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ブランジア人魔戦記  作者: 長村
chapter,02
16/104

ep,015 成長の感覚

「大事な話があります」

 集められたショーマ、レウス、セリアに向かって、メリルは厳しい口調で言った。

「お風呂に入る時は必ず他の誰かが入っていないかを! か、な、ら、ず! 確認することを徹底させたいと思います」 

「……何かしたね?」

 レウスはジトリとショーマに視線を向ける。

「お、俺は悪くないぞ」

「君も年頃だし色々あるだろうが、あまりそういうのは良くないと思うよ、僕は」

「そんないつになく真剣な顔して言うなよ……」

 完全に誤解されているようだった。

「私の時も覗こうとしてたの……?」

 一方、軽く泣きそうな顔になっているセリア。

「違う! 断じて!」

「やはりきっちり決めておく必要があるわね……」

「ちょっと待てよ! ……あれだ、ほら、鍵! 鍵付けよう! 中から閉められるように!」

「そうだね。すぐに手配しよう。ついでに女性陣の寝室にも追加で付けておこう」

「それが良いわね」

「改めて言っておくけど俺は本当に何もしていないんだぞ!」


   ※


「本当なんだからな……」

 寝室でベッドに潜ってまでぶつぶつ言っているショーマであった。

「わかってるよ、それくらい。メリルは相手が悪いならちゃんとそう言う子だよ」

 レウスが笑って返す。

「……わかってて言ったのか」

「ちょっとからかってみただけさ。怒るなよ」

「いや、怒ってるわけじゃ……」

「ああでもセリアはどう思うかわからないな、僕じゃ」

「うあああ……」

 本当にセリアとは何も無かったのだが、もし覗くつもりだったと誤解されている可能性もあった。

「明日の朝にさっさと謝っておくと良いよ。今からは……、諦めようね」

 こちらと同様に、セリアはメリルと同じ寝室で寝ている。こんな遅くに謝りに行くのは、また別の誤解を生むであろう。

「今日はもう寝る……」

「そうすると良い」

「はあ」

 ……とは言え、いざ明かりを消して真っ暗になるとどうにも落ち着かない。別の理由で。

「…………」

 今こうしている間にも、闇に紛れて侵入者が現れるかもしれないのだ。

「……なあ、大丈夫かな」

「襲撃されるかもしれないのが不安かい?」

「……ああ」

 レウスはおどけていても、こちらの不安はお見通しのようである。

「結界もちゃんと張ってあるよ。と言っても、侵入を防ぐことよりも確実に探知することを優先した物だ」

「どう違うんだ?」

「防衛結界は、かなり複雑に張れば最上位クラスの暗殺者でも侵入に手こずる。しかし時間をかければ破れない結界は無いと言われているんだ。まあ暗殺者側としても、そこまでするのはターゲットがよほどの重要人物の場合だけだけどね。

