第1話.神のみぞ知る…とはこの事か。
突然、強い風が吹いた。
桜の花びらが舞う。花粉も舞う。
そして目に入る。
「ぎゃああああああ!!目があぁーっ!!」
目を手で覆い、身を守る。
花粉許さねぇ…!
少しして、風が止んだ。もう大丈夫か…。
目を少しだけ開けて、指と指の隙間から周りを確認…
かくに……ん…?
思わず目を見開き、固まる。
無理もない。なぜならそこは、
真っ白な光に包まれた、現実離れした空間だったのだから。
「ここは…どこだ…?」
まさか、俺は選ばれし者だった…とか? これから異世界に転生か…?
驚きと戸惑いのあまり、よく分からないことを考えてしまう。
異世界転生ものなら、この辺で神様とかが出てくるんだよなぁ…。
そんなことを考えていると突如、この真っ白な空間に、さらに真っ白な神々しい光が差した。
「ま、まじかよ…。本当に神様降臨しちゃう感じかよ…。」
なんだ、このお約束感溢れる展開は。
マジで異世界転生するのかな俺。すぐ死にそう。
「こんにちは、人間さん。」
はっとして、声がした方を見る。
そこには、いかにも「神様」という感じの女性…いや少女が微笑みながら手を振って立っていた。
ついに降臨しちゃったよ神様…。俺はいきなり現れた少女の姿をまじまじと見る。
輝く金髪、透き通るような白い肌。
そして、真っ白なワンピースは、少女が動くのに合わせて踊るように美しく揺れている。
あどけなさがまだ十分に残った顔立ちも、とても美しい。
うん、かわいい。
それに尽きる。
「あ、あのぅ…」
少女は恥ずかしそうに顔を赤らめ、幼い身体をモジモジさせていた。
そこで俺は、初めて自分がこの少女に見とれていた事に気づいた。
あ、危ない危ない…。
「なっ…なんですか?」
俺は見とれていた事を隠すように、慌てて返事をした。
すると目の前の少女は、顔を赤らめたまま、言った。
「えっと、その…あなたは、ハーレムがお好きなんですか…?」
「!?」
なっ…なん…だと…!?
こんな純粋無垢な感じの幼い子供が…今、ハーレムって…言った…?
「さっきのあなたの呟き…私、聞いてたんです。」
そうか、こんなちっちゃい女の子だけど…そういえば神様なんだった。
神のみぞ知る…とはこの事か。
はい、竹神です。
ついに次回から、主人公くんの学園ハーレム生活が幕を開けます…!!
乞うご期待!