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ブランジア人魔戦記  作者: 長村
chapter,03
63/104

ep,060 終わりの先にあるもの

 グローリアの凶行より時は遡り、朝。ブロウブ邸にて。

「おうレウス、おはよう」

「……ああ」

 顔を洗っていたショーマは、同じく洗面所にやってきたレウスと挨拶を交わす。昨夜はずっと1人で部屋にこもっていたようなので、何となく久し振りに会ったような感覚を抱く。

「……昨日は何かあったのか?」

 本当に何かあったのなら少し気を使うべきかとも考えたが、ここは気後れせずに強気に出てみる。

「ああ……、そうだね。色々と」

 しかしレウスは困ったように言葉を濁した。

 ……失敗だっただろうか。

「……なあ、ショーマ」

「え、な、何だ?」

「……僕は、君のことを親友だと思っている」

 身構えるショーマに、レウスは突然そんなことを言い出した。

「……面と向かって言われると、恥ずかしいな。うん」

「そうかい? 済まないね」

「いや、良いけど……。お、俺もお前のことは、親友だと思ってるぜ」

 せっかくなのでショーマも自分の素直な気持ちを表してみる。

「何かといっぱい世話にもなったし、腹を割った話も出来るし。あー、他には……」

「なあ」

「……え、な、何?」

 慣れないことをしたもので戸惑っていると、レウスは真剣そうな表情で語りだした。

「前にも話したと思うが……。あくまで僕個人は、だけど……、この世界の問題はこの世界の人間の手で解決するべきだと思っている」

「……ああ、言ってたな。俺が初めて王女様と出会った時だっけ」

「そうだったかな? まあいつでも良いさ。……だから君には、変に気負わず、君だけの自由な意思で未来を決めてほしいんだ。今更関わるなとも言わないし、望んで戦うなら否定もしないけどさ」

「……何だよ急に」

「ん、まあちょっと思う所があってね。……この戦いが終わった後のことを考えていたのさ」

「終わった後……?」

「ああ。君は考えたこと無いのかい?」

「いや、あんまり……。正直それどころじゃないって言うか……」

「そうか。……出来ればちゃんと考えておいてほしい」

「んん……。そうだな……」

 戦いが終わった後のことと言うと……。

 真っ先に浮かんできたのは女性関係だった。

 我ながら恥ずかしいとショーマは頭を抱えたくなる。

「僕は君をこんな面倒に巻き込んでしまったことに、少なからず責任を感じているんだ」

「巻き込んだ、って……、召喚したのはお前じゃなくて王女様じゃないか」

「彼女も僕もこの世界の人間だよ。……君に世界を救ってもらおうと言うのなら、この世界に生きる全ての人間は、君の生に対して等しく責任を負うべきだと考えるね。だから僕にもその責任の一端は確かにある」

「うん……、うん?」

 随分話が飛躍していないかと首をかしげる。

「人の命は世界より重い。ってやつだよ。……君が命を張ってまでこの世界を救おうと言うのなら、この世界に生きる全ての人間は君に感謝をするべきだ。……ましてや、裏切るような真似は、絶対にしてはいけない」

「……俺は別に、そこまで大それた見返りは求めてないよ。ただ好きになった人を助けて、それと一緒に1人の女の子の望みも叶える。その結果世界が救われるっていうなら、そこまで感謝されるいわれは無いんじゃないか?」

