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冒険家になろう! スキルボードでダンジョン攻略(WEB版)  作者: 萩鵜アキ
3章 最凶の魔物を倒しても、影の薄さは治らない
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中札内ダンジョンで依頼をこなそう!5

【枝豆】中札内ダンジョンについて語る書 11【鶏肉】


277 名前:鼻から枝豆を飛ばす名無し

 今日も見たぞ仮面の男

 遠くから見てたが9階のボス瞬殺してた

 戦闘時間はたぶん1秒くらい

 マジぱねぇ


278 名前:鼻から枝豆を飛ばす名無し

 マジ!?

 9階のボスって仮にも中層への門番だろw

 それを瞬殺とか・・・


279 名前:鼻から枝豆を飛ばす名無し

 ばっかお前なに9階のボスの瞬殺ごときで驚いてんだよ

 俺でさえ瞬殺されたってのに・・・


280 名前:鼻から枝豆を飛ばす名無し

 >>279 成仏しろ

 しかしノーマルモンスならわかるが9階のボス瞬殺はねーわ

 一体どんだけ強いんだよその仮面さんって


281 名前:鼻から枝豆を飛ばす名無し

 くっくっく・・・

 中札内は中でも最弱

 ダンジョンの名折れよ


 まあ奴はカゲミツさんと繋がってるくらいだからな

 カゲミツさんに近いくらい強いんじゃないか?


282 名前:鼻から枝豆を飛ばす名無し

 おい俺も仮面さんを見てきたぞ!

 確かに見栄えはマジで怖いな


 てか誰だよ鞄から触手生えてるって嘘言ってた奴

 手が触手だったじゃねーかwww


283 名前:鼻から枝豆を飛ばす名無し

 ぶwマジかよww

 怖くて近づけねえwww


284 名前:鼻から枝豆を飛ばす名無し

 おまけに背中の植物?

 なんかすげぇ勢いで生い茂ってたんだが

 一人リオのカーニバルって感じで


285 名前:鼻から枝豆を飛ばす名無し

 中札内で一人リオのカーニバルwww


286 名前:鼻から枝豆を飛ばす名無し

 いや笑い事じゃねーから!

 あんなの近くにいると思っただけで怖くて眠れねーよ!


287 名前:カゲミツ★

 すまぬ・・・すまぬ・・・

 悪い奴じゃないんだ


288 名前:鼻から枝豆を飛ばす名無し

 カゲミツさんww


289 名前:鼻から枝豆を飛ばす名無し

 ちょっと皆聞いてほしい

 そのカーニバル男が1日で集めた熱石の量

 25キロだったんですけど


290 名前:鼻から枝豆を飛ばす名無し

 へ?

 カーニバル男って団体だったんけ?


291 名前:鼻から枝豆を飛ばす名無し

 どこの部族だよww


292 名前:鼻から枝豆を飛ばす名無し

 1人だよ1人

 1人で25キロ集めたの!


293 名前:鼻から枝豆を飛ばす名無し

 ファッ!?

 いやいや25キロとか絶対おかしいって

 普通に仲間がいたんだろ?


294 名前:鼻から枝豆を飛ばす名無し

 1人だよ!

 あんな量を1度に買い取ったの初めてなんですけど!


295 名前:鼻から枝豆を飛ばす名無し

 >>294

 すこし落ち着けw

 その発言でお前が誰かバレバレだぞwww


296 名前:鼻から枝豆を飛ばす名無し

 まあ取り乱したくなる気持ちもわかるが

 1人が1日で採取出来る量なんて2~3キロくらいなもんだからな


297 名前:鼻から枝豆を飛ばす名無し

 あれは普通の石と見分けつかんからなぁ

 よ~~~~~く見ると色が違うらしいが・・・


          *


【気づかれる存在感への道】 管理人:空気


『中札内ダンジョンとPV御礼!!』


 どうも空気です(^o^)

 今日は中札内のダンジョンに訪れています!


 依頼を受けて、ダンジョンで熱石の採取を行っています。


 僕は、力足らずで新宿に行けません。(= =;

 でもこうやって後方支援することができる。(^ ^)


 新宿に向かった冒険家さんたちが、安心して戦えるように。

 また新宿を奪還して戻ってきたときに、前と同じ故郷で、同じように暮らせるように。

 頑張ってこの地を守っていきます!(>_<)



 そうしてなんと、いよいよついに!

 僕のブログ【気づかれる存在感への道】が、なんとPV1000回転を達成いたしました!! (>_<)ヤッター!


 これも皆様のおかげです!

 本当にありがとうございました!(^ ^)



 今日も一日、レベリング超頑張った!

 これでまた一歩、存在感が得られる未来は近づいたかな? かな?




