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冒険家になろう! スキルボードでダンジョン攻略(WEB版)  作者: 萩鵜アキ
1章 スキルツリーを駆使しても、影の薄さは治らない
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ボスドロップを鑑定してもらおう!

 体力には、まだ若干の余裕があった。

 時計を見ると午後3時。


「折角だから行けるところまで行ってみるか」


 危険を感じたら逃げれば良い。

 ゲートをアクティベートし、4階の探索を行う。


「……と、その前にボードを確認するか」


 スキルボードを取り出しチェックする。


 空星晴輝(27) 性別:男

 スキルポイント:1


「うん、やっぱりポイント取得はしてないか」


 ボスを倒したらポイントが得られるかも?

 などと僅かに期待したけれど、そんなことはなかった。


 これで、スキルボードについて色々と判明してきた。


1,ダンジョンの最高到達階層1つ更新する毎に1ポイント。

 (ただし到達階層は全ダンジョン共通)


2,希少種を倒すとポイント取得。

 (1種につき1度のみ?)


3,ボスを倒しても取得出来ない。


4,雑魚を倒しても取得出来ない。


5,スキルはポイントを振らなくても自然に成長する。


 こんなところだろう。


 ポイントの取得条件はなかなかシビアだ。

 とはいえポイント1振りの効果は絶大。

 自然に成長するものを急速に成長させるのだから、取得条件が厳しくても仕方がない。


「……んん?」


 己のスキルを軽くチェックする晴輝の目が、技術のところでとまった。


-技術

 武具習熟

  片手剣1

  投擲0

  軽装0

 隠密0

 模倣0 NEW


「これまで模倣は無かったよな。っていうことは、解放されたのか」


 たしかに晴輝はこれまで、戦闘中に相手の動きを真似し続けた。

 それは自分の戦闘技能が低いから。おまけに経験も少ない。


 晴輝は相手の良い動きを学ぶことで、技術と経験のなさをカバーしようとした。


 おそらく、晴輝の模倣の練度が一定以上に達したため、ツリーの項目が解放されたのだろう。


 模倣は意外だったが、想像したとおり。

 新たなスキルは練度によって出現する。


「振るか、振らないか……」


 新しいスキルに、体がどうにも疼いてしまう。

 振りたい。


 けれど、いま振ってもうま味は少ない。

 模倣は頻繁に練習出来るので、少し成長させてから振った方が効率が良いだろう。


 4階に降りると、壁面や天井の色合いが若干変化していた。


 3階までは暗い茶色だった。

 4階は暗い緑色だ。


 深みの違う緑色がまだら模様になっている。


「綺麗だなあ。これ、どうなってんだろう?」


 その色味に、晴輝はついつい見とれてしまった。


 一体CMYK何%だ?

 製版で苦労しそうだな、などと考えるのは職業病だろう。

 もう既に退職してしまったが。


 印刷加工するのに手間取りそうな通路を歩いて行くと、地中より植物がおもむろに生えていた。


 2階で見たタマネギの魔物と同じ。

 だが葉が明らかに違う。


 茎は太く、何枚もの葉が生い茂る。

 中央の一番太い茎のてっぺんでは、白に近いピンクの花が咲いている。


「この植物……どこかで見た気がするんだけど、どこだったかなあ?」


 などと考えていると、突然植物が動き出した。


 タマネギのように歩き回りはしなかった。

 だが葉を動かし、中でも太い茎の先端をこちらに向けた。


 嫌な予感がする。

 じり、と晴輝は足裏を滑らせ腰を落とす。


 その距離5メートル。

 すぅ、と茎を盛り上げながら、丸みを帯びた何かが上ってくる。

 それが先端まで到達したとき――。


「――げ、固定砲台かよ!」


 その先端から質量を感じさせるなにかが晴輝めがけて飛来した。


 射出された物体の速度は、ギリギリ目で追えるレベル。

 回避は問題ない。

 来るタイミングも方向も判るのだから、避けられないはずがない。


 だがそれもこの位置だから。

 ……近づけるだろうか?