「ふむ……。謙虚な奴だな君は」

「そーかもな。悪いか?」

 重く考えるレウスに対し、ショーマはつとめて軽い調子で返した。

「だがもうちょっと図々しくなっても良い。依頼に対する報酬は必要な物だ。今は別に良いかもしれないけど、自分の行動が徒労になってから考えていては遅いかもしれないよ」

「んー……。依頼を果たした後に貰う報酬の相談を、ちゃんと王女様としておけってことか?」

「大雑把に言えばそうだね。……そうだな、まず一生遊んで暮らせるくらいのお金でも貰っておくと良い。……たくさんの家族もまとめて養えるくらい、かな」

「……どういう意味だよ」

「もてる男は何かと大変だろ?」

「お前……」

「いつだったかそういう話をしていたじゃないか。覚えているだろ?」

 確かに随分前、そんな話をした覚えがある。あれはまだリヨールの街にいた頃だったか。

「……俺は、もうちゃんと決めたんだよ。ちゃんと心を決めて、……あの人のことだけ考えよう。って」

「本当にそれで良いのかい?」

「それはっ……、ああもう、何なんだよ一体」

「良いじゃないか。我慢なんかしないでも」

「我慢なんか……!」

「してるさ。君のそれは自己満足、いや、ただの格好付けだね。君が本当に彼女達のことを考えるなら、はっきり言ってその決断は浅慮と言わざるを得ない」

「……っ、……そんな、こと……」

「僕からすれば羨ましくてしょうがないんだぞ」

「…………む、」

 そう言われるとショーマには返す言葉が無い。

 たった1人の相手と、身分の差ゆえの叶わぬ恋をしているレウス。

 かたや複数人から好意を向けられ、自らその内1人以外を切り捨てようとするショーマ。

 確かにレウスからすれば嫌味な話だろう。

「けどそんなこと言われたって……」

「済まない。少々意地が悪かったね」

「即謝っちゃうのかよ」

「落ち着いて考えれば大きなお世話だったからね。一緒くたにして考えられる話でもないし」

「……はぁ。まあ、もうちょっとちゃんと考えてみるよ」

「ああ。そうしてくれ」


   ※


 その後ショーマはいつものように、ステアの自室に食事を持っていく。

「よっ、起きてるか」

「まだ寝てるのでこの隙にいやらしいことをしても良いですよ」

「起きてるなら飯食え」

「はあい」

 軽くいなされてもめげずに、ステアはのそのそとベッドから這い出てきた。


「……なあ」

「何です?」

 ショーマは朝食のパンにかぶりついているステアに向かって話しかける。

「あえてお前だから聞くけどさ」

「あえてというのが気になりますが……、聞きましょう」

「気の多い男ってのは、やっぱり女の子の方は嫌なもん、だよな」

「人それぞれでしょうそんなの……」

 ステアは据わった目でばっさりと返した。

「そりゃあ、そうだけど。一般的にはさ」

「まあふらふらと浮気性なのは本気で好かれてない気がして私もお断りですけど……。でもおにいさんはそういうのじゃないでしょう?」

「いつ俺の話だって言ったよ」

「うふふ、何を白々しい。良いんですよ恥ずかしがらなくても」

「くっ、知った風な口を……」

「まあおにいさんは確かにちょっと優柔不断ですけど、でも中々に誠実な方ですから、ちょっとくらい自分本意な考えをしても良いんじゃないですか? 具体的には複数の女性を侍らせるとかしても」

「身も蓋も無いくらいはっきり言ったな」

「言いましたよ。ぶっちゃけいつまでもうだうだしてんじゃねえ、ってのが本音ですかね」

「こ、これまたはっきり言うな……」

「おにいさんは格好付けて取り繕ってるだけですし」

「は、はっきり、言いますね……」

「お前ら皆まとめて愛してやんぜ! ビシィ! とか言えませんか」

「い、言わなきゃ駄目かな……」

「このまま捻らず言ったらキモいだけですよ」

「もうどうすれば良いんだ……」

「うふふ。皆まで言わせないでくださいよ。ここはまず目の前の美少女へと思うがまま愛の言葉を囁いてみれば良いじゃないですか、さあ!」

 ステアは食事の手を止めて、両腕を大きく広げた。

 しかしショーマにはその行動の意図がちょっと読めない。

「……なんでだよ」

「…………」

「……え、あれ?」

「すいません1人にしてもらえますか」


   ※


「ううむ……」

 部屋を追い出されたショーマは扉の前で腕を組んで唸る。

 レウスもステアもまあ、言いたいことはわかる。

 想いを寄せる相手が1人に絞れないのなら、いっそ全員まとめて囲い入れてしまえ。そういうことだ。

 しかしそれは大抵の男性なら1度は考えるような、下らない妄想と言ってもいい考えだとショーマ個人としては思う。

 とは言え、この国にも現実に複数の妻を娶っている男性は存在するらしい。珍しくはあるがありえないことではないのだ。その1人にショーマがなってはいけないということも、もちろんない。

 だがショーマ本人はそれで良くても、相手もそうだとは限らない。

 差し当たり現在好意を寄せている相手は3人ほどいる。その全員から同意を得られなければ、こんなことをする意味は無いと言って良い。数の問題ではないのだ。

 まず離れて暮らしているリノンは了解を取るのが物理的に難しい。とりあえず後回しだ。

 続いてセリアは、恋人になってくれ、と言えば多分受け入れてくれる。……と思う。だが他の女の子も一緒にで良いか、と聞いたら彼女はどう思うか。……正直まったく予想出来ない。

 そして最大の問題は……、

「何してるのこんな所で」

「……ッ!?」

 どんぴしゃなタイミングで話しかけられて、つい必要以上に驚いてしまう。

 メリルだった。

 そう、最もその辺の判断が難しい存在である。


 ショーマにとってメリルとは……、もう何度も考えを巡らせたことはあるが、やはりかけがえの無い存在なのは間違いないし、こういう悩みごとをする時は確実に顔が浮かんでくる。

 恋愛対象に入っているかいないかで言えば、……入る。

 そう、入るのだ。

 人としてその気高さに憧れながらも、人並みの弱さゆえ守ってあげたくなる。それがショーマにとってのメリルだ。だが今はもう、それだけではない。いつからそうだったかはわからないが、自然にそう思えるようになっていった。