 その点、探知結界は守りには向かないが、丈夫で破壊は難しいし、完全回避が不可能なくらい複雑に張り巡らせることが可能だ」

「侵入を許すリスクを負う代わりに、確実に引っ掻けるってことか」

「そう。発見さえすれば脅威は幾分落ちる。もちろん、防衛結界も張っているから、ちょっとやそっとじゃ入ってこれないよ。

 で、後は僕達次第さ。敵がいることにさえ気付けないのは実に恐ろしいからね」

「それは想像するだけで恐い」

「ああ、だから安心して寝ていると良い」

「そうだな……。そう簡単にはいかないけど。

 ……あ、そうだ。睡眠をコントロールするコツとか、無いかな。夜営の時バムスがすぐに起きたり寝たりして驚いたんだけどさ」

「ああ、そういうのは確かにあるらしいね。格闘術の基本を応用したもので、あまり詳しくは無いが、呼吸が大事とか聞くよ」

「呼吸、ねえ」

 とりあえず横になったまま、体の力を抜いて、深呼吸をしてみる。

 気持ちの問題だったかもしれないが、思いの外早く眠気がやって来た。そのまま身を任せると、すぐに眠りに落ちていった。


   ※


 朝。意外と眠れるものだと思った。

 ベッドから起きて辺りを見回すが、変わった様子は無い。隣のベッドはすでに空で、綺麗に布団が畳まれている。

 とりあえず着替えて顔を洗いにいくことにする。


 洗面所で顔を洗った後、食堂へ向かうと脱衣場の前を通ることになる。

 鍵はまだ付いていないが、扉は閉まっている。誰か入っているのだろうか。面倒にならないよう、そそくさと通り過ぎる。

 しかし実に良いタイミングで扉が開く。

「…………」

「お、おはよう」

 脱衣場から出てきたメリルと遭遇する。今度はお互いちゃんと服は着ていたが。どうやら朝から入浴していたらしい。

「まさか、また……」

 メリルはひくひくと口元を歪めている。

「通りがかっただけだって! ほら、あっち洗面所で、こっち食堂。わかる?」

「……わかってるわよ。ちょっとからかっただけ」

 と言って、今度はくすくすと笑いを漏らした

(なんで皆して……)

「……怒った?」

「ん? いや……」

「そ、それに、昨日のあれは、私が……悪かったわけだし……その、ご、ごめんなさい」

 メリルは少し顔を赤くして謝罪する。

「い、良いよ。……お、俺も、あの。一瞬だったから、ぜ、全然見てないし。うん。気にするなよ」

 ちょっと思い出してしまい、ショーマも顔が赤くなる。

「ああ、う、うん。そう、そうね。……あ、じゃあ、行きましょうか」

「そう、だな、うん」

 何やらぎこちない空気のまま、2人揃って食堂へ向かう。


   ※


「あ、おはよう」

 1人で待っていたセリアが挨拶する。ショーマもそれに返す。

「ああ、おはよう」

「私の借りたのベッドね、寮にいたときよりすごく良くってびっくりしちゃった。全然寝心地が違うんだねえ」

 こちらの事情など知らずに呑気なことを言っている。ショーマは寮も良い所だったので、当然ベッドも良い物だった。それはこの屋敷のベッドと遜色無いレベルであったため、そこまで感動するほどでは無かった。だがセリアはそんなことは無かったようである。

「やー……、食事もすごいしお風呂も大きいし、私場違いなんじゃないかなーって、不安になっちゃうよ」

「もうちょっとどっしり構えてなきゃ駄目よ。貴方はもうただの平民とは違って、期待の星であるのだから」

「そ、そうだね、うん……」

「期待の星?」

「騎士候補生120名の中から選抜された2小隊16名の1人。どういうことか貴方にはわからない?」

「いや、まあ……わかる、けどさ」

 そうだ。他の誰をも差し置いて、セリアもまた実戦への参加を許された1人なのだ。それは言うなれば、騎士の座に最も近い人物の1人とも言える。しかも平民の中から選ばれたとなればなおさらすごい。

