γの父の会社の章
γに導かれて、いわゆるオフィス街に着いた。事務所がいっぱい有りそうだ。γの奴、全然迷わないなぁ。
γに導かれてある会社の建物に着いた。かなりでかい。
「何だい?ここは?」
『オレの父の(勤めている)会社だ。』
迷わず中に入っていくなぁ。受付で守衛に制止されることもない。不特定多数がいつも来るのか?受付に在る端末をγが操作したら人が映し出された。
『はじめまして。受付のΔです。失礼ですが、どちら様でしょうか?』
『γの息子です。父をお願いします。』
γが自分の身分証明書代わりに自分の携帯端末を受付端末に翳した。
『はい。わかりました。暫く御待ち下さい。』
画面が切り替わり、年輩の男性が現れた。話の流れからγの父親だろうな。
『何だいお前はぁ。学校はどうした?』
『そんなことより惑星αについてさぁ。』
『待ってろ。今そこに行く。しゃべるな!』
γの父が慌てた表情で言うと画面が消え、最初の待ち受け画面に戻った。
床に矢印が表示されたので、その方向に向かう。矢印の指示に合わせて歩くとγが無視してエレベータの方向に向かった。するとγの父が来た。
『何寝ぼけたこと言っているんだ?こっちに来い。』
隅の打ち合わせコーナに向かいだした。一緒に付いて行くしかないな、と思ったら、γの父が振り向いた。そして、俺を指さして、
『彼は知り合いか?』
『ああ。そうだよ。βって言うんだ。』
「βです。初めまして。」
焦るねぇ。初対面なだけでなく、γの奴、親の機密を盗み読みしてたからなぁ。
『まさか、彼にも?』
γは無言のまま、父親の後に付いて打ち合わせコーナに歩いた。俺も付いていくしか無い。打ち合わせコーナに入り、扉を閉め、席に座ったらγは開口一番に、
『大丈夫だ。彼にしか伝えていないよ。こいつは口が堅いから。』
口が堅いと言われるのは良い気がするが、こいつと言われるのは良い気がしないな。
『お前、礼儀を学んどけ。こいつなんて言い方失礼だぞ。』
γの父は部屋の端末を操作し始めた。
『私だ』
『γさん。何の用でしょうか?』
『例の面接用IDを2名分発行してくれ。』
『2名ですね。かしこまりました。』
暫くすると端末からIDが2名分出て来た。
『これを持ってδ大学に行け。』
「δ大学?随分大きな会場ですね。」
『まあ、いいや。行こう!』
席を立って出ようとしたら、声をかけられた。
『β君。息子を頼みます。』
「わかりました。」
『おい。行くよ。』