 普段の日々の中ではただぼんやりと考えてはいたが、こうしてはっきり意識すると、不思議と胸が息苦しくなる。

 彼女のことが、恋しくて、愛しくてたまらない。

「な、何よ……」

 気付けばじっとメリルのことを真正面から見つめてしまっていた。

 僅かに頬を染めながらも凛とした視線を返すメリルに、今度は逆にショーマ自身の顔が熱くなる。

「あ、いや……」

 目を合わせただけでこれとは。我ながら子供っぽい恋愛観だと思い知る。

 しかし、想えば想うほど、悩みは深くなる。

 メリルはきっと、皆まとめてだなんて、都合の良い醜い男の欲望丸出しな考えは認めてくれないと思う。

 メリルは清廉で、気高い理想に従って、強く生きる人間だ。

 何よりショーマは、そんな強さにこそ惹かれたのだ。

 だから、メリルの強さを汚し否定するようなこの提案は、出来るものではない。

 例えしたとしても、メリルはきっと受け入れたりはしない。

 仮に受け入れてしまうとしたら、そんなのはきっとショーマが惹かれたメリルではない。

 そして受け入れてもらえないのなら、最初に決めた想いを貫き通すしかなくなる。

 あの夜、あの人に対して抱いた想いに。


 つまり結局どうあっても、メリルと一緒には、なれないのだ。


「え、な、なに泣いてるのよ!」

「え?」

 驚くメリルの言葉に、ショーマは自分が涙を溜めていたことに気付く。慌ててそれを袖で拭った。

「な、泣いてないよ」

 流してはいないからセーフ、などと考えながらショーマは言い訳をする。我ながら泣くほどのことだったのかと、内心驚いていた。

「何なのよ……。わ、私のせいなの?」

「そうじゃないよ……。メリルが悪いわけないだろ」

「じゃ、じゃあ何なのよ……」


 あまりに意外な状況に、メリルは動揺を隠せないでいた。

 この人はどうして自分を見て泣いたりしたのか。

 都合の良い考えと悪い考えが立て続けに色々と浮かんでくるが、どれもしっくりこない。

 見当がつかないと、不安になってくる。

 ……泣くほど辛いことなら、力になってあげたいのに。

 どうしよう。


「大したことじゃないって。ほら、食堂行こうぜ。今日は任務あるんだし」

「あ、ま、待ちなさいよ!」

 メリルは話を無理矢理打ち切って立ち去ろうとするショーマの手首を掴んで止めた。少しひんやりとしたか細い指の感触が伝わる。

「う……」

「な、何かあるなら、私が相談に乗るから……。ちゃんと話してよ……」

「いや、そんな……」

 対するショーマは困り果てる。相談に乗るも何も、困っているのはメリルに関することである。最も相談に適さない人物だ。

「……私、そんなに頼りない……?」

「そんなこと無いよ……。本当に大したことじゃ無いんだって」

「じゃあなんで泣いてたのよ!」

「あーいや、それは……」

 迂闊なことをしてしまったと強く後悔する。

 そもそもメリルの方は、自分のことをどういう風に思っていてくれるのだろうか。まず恋愛感情はあるのか。わからない。

 確かにお互い強い結び付きを持っていると信じてはいるが、それが恋とか愛的なものであるかはまた別の話だ。

 そもそもそういう感情を抱いていてくれていないなら、もう提案も何も無い。そうでは無いと思いたいのだが。

(ああ……、難しいな……)

 ショーマは思い悩む。

 人と人の交わりの難しさとは、世界を救うこととどちらが簡単なのだろうかと。


   ※


 結局微妙な空気を晴らせぬまま、ショーマ達はその日の任務をこなしに行くのだった。

 王女フェニアスが視察を行うことになっている、北西区画に存在する大きめの広場。そこにはいくつものテントが立てられ避難民達の仮の住まいとして使われていた。家を失い苦しい生活を強いられている彼らに、国民から人気の高い王女自らが顔を見せることで安心をさせようというわけだ。