「……貴方もそうなんだから、しっかりしてよね?」

「うん……。そうだな」

 メリルからそう言うことを言われると、やはり気が引き締まるものだった。

「あ、そうだ。セリア。昨日のことだけど……」

「?」

「俺、覗きなんてしようと思ってないから! 誤解とか、しないでくれよ!」

 良いことを言われてすぐ後にこんなみっともない弁解はしたくなかったが、仕方無い。しないほうがもっとみっともないだろう。

「ああ……、そのことなら……。ふふ、ちゃんとわかってるよ」

「あ、そうなの?」

「うん。昨日の夜メリルから何があったのか、ちゃんと聞いたし。それにショーマくんは、そういうことする人じゃないって、信じてるもの」

「え……?」

 そう言われて、メリルの顔を見る。笑いをこらえているように見えた。

 ショーマの知らない間に、この2人にも色々あったようである。

 ……名前も呼び捨てになっていたし。


「やあ皆おはよう。食事の用意が出来たよ」

 レウスが食堂に遅れてやって来る。

「おはよう。どこ行ってたんだ?」

「鍵の業者に来てもらったり、食事の内容を相談したり。この屋敷は今、僕が管理することになっているから色々あるんだよ」

「大変なんだな。……何か手伝おうか?」

「そうだね。忙しくなったら頼むよ。とりあえず今は良いから、食事をして学校にも行かないと」

「そっか」

 並べられる朝食は焼きたてのパンに新鮮な野菜など、夕飯に比べるとだいぶグレードは落ちたが、やはり美味いものは美味かった。


   ※


 4人揃って学校へ行く。

 レウスは剣術科へ向かうためすぐに別れたので、メリルとセリアの3人で歩いているところだ。

「ちょっと寄り道して良いかな」

「?」

 やって来たのは薬師術科である。

「フィオン」

 昨日頼んだ紅茶の件と、借りたハンカチを返さなければいけなかった。

「あ、おはようございます……。皆さん揃って……」

 フィオンはショーマの後ろに立つメリルとセリアにも頭を下げる。

「これ、借りてたハンカチ」

「あ、わざわざどうも……」

 まずはハンカチを返す。しかし返そうと思ってからまた色々あったものである。

「ハンカチ……?」

「またああやって……」

 後ろで何かぼそぼそ言っているのが聞こえたがあまり気にしないことにした。

「あ、あの、まだ調べ終わって無くて……、ごめんなさい」

「ああ、その事なんだけどさ。悪いけど、もう良いんだ」

「え?」

「俺がどこから来たかは、頼んでもらった後にわかっちゃったんだよ」

「ああ、そうだったんですか……。それは、良かったです」

「無駄になっちゃって、本当、ごめんな」

「いえ、わかったのなら、良いです……。それで、どこから……?」

「あー……」

 振り返ってメリルとセリアに視線で相談する。

 ……どこまで話して良いかな。

 すると、

「私達だけの秘密にしてほしいのだけれど……」

 と、前置きしてメリルが語り出した。


「はあ……、そう、だったのですか……」

 ある理由があって、ショーマは異世界からやって来た、とだけ話すメリル。フィオンも信用してくれたようだった。

「大変、なん、ですね……」

「ん、まあ……。でも頑張ってみるよ」

「……あの、私に手伝えること、あったら、また、言ってください、ね」

「うん。ありがとう。今度何かお礼するから」

「……はい」

 そろそろ授業が始まりそうなので、フィオンに見送られながら3人は薬師術科の教室を後にした。


   ※


「いつの間にか仲良くなってたのねえ」

「いつの間にかねー」

 メリルとセリアが声を合わせる。

「……同じ小隊なんだし、別に良いじゃないか」

「同じ小隊ねえ」

「……なんだよ」

「んー、別にー?」

 何やらトゲのある言い方であった。

「でも確かに、せっかく同じ小隊になったんだから、もっと仲良くできたら良いね」

 セリアが言うと、メリルも同意する。

「そうね。今度フィオンとローゼを誘って、お、ん、な、の、こ、だ、け、でお昼でも一緒にしましょうか」

「あ、良いねえ」

 女の子だけ、を強調して言うメリル。

 それならこちらも男だけで集まろうか……、と思ったが想像しただけですごく空気が悪いのでやめた。

「ねえねえ、お礼って言ってたけど、どんなことしてあげるつもりなの?」

 セリアが聞いてくる。

「うーん、何が良いと思うかな」

「自分で考えなさいよ。それじゃ私、こっちだから」

 メリルはそっけなく言うと、竜操術科の教室へ向かっていった。

「私、ショーマくんがこういう時どんなの選ぶか興味あるなあ」

 セリアも協力してくれる気は無いようである。

「なんだよ2人して……」


   ※


 黒魔法科の授業が始まると、ショーマは指導教員のインギスにあることを頼むことにした。

「上級魔法を、ですか」

「はい」

 また新しく強力な魔法を修得したいと思っていた。しかし上級魔法に格付けされている強力な魔法教本は、他の教本に比べると危険で、価値も段違いであるため厳重に管理されている。

「わかりました。良いでしょう。こちらへ」

 手を着けるためにはまず教員の許可と立ち会いが必要になるのだ。

 インギス教員に連れられ一旦教室を出る。廊下を進み、あまり人通りの無い道を通り、地下への階段を降りていく。

(こんな所があったのか……)