 射出物を躱しながら、晴輝はじりじりと距離を詰める。


 砲弾(?)の速度に徐々に目が慣れてきた。

 だがそれでも、紙一重だ。

 もう1メートル近づけば回避しきれなくなるだろう。


 ひとまず晴輝は後へ待避する。

 どうやらその魔物の間合いは5メートルらしい。


 そこから離れると認識出来なくなるのか、攻撃がピタリと止んだ。


「使い切ったら攻撃出来なくなる……とか?」


 無駄弾を撃たせて、弾のストックをゼロに出来れば勝てるかもしれない。

 そう算段を付けた晴輝の視線が、地面に落ちた弾に釘付けになった。


 これは……。


「ジャガイモ?」


 手に取ってみると、間違いない。発射された弾は、ジャガイモだった。


「こいつ、ジャガイモの魔物なのか!!」


 なるほど見覚えがあると思えば……。

 過去に家庭菜園で作ったことがあるのだから、見覚えがあって当然だ。


 晴輝の体がにわかに沸き立った。

 タマネギに続きジャガイモまで取れるとは!


 なんて素晴らしいダンジョンなんだ!!


 晴輝は嬉嬉としてジャガイモの茎を威嚇し続けた。

 ジャガイモの魔物は面白いようにジャガイモを撃ち放つ。


 だがその弾数が40を越えたところで、弾切れになったらしい。どれほど近づいてもジャガイモが出てくる気配が無くなった。


「……ッチ」


 ジャガイモを失った茎は、元気がなく垂れ下がっている。

 もしかすると命を削って攻撃していたのかもしれない。


 なんという魔物だ……。

 しかし、


「イモを失った貴様に用はない」


 さ、と短剣を一閃し、晴輝は無情にもジャガイモの茎の根元を地面から切り離した。


 1体で40個。

 おいしい。実においしい魔物だ。


「はっ!? まさかマジックバッグって、ジャガイモを収穫するためにドロップしたんじゃ!」


 もちろんそんなはずはない。

 が、ジャガイモを入れるには最適だろう。


 くそっ!

 こんなことなら火蓮からマジックバッグを借りてくるんだった!


 今度火蓮をここにつれて来よう。

 そう決意し、晴輝はウキウキでジャガイモの収穫――ならぬ討伐を続けた。


 もしかしたらこのダンジョンを制覇すれば、カレーライスが食べれるかもしれない!

 そんな夢を抱きながら……。


          *


 4階のボスは、大きなジャガイモの茎だった。

 3本の太いノズルを巧みに使いながら、大量のジャガイモを噴射した。


 恐るべき固定砲台。

 さしもの晴輝も近寄ることさえ出来なかった。


 晴輝は襲いかかる大量のジャガイモを回避しながら、それが壁で砕け散る様を涙を流して耐え忍んだ。

 直線通路に生えてる奴以外は、ジャガイモの収穫は無理そうだ。


 やはりこのボスにも弾切れはあるらしい。

 合計100発ほどジャガイモを放出すると、負けを認めるように茎が頭を垂れた。


 発射されたジャガイモは強力だった。

 軽くかすっただけでビリビリと痺れてしまうほどに……。


 だが弾切れになればこちらのものだ。

 晴輝はボスを地面から無慈悲に引っこ抜いた。


「なんか、弱すぎない?」


 晴輝は首を傾げるが、ジャガイモの魔物は特別弱いわけではない。

 おそらく弾丸を受ければ、晴輝とて命に関わる怪我に繋がるだろう。


 弱く感じてしまうのは単に、攻略法が明快なだけだ。

 もしジャガイモの弾が無限であったなら、晴輝はもっと苦戦していただろう。


 ダンジョンが明滅し、ボスの初回討伐を全体に知らせる。


 今回ドロップしたのは壺が1つと、異様に堅いジャガイモが10個。


 壺は焼き物のようだが、模様が日本的ではない。

 見たことがないのでどこの国の柄かと聞かれると、晴輝にも答えようがない。

 ダンジョン特有のデザインなのかもしれない。


 こちらは店で鑑定してもらうとしよう。


 次に異様に堅いジャガイモだが、


「……これは一体なんなんだ?」


 手で触れてみると、石のように堅い。

 解体用のナイフの刃を当ててみるが、切れそうな気配がまるでない。


「石?」


 何故ジャガイモの形なのか。

 魔導具という線もあるが、使い方がさっぱりわからない。


「……ま、いっか」


 鑑定すればなにかは判るだろう。

 ひとまず晴輝はジャガイモを壺の中に放り込み、鞄の中に収納した。


 現在時刻は4時45分。

 5階のゲートをアクティベートしてから戻ることにする。


 5階の魔物が気になりはする。

 だがここまで出現する魔物は階ごとに強い、弱い、強い、弱いを繰り返している。

 この順序でいくなら、次は強い魔物が現われるはずだ。


 5階で狩りをするのは、準備を万端にしてからでも遅くはないだろう。




「いるか?」

「……いるわよ。いたらダメなの?」


 プレハブの店に赴くと、店員がカウンターでブー垂れていた。

 ダンジョンに挑戦しているのが晴輝と火蓮だけなので、恐ろしく暇なのだろう。


 あるいは彼女はここに飛ばされたことをまだ引きずっているのかもしれない。


「素材の買い取りと、あとドロップの鑑定を頼む」

「えぇ……もう閉店時間近いんですけどぉ」


 ど田舎に飛ばされたことでやる気さえ失っているらしい。

 かつての彼女はどこへ行った?