 この日ショーマ達第1小隊は、広場外周の警備をフェニアスが視察を行っている間だけ追加の警備兵として参加する。


 その最中、

「やあ、元気にしていたかい」

 などと呑気に声をかけてきたのは、フェニアスの親衛隊に配属されたグルアー・ドラニクスであった。

「お兄様……、じゃない、グルアー様。職務中ですわよ」

 兄をいさめるメリル。

 親衛騎士は王女のすぐ近くで行動するものだが、それは他の親衛騎士に任せて広場の周囲を見回りに来たらしい。そういう体裁で妹の様子を見に来ただけかもしれないが。

「そう言うなよ。君達はあれ、まだ騎士見習いやめてないのか?」

「そんな数日ではやめさせてもらえませんよ」

「なるほどそれもそうか。そういう事情はやめたいと考えたこと無いから全然知らないなあ」

 苦労知らずのエリートは、ごく自然に上からものを言うのだった。

「……それより、親衛隊のお仕事は良いんですの? 王女より妹を気にするなんて、親衛騎士としてはいかがなものかと思いますけど」

「ああ……、そのことだけどね。メリル」

「……何です?」

 ふと真面目な顔をしたグルアーに、メリルもつい身構える。

「僕はあの人のお優しい御心に触れて気持ちを洗われてしまったんだ。これからの僕は、あのお方のためだけに生涯を捧げようと思う。だからメリル、もう君だけのお兄様ではもういられない。本当にごめん」

「…………は?」

「それじゃ。警備任務頑張っておくれよ」

「ちょ、は!? ……ええ?」

 あらゆる意味でおかしなことを言い出す兄の言葉に、妹は頭が追い付かない。そしてその間にグルアーはさっさと広場へ戻ってしまうのだった。

「な……、な、何よそれぇ……」


 その後警備の任務は特に事件も起こらず穏やかに進む。そんな平穏とは裏腹に、メリルの頭の中は混乱で一杯だった。

「どうしちゃったんだろうな、あのお兄さん」

「そうだね……」

 そんなメリルには聞こえないように、ショーマはレウスに囁きかける。記憶が確かならば、グルアーという男は妹大好き人間だったはずだが。

「なんかすごいこと言ってたよな」

「心を洗われたから生涯を捧げる、だってね」

「……お、お前としては気が気じゃないんじゃないか?」

「かもね」

「かもねって……。やっぱお前ならそう言いたくなる気持ち、わかったりするのか?」

「彼女が人として魅力的な人物だというのはよくわかる……、ああいや。グルアー殿は親衛騎士に任命されてからまだ日も浅い。正直理解しがたいな。……しかし、メリルへ向けていた愛情がそのまま矢印の向きを変えたとしたらありえないとも言い切れない……、の、かな?」

 はっきりしない物言いのレウスであった。

「まあ確かに変な人だったしな」

「変とは何よ!」

「聞こえてたか……」

 ショーマの呟きにメリルが怒鳴る。

 確かにメリルにとっては尊敬する兄だったのだ。いきなりあんな告白をされたらショックを受けても仕方ないかもしれない。人の心はわからないものである。


 それからまた少し経つと、こちらへ向けて馬に乗った女性の騎士が1人疾走してきた。代表してレウスが前に立つと、その騎士は隊章を提示して身分を示す。それは軍師団所属を示す物だった。

「こちらにフェニアス様はおいでですね?」

「ええ。広場で視察を行っている所ですが、どうかなさいましたか」

「火急の報せがあります。通してください」

「は、はい」

 騎士は馬から降りて手綱を預けると広場の奥へ駆けていった。

「何だ何だ、どうした」

「王城で何かあったんだろう。火急の報告って言うくらいだ。……まさか」

「魔族か!」

「…………」

「ん? ……おい、レウス?」

「ああ、いや……。確かに気にはなるが僕達は僕達の任務がある。ここはもう少し待機しよう」

「……。ああ、わかったよ……」


 そして数分後。

 王女の視察は中断となり、すぐさま王城へ戻ることとなった。警護の任務を与えられていた隊も同じく、各自帰還を命じられる。

「どういうことだろ。……レウス?」

 当然ショーマ達はまだこの時点で王が死亡したことなど知らない。疑問に感じ、レウスに意見を仰ごうとする。

 だが、

「おい、レウス?」

 レウスは何やら眉根を寄せ、いつも以上に真剣な表情で、それはどこか鬼気迫るとさえ言って良いような顔つきであった。

 ショーマはこれまた知るよしも無いが、レウスは昨日発見したブロウブ家の秘密と、それに伴い生まれた兄への疑念が内心で渦巻いている所だった。

「……すまない、皆は戻っていてくれ」

 そう呟くように言い放つと、レウスは両脚に闘気を纏い凄まじい速度で駆け出していった。

「あ、こらまたそういうことを……!」

 前にもこんな風に勝手に思い詰めて1人で先走ったことがあった。悪い癖だと思うがどうも直す気は無いらしい。

 もちろん理由も告げずに言われたことなど、素直に聞いてはやらない。

「皆、追いかけよう!」

「ええ、もちろん」

 ショーマ達もレウスを追って駆け出した。

「……また何を考えているんだか」

「もはや毎度のことになりつつあるな」

「困った隊長殿ですわね」

「やっぱり、王女様のことかな……」

「……た、大変」

 各自思い思いの言葉を胸に、第1小隊のメンバーは走る。

 目指すは陰謀が渦を巻くブランジア王城である。

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