異世界でもGは嫌われる
ここは、シュスベークア。
数多の星々の輪廻の輪の調整のために作られた、亜空間に存在する“異世界”である。
この世界に来るものは、人間ばかりではない。虫や動物、アメーバ種など多数に渡るが、ただ「元の世界のままの状態」で来る方が多いのだが、元の世界においてゲームなどにより仮想現実としての個体を所持していたりすると、その個体として転移や転生してくる。
ただし、例外も存在する。
たとえば、熊・虎・猫・犬・鹿・象などの哺乳類や、鰐・蜥蜴などの両生類に爬虫類といった分類に属するような存在に近い動物や魔獣、幻獣としてこの世界に来るものも居る。
この本来の生活基準と異なる生態系へと変異してしまった者たちは、その運命に流されているばかりではなかったのだ。たとえば、魔獣たちはその体内に秘めた魔力を駆使して人形化して人間たちとの混血を生み出した。また、動物たちも知恵を振り絞り力のない人間の女性を襲ったり懐柔するなどして種族の種を植え付けていった。
その結果として、いまやこの世界にはあらゆる人種が混在しているのである。
ある日、ある村で、このようなことが起きていた。
A「なぁ、俺らっていわゆるあれだよな」
B「なんだよ藪から棒に、そうだよ前の世界で忌み嫌っていたGだよ。この黒光りする頭とかさ、カサカサ鳴る羽根とかさ」
C「オイ、いまごろかよ~」
A「いや、まさかお前らも転生組か?」
D「みたいだぜ、ったくなんでGなんだよ。」
E「ふん、どうせあなた達の行いが悪いからでしょ。そもそも、高貴な私がこのような姿に成ることのほうがおかしいのよ」
H「お、おまえ女か、じゃぁ俺らのタマゴ産めよ」
E「いやよ、だれがGのタマゴなんか産むもんですか」
B「おいおい、おまえもそのGなんだっつうの。そろそろ自覚しろよ。」
J「けっ、どいつもこいつもガタガタぬかしやがって。俺は決めたぜ」
I「何をだよ?」
J「どうやら俺にはなんか力がある見てぇだ。ステータスって念じてみろ。いろんな数値でてくっから」
一瞬止まるGたち・・・・
E「ほんとね。名前は前のままだわ。でも種族はエネオラ・コックローチだわ。もう最悪」
B「おぉ、おれらもエネオラ・コックローチだぜ」
C「特性とかはないみたいだな。」
J「ところが、俺は種族が違うんだよ。コックローチ・キメラっていう魔獣に分類されるみたいなんだわ。」
D「ずりぃ!なんでお前だけ。」
ガヤガヤ・・・・ざわざわ・・・・
H「ここで揉めてもしょうがないだろ、で、魔獣の旦那、アンタは何をしようってんだ?」
J「あぁ、どうやら、麻酔や幻惑の魔法ができるみたいなんだわ。どうせGになっちまったんだし、どのみち嫌われるのが落ちってもんだ」
A「そうだな、で、なにすんだ?」
J「おうよ、なにするかってぇと、俺らの体格って人間からしたらごっつう小さいやろ?」
I「そうだな、小さいが・・・アンタまさか・・・」
J「おう、気付いちまったか?」
I「どうせ死ぬなら生にで人間の口の中に行くのか・・」
B「で、幻惑魅せて脅しつつ・・・」
C「で、爆死すると・・・」
J「ばかやろぉ!アホか、っんと低能な奴らだな、Gになって頭回んなくなっちまったのかぃ」
A「かもしれねぇぜ。なんたってG様なんだからよぉ」
J「はぁ、俺がやるのはな、女の秘部に潜り込んで俺の子どもを産ませようって魂胆よ」
E「さ、サイテーね。でも、いいんじゃない、個々の2階に住んでるあの娘ったら、私を見るなりキャーキャー喚いて叩いてきたもの。むしろやっちゃいなさい。」
J「お、姐サンのGOサインが出たね。じゃぁ、行くぜ。」
C「ちょいまち!」
J「あん?」
A「旦那だけいい思いはズルくねぇか?」
D「だな、おれらも参加するぜ、ただし、秘部に行くのは旦那だけだ。俺らは、旦那があの娘を弱らせて秘部に入るのを見届けてから、外側を堪能させてもらうぜ」
J「ふん、勝手にしろや。邪魔しねぇならついてこいや。ただし、見張りを忘れるなよ、術を掛けたあとどのくらいで戻るかわからねぇからな」
ある夜更けにGたちは動き出した。
そして、魔獣化していたGは事を成し終えてヌチョヌチョに濡れながら出てきたところを、被害をうけた娘にバチン!と叩かれて生涯を閉じた。
ただ、相当嫌だったらしく、潰れてもなお叩き続けるのであった。
その翌年、その娘は子どもを生んだ。
相手がいないのに生まれたことで友人一同不思議がったが、神の起こした奇跡として語られることとなる。
なぜなら、その子どもにはオデコのところに触覚が生えており、背中にはうっすらと黒く艶やかな薄身の虫のような羽を持っていたのだ。
そして、生まれた赤子はなぜかGとコミュニケーションをとれる能力を持っていたという。
その子どもが成人したある日、母親に詫びたという。
「俺が生まれる前の年、母さんGに襲われなかったかい?」
「ん?そういえば、そんなことがあったわね。んで、なぜかあそこからニュルッと出てきたのが居て、すんごいパニックになり、そのGが潰れてもなお叩き続けたのを覚えているわ。ソレがどうしたの?」
青年は冷や汗を垂らしながらも、決死の決意で弁明を続けた。
「んとね、あの母さんが潰したというGなんだけどね、アレ、俺なんだわ・・・・・」
「えっ?何言ってるの?」
「んと、俺の前世というか、この世界に飛ばされてきた時なぜか、Gだったわけで、加えて魅惑と幻術を操作できる特異種だったんだ。んでね、Gだったことに腹立てて母さんに自分の種を植えようとしてね、・・・・・」
母親の顔から笑みが消え、鬼の形相へと変化していく。
「へぇ、そうなんだ、それで、Gの能力持った子どもが生まれて、たまたま、アナタがその子どもとして生まれてきたっていうのね?」
「・・・・う、うん。・・・・・い、いつ、あ、あや、あやまろうか、と、ずっと、か、か、考えて、た、んだ、けど・・・・・ね。」
「へぇ奇遇ねぇ、私ねアナタに侵された日の朝にこっちに来たのよ、女として。前の世界では、男でね商社マンだったのよ。それがこっちにいきなり飛ばされて、そして、気分的にも落ち込んでいたら、あの出来事だったのよ。ったく。」
それから二人は沈黙していった。
互いに、互いの事情を飲み込んで、そして和解していく。
ただし、この母親、実はキャット・エルフという猫獣人系エルフという混血であった。
そのため、そこにGの因子が紛れ込んでも、とくに気にするふうでもなかった。
数年後、同じような境遇でGの因子を持ったものと知り合い、G系種族を確立していく。
昆虫系種族からは歓迎されるも、純人間種からは疎まれるようではあるが、もともと、Gの繁殖力は半端ない。
なぜなら、彼の子どもたちは数十匹単位なのだから。