「お前なあ――」

「お前じゃなくて夕月朱音よ。綺麗な名前でしょ? 特別に朱音様と呼ばせてあげるわ」

「……」


 名前は美しいが……。


「なによ?」

「いや……」

「なんもないなら店閉めるから、また明日来なさい」

「帰ってもいいのか?」

「ええ。ほら、帰った帰った」

「そうか。それは残念だ」


 晴輝はわざとらしく深くため息を吐き出した。


「折角恩のある店員にボスドロップを買い取って貰おうと思ったんだが」

「……ボス? ボスってなに――」

「いや残念だなあ! 明日は札幌に行く予定があるから、今日買い取って貰えないなら札幌の買取店で買い取ってもらうことにしよう!」

「ちょあぁぁぁ! 待って! 待ちなさいよぉ! アイツだけはだめ。ダメだから! アタシが買い取るからぁぁぁ!」


 うん。釣れた釣れた。大物……というかまあ小物か。

 芝居に引っかかった朱音が目を潤ませながら、晴輝の腕をぐいぐいと店の中に引っ張っていく。


 ……っと、こいつかなり力が強いな。

 そういえば冒険家をぼこぼこにするとかなんとか口にしていたか。

 ダンジョンに潜ってレベリングした経験があるのかもしれない。


 それはさておき、販売と鑑定だ。


 晴輝は鞄から爪と鉄、壺とジャガイモ(?)を取り出した。

 残りは狸の肉と皮だが、さすがに大量だったため家の中に保管していた。


 ジャガイモは貴重な野菜。保存の利く食料だ。

 ご近所さんにお裾分けはするが、販売するつもりはない。


 朱音が鑑定しているあいだに、晴輝は狸の肉と皮をプレハブに運び込む。

 するともう鑑定を終えていたのだろう。

 素材や肉を運び込む晴輝を見て顔を引きつらせている。


「アンタ、またずいぶん狩ったわね」

「そうか? たった100匹程度だぞ」

「それをたったって……。おまけにボスを2匹も討伐してるし、疲れないの?」

「魔物を倒すんだから疲れるに決まってるだろ?」

「……頭おかしいわ」

「そりゃどうも。で、鑑定結果はどうだ?」

「ボスの爪はブラックラクーンの爪が大きくなっただけね。いたってノーマルよ。鍛えれば良い剣になりそうだけど、アンタの武器ほどの威力は出ないわね。値段はそれでも5千円よ」

「そうか……」


 ボス素材とはいえまだまだ上層だ。

 そうそう良いものがドロップするはずもないか。


「次に黒い鉱石だけど、これは魔鉄よ。ダンジョンから採掘される鉱石としてはメジャ。とはいっても、なかなかお目にかかれるものでもないんだけど。レアといえばレアなのかしらね?


 魔鉄だけで武器を作っても強くならないから、強めの素材と組み合わせ制作するのが一般的ね。

 耐久性に特化してるから、ツバとか目釘とかハバキとか、そういうところによく使われるのよ。アンタの短剣も部分的に魔鉄が使われてるわ。値段はキロ10万円」


「おお、結構するんだな」

「これが1キロあれば、強い武器が10本は作れるのよ。充分元が取れる」

「なるほど」


 レアではあるがそれ単体では強くはない。

 ならば、これを売ったお金で強い既製品を購入した方が良いだろう。

 そう考えて、晴輝は魔鉄をすべて販売することにした。


 3,5キロで35万円。

 上層ボスのドロップ品としてはかなり良い値段が付いた。


「で、ジャガイモっぽいこれは石ね」

「…………うん、で?」

「以上」


 ……は?


