5-18 ドラゴンマスターリューネ 新人との歓迎
「あ、あなたは何者なんですか?」
「はい!」
「マスター、ダイジョブです?私外に置いてけぼりで寂しいんですけど。」
そう言いながら一人の執事服の男の子が下りてきた。
「リー。こっち来て。この子勇者みたい。気絶したから、これで縛っておいて。」
「は。まさか死んで?」
「回復はさせたよ、穴空きっぱなしだけどね。」
「ポーション付けときます?」
「うん、頼んだ。」
そう言うと執事の男の子は緑色の瓶を取り出すと、勇者と名乗った少年とお姉さんにジャバジャバ液体をかけていく。
「これも勇者ですか、キラリさんとは大違いですね。」
「まあ、こっちが普通よ。」
「あ、あ、あの。」
私はまだふるえる足を…。それを見て白い女性は私の前に座った。
「いいよ、立たなくて。で君、大丈夫?」
「は、はい。」
【ダンジョンコアNo02確認。新規プログラム開放。】
「え?」
【マスター。この黒髪の方がダンマスの模様です。後、そちらがエルフさんで、大方どこかにコアがあると思います。】
「ダンマス?貴方も敵?」
「先輩って所。」
「え?」
「私もダンジョンマスターだよ。」
「えーーーーー!」
「落ち着いた?」
九死に一生を得た…とは考えにくい。あのダンマスさんが本物なら、私は殺される可能性があるのだ。転生して二日目にして大ピンチである。
「は、はい。わ、私、春宮七海と言います。」
私は慌てて挨拶をする。社会人の癖が思いっきり出てる。
『じゃあ、これが分かる?日本語ってこの世界じゃ本当は通じないんだよね.』
『はい?じゃあこれは何なんです?』
「昔、女の子が言ってたところだと…。」
「doniaeohilvzlis.n日本語mpos。lmzl。z。」
「え?」
「こうなるらしい。日本語と、向こうの言葉混ぜると翻訳機能が機能しなくなる。」
「じゃあ?」
「私も移転者…かな。本名あるけど今は…。リューネで名が通ってるから、リューネ。よろしくね。」
リューネさんか。きれいな人だ、でも白いんだよな、移転者は大抵元の姿に似てるはず。私の場合はちょっと若返ったみたいだけど。
「は、はい。リューネさん。」
「まずはここでは何なんですし…。」
「簡単なテーブルとお茶、でいいかな。」
そう言うと黒いテーブルと椅子が…いつの間にか花園の中央にできていた。そして、そのテーブルの上には、袋菓子のチョコレートとペットボトルのコーラが置いてあった。あれ?ここ
私のダンジョンだよね?
「高さ的にコタツがよかった?私そこに座るとドレスが汚れそうで。」
「い、いえ、かまいません。」
そう言うと私は黒い椅子に座った。意外とイスがフカフカで柔らかい。そして、チョコをつまむ、これ安い方だけどいつもの奴だ。そして、コーラも…カップは木のカップだが注いでグイッと…。
懐かしい…。
「で私もダンマスなんだけど、近くのインスタンスダンジョンって言って主のいないダンジョンがあるのよ。それを退治して回ってた。」
「そ、そんなのあるんですか?」
「うん、ある。」
そんなのあるんだ。
「で、ここが怪しいって来たらたまたま、ってこと、だから偶然なんだよ。」
「運がよかったんですね。」
こんな優しいお姉さんがいたならラッキーだな。
【マスター。新機能試したいのですが、今よろしいでしょうか?私にはこれが必要だと判断しております。】
「なに?」
「会談でございます。これら含むいくつかの機能が条件を満たし可能になりました。なのでその機能を。」
「えっと…この子が怖がらない?というか急すぎない?」
「いえ、むしろ、この子がいないと成り立ちません。条件は”ダンジョンバトル以外で二人以上のダンマスとそダンマスのコアが一緒にいること”ですから。」
「じゃあ…。」
「はい、これから、お互いの関係を決める、”会談”を行います。」