 このブログをアップしたあと、カゲミツからお祝いのメッセージが届き、晴輝は涙が滲むほど喜んだ。


 しかし晴輝は、カゲミツのメッセージにある湿り気を帯びた温もりと、言葉に出来ない哀愁には、気づかなかった。


          *


「ふふふ……やっと、やっと11階に到達よ!」


 ルッツの魔の手をくぐり抜けた朱音が、はつらつと天高く拳を伸ばした。


 ここまで長かったわ、と朱音が目に涙を浮かべた。

 まるで彼女の力で難関を突破したような雰囲気を放っているが、ほとんどの戦闘は火蓮が行っている。


 朱音はただ、ルッツに食べられ続けただけだ。


 何故彼女はここまで、ルッツに頭から食べられるのか。

 もしかして狙っているのでは? と思えるほどだった。


 しかしそれも今日で終わり。


 ここからは、普通の魔物――チャチャが現れる。


 火蓮はチャチャと戦って、朱音に実践指導をしてもらうつもりでいた。


 だが、雷撃が直撃したチャチャは、たった1撃で絶命してしまった。


「……あれ?」

「んー」


 以前、11階を訪れたときの火蓮の雷撃は、チャチャを多少スタンさせる程度。

 1撃で絶命させるなど無理だった。


 だが今回は違う。


 もしかして、ワーウルフとの戦闘でレベルアップしたおかげで、ここまで魔法の威力が上がったのだろうか?


 火蓮は首を傾げる。

 もちろん、レベルアップのせいもある。

 だがおそらく、スキルレベルも上がったのだろう。


 未熟だった雷撃の練度が上がり、またレベルも上昇したために、1撃でチャチャを葬れるまで、一気に威力が上昇したのだ。


「ここじゃちょっと、訓練相手として不足してるわね」

「……ですね」


 たった1撃で倒せる相手では、訓練にはならない。


 相手の動きを見極め、適切に対処をしながら攻撃を当てていく。

 それが出来て初めて、レベルでは上昇しない戦闘経験を積むことが出来る。


「もっと下に行くわよ」


 朱音の言葉で、火蓮はさらに下に向かう。


 稲対イナゴの対決をくぐり抜け、13階のチャチャと対峙。

 しかし、このチャチャも雷撃1つで著しく動きが低下してしまった。


 ダメージはそこそこ。

 目にはまだ闘争心が宿っているので、致命的なものではないはずだ。

 だが、チャチャの動きは鈍い。


「んー。アンタの雷撃って状態異常が付与されるの?」

「たぶん、そうだと思います」


 13階のチャチャは、11階のものより体力が高い。

 1匹相手に4・5回の雷撃を放ってようやっと絶命する。


 だが、はじめの1撃で足がもつれ、倒れ込んでしまう。


 それがただのスタンであれば、数秒おけば立ち直る。

 しかし少し間を空けてもチャチャは立ち上がれない。


「これじゃまた訓練にならないわ……」

「すみません」

「なんで謝るのよ? アンタの魔法に特別な効果が付いてた。それって結構なアドバンテージなのよ? もっと胸を張りなさいよ」


 そう口にする朱音が自慢げに胸を張っている。


 しかし何故だろう?

 彼女のその仕草が火蓮には、挑発めいて見えてしまうのは……。


(揺れてるナー)


 このままでは、戦闘経験も肉体経験も効率が悪い。

 そのため火蓮達は、15階のワーウルフで訓練を行う事に決めた。


 火蓮の雷撃でスタンさせれば、安定して狩れるだろう。

 いざとなれば朱音が前衛でフォローしてくれる。

 問題は起こらないはずだ。


 そこから火蓮達は15階に向けて移動を開始した。

 しかし14階で待ち受けていた魔物が、火蓮達を再び地獄へと突き落とすのだった。


          *


 1日25キロの熱石を販売して4日目。

 ようやっと晴輝は依頼の数量を集められた。


 当初考えていた速度よりずいぶんと遅くなってしまったが、納期には間に合った。

 さっさと依頼を終わらせて、車庫のダンジョン15階を攻略したい。


 晴輝は早足で改札口を出て買取店に向かう。

 その途中、


「そこの仮面、止まれ!」


 険のある声に、晴輝は体を硬直させた。

 一体何事だ?


 声のする方に体を向ける。

 するとそこには、武具を身に纏った男がいた。


 胸に警察のロゴがある。特殊警察だ。

 その男がいま、晴輝を警戒していた。


「…………」


 一体何故?