「いやいや、ボスドロップだぞ? もっとなにかあるんだろ?」

「そうね。かなり堅い石ね。あとすごくジャガイモっぽい見た目をしてるわよね。食玩としてなら販売出来そう。値段は0円。引き取れって言われてもお断りよ」

「いやいや……! 当てたら爆発するとか――」

「ないわ。さっき机にぶつけてみたけど、爆発しなかったもん」

「お前っ、なんてことしてんだよ!」

「お前じゃないわ。朱音様と呼びなさい」

「黙れ」


 いけしゃあしゃあと……。


「爆発したらどうしたんだ」

「しなかったんだからいいでしょ?」

「万が一を考えろ」

「五月蠅いわね。こんなゴミが爆発するわけないじゃない」

「……」


 晴輝がゴミを拾ってきたのがよほど嬉しいのだろうか。

 ずいぶん酷い言いようだ。


 しかしあのボス、なんでこんなゴミを抱えていやがったんだ!


「ただ、ここじゃ詳細鑑定が出来ないから確実じゃないわよ。もしかしたら強い効果が付いてる魔導具かもしれない。たとえば……当てるとダメージを上乗せする破壊補正とか、投げると速度の上がる投擲補正とか」

「魔導具ってそんなに凄い効果があるのか」

「そうよ。取得者はあまり公にしてないみたいだけどね」


 公にすれば盗まれそうだし、と朱音は肩をすくめた。


「魔導具を持ってる奴が、そう簡単に盗まれるか?」

「何をしてでも手に入れたいと思う輩は居るし、お風呂とかトイレとか睡眠中とか、いついかなる時も攻撃に対処出来るほど人間は完璧じゃないのよ」

「……」


 朱音のほの暗い言葉で、晴輝は背中が粟だった。

 どうやら魔導具は、晴輝が考えている以上に人を狂わせるらしい。


 マジックバッグの利用には細心の注意を払おう。


「でもま、安心して。これについてはそのボスの趣味って線が濃厚だから」

「食玩制作がか?」

「ええ。平和的じゃない」


 ダンジョンで食玩作りに励むボスとか、ちょっと意味がわかりません。


「どうする? 詳細鑑定する? どうせなんの効果も見つからないと思うけど」


 効果があるかどうかは気になる。

 だが10万円もかけて詳細鑑定して見つからなかったらと思うと、手を出す気にはなれない。


 ここでお金を突っ込むのはギャンブラーだけだ。

 主に散財する方の……。


「遠慮しておく」

「賢明ね。で、残る壺だけど、これは超レアよ」

「おお!?」


「この壺は魔導具なんだけど、入れたものを増殖させる効果があるの。中から取っても取っても、永遠に無くならないってやつね。

 綺麗な水を入れておけば、綺麗な水が湧き続ける壺になるし、金の延べ棒を入れれば取っても取っても減らない金床になる」


「なん……だと!? かなり神アイテムじゃないか!!」


 先ほどの朱音の言葉が蘇り、晴輝は慌てた。


 どうしよう!

 もしかして俺、狙われちゃうんじゃない!?


 金庫買わなきゃ!

 重くて大きい奴!!


 だが、


「そうね。そう、だったわ」


 朱音の言葉に不穏な気配を感じ、晴輝は眉根を寄せた。


「この、石のジャガイモが入るまではね……」

「…………ッ!?」


 そんなまさか!?


 信じられない思いから、晴輝は壺をひっくり返す。

 すると中から、大量の石がざざーと大きな音を立てながら床に落下してく。


 いつまでも、いつまでも……。


「ちょ、ちょっとアンタやめなさいよ! プレハブをゴミだらけにするつもり!?」


 慌てた朱音に取り押さえられ、壺が元通りの位置に置かれた。

 そんな馬鹿な……。


「いや、これはあれだろ? 後からまた設定しなおせるんだろ?」

「そうかもね。そんな機能があったら、うちの店で買取不能にはならなかったでしょうね」

「買取不能…………ちなみに、何も入ってなかったら」

「オークションに出たら、1兆出しても落札出来ないわよきっと」

「いっちょ…………が、ふのう…………」


 ぶわ、と晴輝の目から涙が溢れ出した。

 そんな……。


 超レアアイテムの壺が、ボスが趣味で作ったジャガイモ石が大量に湧き上がるゴミになってしまったなんて……。


「ま、まあこういうことはままあるから。ももも、もしオークションに出したらすごい値段付けてくれる人も居るかも知れないわよ! うちの店で買い取れないってだけだから、ねっ! そんなに落ち込まないで! また頑張れば良いのよ! ファイト!」

「っく……」


 左遷させられてやさぐれていた朱音に慰められるとは……。

 晴輝はぐっと奥歯を噛みしめる。


 人生とは上手くいかないものだ……。

お待たせしました。

あらすじに書いたジャガイモがやっと登場!


これがどう物語に絡んでいくか、乞うご期待。

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