1-10 僕の仲間に名前つけたみたい
朝は明るいが…曇りで日の様子は重かった。
「おはよう、」
「おはよう、」
よく考えれば共同生活なんだよな…神様と…そういえばベット一つしかないぞ…。ここ。
「私はほら、いつでも家に帰れるし、寝る必要性もないから、あなたが寝てね。」
絶対後でベットとか別室作ろう。
「後これ…。」
昨日も見た気がする、パンとスープ…あれ?僕は無言でスキャナーのもとに行って。
「スキャニング」
ライ麦パン(硬焼き):1DP 細かい野菜の支給スープ:1DP
「味気ないわね…。一応欠点言っておくと、同じアイテムとかでも登録するとDPで呼び出したときに同じ味しか出ないからすぐに飽きるわよ。おすすめはやっぱり自分で作ること。」
「できたらね。」
高校生に料理とか何期待してるんだ。
「さて、今日はダンジョンで釣りだ!」
「おおー!」
「プニィ。」
そうだ、昨日はダンジョンにドロップ品(自分では手に入らない)とか設定したんだっけ…。のぞくとそのまんま、潮の香りが分と鼻につく。
「思ったんだけどさ…。竿と釣り針は?後餌…。」
「………。」
「用意は…。」
「してあげたいんだけどさ、ほら、干渉禁止とかルールにあるじゃん…。」
こういう時に後悔するのがルールの基礎である…。いや、記憶してない僕なら絶望してたんだろうな…。海を覗くと時々少し大きめの魚がちらほら見える。入れ食いかもしれないが…。僕はそっと扉を閉じた。飯は食えるんだ…とりあえず気長に考えよう。今のままなら3か月後にはジオフロントのレベルが上がり…ただし防衛できなければ宝箱があるから人がいや、敵が襲ってくるんだろうな…。
まずはレベルアップ…。
「レベルアップってさ、どうやるの?」
「職業とか種族のレベルは、戦闘による経験値…まあ端的にいえば人からMPを奪えばいいのよ。俗称経験値なんだけどさ。それで設定された量より多ければ成立するよ。」
「でも根本的にMPって何?」
「解説するとすごい嫌な気がするし、ファンタジーに言うと、小人さんの数。」
「え?」
「とても小さな小人さんの数なのよ。それにより、人間の肉体の機能とかの一部を肩代わりしてもらい、スーパーパワーを手にできるのよ。」
なんかナノマシンとか聞いたことあるな。
「そんな感じで、生命に宿ってるのよ。で、これでスキルの設定とか、スキルに使うマナを奪って…で、それで強化することができるのよ。」
「スキル取るのってもしかして、」
「うん、そういうMPを付与してる。生命体に。但し先住民もいるので後から買えるのは労力がいるのよ。」
「そういえば、ここってどこ?」
「魔王城予定地よ。」
分かるか!
「もう少し詳しく。」
「前回魔王のいる魔大陸とか作ったら割られたので教訓でこちら、陸続きの僻地の”魔の森”に魔王城作ったのよ。…大体人がいる開拓村まで一か月くらい。山脈一つ越えないといけない。」
相当奥地だけど…。
「そういえばここって魔物とかいるの?」
「いるわけないじゃない。いたら怖いじゃん。」
…。駄女神が!
「というか、あなた。そんなとこいたら死ぬじゃん。」
ですよねー。
「ただ、森の奥地だから、それなりに普通の獣はいるし、この世界独特の動物もいるので、それなりに危険よ。村人とかは寄るなーとか言う程度。」
それなりに危険なんだ。
「ただ、言うほど大きな生き物はいないはずだし…。危険はそれほどでもない。」
ないわけじゃないんだ。
「さてどうするよ…。」
「名前を付けよう。」
「誰に?」
「この子…。」
「プニィ。」
スライムちゃんである。が、スラ○○とか定番だし…。
「せっかくだらか、すらり「言わせねぇよ!」ムグムグ。」
間一髪口を抑えることに成功した。危ない。がこのままだと危ない…。マリン・・・アクア…。ピエール・・・。
「エレノアなんてどう?」
「プニィぃ」
「それは?」
「好きなキャラの名前。愛着あるし…。」
自分が好きだったスマホゲームのキャラの名前だ。愛着あるしね…メインアタッカーだった。
「それでいいわね…。」
「プニィ。」
エレノアは喜んでいるように見える。
「結局これはどうするの?」
「うーん、今は蓋閉めて放置で。」
「分かった。塩はどうする?」
「作り方わからないし…。確か海水を乾かせばいいんだよね…。」
「ただ…。」
「気が付いてる・・・。」
「乾かす場所もなければ、水を運ぶ容器もない。」
「容器はあるよ、ほら、」
そう言ってスープ入ってる器を出した。
「確かに…勉強になるわ。」
「ただ、狩りに行ってくるよ。」
「それがいいわ。部下を増やすか食べるか。」
「分かった。」
「ちょっと、こっちはいろいろやることあるから、まあ、ここにいるけどね。行ってらっしゃい。」
「…行ってきます。」




