憩してる。が、そろそろ70か、向こうの防衛が速いかまたはこっちを殺しに来るか…。」

「はい。」

 昔はリーメ君はここで腰を据えて休憩するのだが。今はもう戦士の顔だ。周囲の警戒を怠らない。私は立ったまま目をつぶり、気配を読みつつ体を少し休ませる。呼吸を整える。

「初めてだけど、うまくいきそう。ダンマス確保…いや、死ぬ気みたい。」

「何?」

「もうDPがない。だからお前ら殺す、だって。あの子たち、伝えてきた。」

「はい、こちらも確認しました。生きていれば何とでもなるのに…。」

「ああいう手合いも増える、覚えておくことだ、そして、これからこういうのはどんどん増える。泣いている暇はない。」

「はい!」

「さて、向こうは…息も絶え絶えと言ったところか、向こうは任せればいい、リーメ君頼んだ。」

「はい。」

 そう言うと、懐からコインを取り出した。銅貨って奴だ。実際これ大きさが小さいが、スナップ利かせて投げるにはちょうど良く、投射のスキル持ちの彼にとってはこれも武器になるのだ。むしろ

下手な矢よりも安く、強い。それでキラリたちの視界の端にあるウルフたちを屠っていく、実際リーメはスキルも高いので…銀貨の袋があればワイバーンでも叩き落す。それくらいの火力はある。

そして、戦闘が終わり、キラリは少し傷が…そこを南が回復で直していくようだ…若いねえ、私があの頃にあんなことされれば惚れてしまうかもしれん。

「終わりましたね。あとはどうします?」

「ネル君がそれとなく誘導して、コアだけ拾わせればいい。本当に、生きていれば何とかなったものをな…。」

「教授!終わりました。そっちは終わりました?」

「クックック、君たちがほとんど持って行ったぞ、…私の肉はまずいそうだ。だからまあ、お疲れ。後はネル君待ちだ。ただ、これからが本番だ。今のうちに消化のいいものを口に含め。食べれる

ときに食べておけ!発見し次第そっちに向かう、村を襲うバカどもをつぶさないと今度はもっとひどくなるぞ!」

「はい!」

 いいねえ、新兵は、あの課長どもがこれ位素直なら、もっと楽だったのに…。

「見つかった。少し外れたところある、いく。」

 そう言うと、ネルはあのダンジョン跡地を指さすのだった。


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