 晴輝は僅かに取り乱した。


 晴輝はいままで、特殊警察の厄介になったことは1度もない。

 善良な冒険家である。


 なのに何故……。


「お前はなんなんだ?」

「空星晴輝。冒険家です」

「仮面が喋った!」


 おい。

 晴輝はつい突っ込みそうになるのを、ギリギリで堪える。


「その仮面を外してみろ」

「いや――」

「外せないのか?」

「ええと……」

「何も疚しいことがないなら外せるよな?」

「…………はい」


 本当はイヤだったが、警察の指示だ。

 抵抗しても良いことは一つも無い。

 晴輝は言われたとおり、仮面を外す。


 警察は怯えるように身構え、しかし晴輝が仮面を外し終えると目を剥いて口を開いた。


「消えたッ!!」


 クソッ!

 だからイヤなんだよ!!


 晴輝は目に涙を滲ませた。


「あー、すまんかった。もう仮面を付けていいぞ」

「ア、ハイ」


 溢れ落ちそうになる涙を堪えつつ、晴輝は仮面を装着する。

 すると特殊警察の雰囲気が幾分和らぎ、表情にも若干の親しみのようなものが浮かんだ。


「やはりお前があの……。いや、色々と疑ってすまんかった」

「えっと、俺はもう行ってもいいでしょうか?」

「ああ。引き留めて悪かったな。これからも頑張ってくれ。期待してるぞ」

「あ、はい。ありがとうございます」


 特殊警察はなにをすることもなく、晴輝を解放した。


 物々しい雰囲気で引き留めたとおもったら、頑張れって。

 一体何だったんだ?

 晴輝は首を傾げる。


 もしかすると……。

 思い浮かんだ仮定に、晴輝の鼻の穴が膨れ上がる。


「俺の、存在が、気になったのかッ!?」


 ああ、どうしよう!

 初めて訪れる地で、目立ってしまった!!


 晴輝はますます鼻の穴をヒクヒクさせる。


 今日は素晴らしい1日なのだろう!

 晴輝はスキップしながら買取店に向かい、何故か店員に怯えられてしまった。


 なにもそこまで怯えなくてもいいのに……。

 危うく通報されそうになった晴輝は、少し前とは打って変わってしょんぼりしながら熱石を販売するのだった。


          *


【枝豆】中札内ダンジョンについて語る書 11【鶏肉】


545 名前:鼻から枝豆を飛ばす名無し

 ついに話しかけたぞ!

 あの仮面の男に!!


546 名前:鼻から枝豆を飛ばす名無し

 よくやった!

 で、どうだった?


547 名前:鼻から枝豆を飛ばす名無し

 すごく普通の男だった

 なんかいままで怯えてたのが馬鹿らしくなるくらい


 だが前評判通りだな

 仮面を外すと消える


548 名前:鼻から枝豆を飛ばす名無し

 それは比喩だろ?

 真面目にどんな感じなんだ?


549 名前:鼻から枝豆を飛ばす名無し

 ばっか比喩じゃねーよ

 マジで見えなくなるんだって

 仮面を外すと厄災が降りかかる! とかだったらどうしようかと身構えたんだがな

 ほんとに何もなくて逆に驚いたわ


 多分ダンジョン産の魔物除け系の道具を使ってんじゃないか?

 確か道具の中に存在感を消す薬とかあっただろ


550 名前:鼻から枝豆を飛ばす名無し

 あーあれを使うと確かに存在感薄くなるな

 でも常時体に魔物避けを振りかけてるのか?

 だったら仮面の男って意外と小心者だな


551 名前:鼻から枝豆を飛ばす名無し

 注意深いんじゃないか?

 俺が声をかけたときも不用意な動きをしなかったし

 隙もまるでなかった


 応援してるぞって言ったら

 なんかすごく喜んでたw


 カゲミツさんが言ってたとおり確かに良い奴そうだった


552 名前:鼻から枝豆を飛ばす名無し

 >>551

 貴様のせいかあああああああ!!


551 名前:鼻から枝豆を飛ばす名無し

 おいおいどうしたんだよ?


553 名前:鼻から枝豆を飛ばす名無し

 貴様が奴を喜ばせるから

 奴が上下に動きながら近づいてきただろおおおお!!


 バッカみたいに怖くて漏らすかと思ったんだぞ謝れ!!


554 名前:鼻から枝豆を飛ばす名無し

 ちょw

 そんな怯えるような奴じゃなかっただろw

 どんだけ怖がりなんだよ?


555 名前:鼻から枝豆を飛ばす名無し

 ナウシカの「らん、らんらら」って鼻歌と共に

 閉店間際の薄暗がりのなか

 突如浮かび上がる呪いの仮面


 それが上下にふよふよ漂いながら

 こっちに近づいて来たんだぞ!!


556 名前:鼻から枝豆を飛ばす名無し

 >>554 が悪い


557 名前:鼻から枝豆を飛ばす名無し

 あーうん、すまんかった・・・

 俺が全面的に悪かった


558 名前:鼻から枝豆を飛ばす名無し

 ふえぇ

 絶対夢に出るよお・・・

PV1000で報告&感謝!

すごく、心が痛い……

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