 薄暗い部屋に錠前と魔法による結界がかけられている。インギス教員はそれを解き、重い鉄の扉を開いた。

「今年の学生でここを訪れたのは君が初めてですね。まあ、そうなるだろうとは思っていましたが。予想よりは遅かったくらいです」

「ちょっと、不安だったもので」

「そうですか。力を恐れるのは自然なことです。初めての戦いで一皮剥けましたかな」

「……まあ、力不足は、感じました」

「そうですか。……こちらへ」

 インギス教員は壁にかけられた燭台に灯を点す。その小さな部屋には本棚が1つに、机と椅子がいくつかあるだけだった。教室に備えられた物に比べると、だいぶ古く見える。

 本棚には数えると10冊だけ魔法教本があった。はたから見れば、普通の古臭い本にしか見えない。

「そういえば、『サンダーストーム』は、覚えていたのですよね。……一体どこで?」

「ここに来る前世話になった、老人の家で、です……」

 言われてみれば、こんなに厳重に管理されている上級魔法の教本がオードランという普通の老人の家に無造作に置かれていたのは変な話だと思う。ただの老人では無さそうだと最近思ったばかりだが。

「そうですか。興味が沸きますが、まあ良いでしょう。それは。……どれから手を着けてみますかね」

 インギス教員は10冊の教本を指し示す。

 上級の黒魔法。どれをとっても強力無比な最強クラスの破壊力を持つ魔法だ。迂闊に使えば思わぬ被害を自身にも及びかねない代物だ。

 それを得るためにはどんな魔導師であろうと並大抵の苦労ではいかない。文字に込められた魔力は読む者を拒絶するだけでなく、襲い掛かる程なのだと言う。力無き者は命さえ失いかねないのだ。

 ……だが、ショーマにとってはどうと言うことは無い。

 適当に左端にあった教本を手にし、ページをめくる。

 これが魔法教本である以上、結果は同じだ。魔力は彼に襲い掛かることも、読むことも拒まない。それどころか魔力の方からショーマへ流れ込んでくるような気さえしてくる。次々とページをめくり、流し読みしていても、その文字が頭に入ってきた。

 不思議な感覚だった。知識と一緒に魔力が体に流れ込み、新たな力となっていくのがわかる。

 上級魔法、『バーニングブレイド』。高濃度に圧縮された炎の魔力が巨大な剣の形を取り、突き刺した対象を斬り裂くと共に業火で焼き尽くす。

 本を通じて、そのイメージが脳裏に浮かんでくる。魔法教本に書かれた情報がダイレクトに頭の中に入っているようだった。

 今まで読んだ魔法教本でも似たような感覚はあったが、もっと薄ぼんやりとしたものだった気がする。これだけはっきりとわかるのは、やはり『上級』だからということだろうか。

 最後のページをめくり、本を閉じる。1文字ずつ律儀に読まずともぱらぱらと流し読みしただけで、きっちり頭に入っていった。たくさん読んできたから体が覚えるコツを掴んだのか、それとも最初から普通に出来たことなのだろうか。

「もう、覚えられたのですか」

 インギス教員が教本を閉じたショーマに問いかけた。

「ええ……。覚えました」

 ショーマははっきりと答える。今までに比べると、ずいぶんはっきり『覚えた』という感覚がある。

 同じ上級魔法でも『サンダーストーム』の時はこうはいかなかったものだが。

 ふと疑問に思い、教本を棚に戻し、今度は『サンダーストーム』の教本を手に取り、開いてみる。同じようにページをぱらぱらとめくっていくとわかった。

 流れ込む魔力を感じる。だが勢いが先程の半分くらいであった。言うなれば中断されていた魔力が流れ込むのが再開したような感覚。

(やっぱり、中途半端に覚えてしまってたんだ)

 別の上級魔法を覚えたから気付けたことであった。そう言えばあの時は魔力の流れに動揺して、途中で本を閉じてしまっていたような気がする。……そのせいで初めて放ってしまった時、失敗したのだろうか。

 後悔と共に、また恐ろしさを感じる。だが今は恐がるだけでは無い。それをちゃんと使いこなそうと思う。

「あの、先生。出来るだけ早めにこれ、試し撃ちが出来るようにお願いしたいんですけど」

「良いでしょう。急げば明日か明後日には出来ると思いますよ」

「ありがとうございます」

「……君の力はやはり実に不思議だ。そしてそれ以上に、面白い」

(面白がるなよ……)

「君は何か……もっと凄い物を持っているのかもしれない。その力が花開く日が来るのを、1人の魔導師として私はとても楽しみに思う。そしてその力が、どうか正しいことに使われることを期待します」


   ※


 その日の夜。ショーマはまたレウスと剣の稽古をしていた。基礎鍛練に加えて、実戦的な護身用剣術を習っていた。

「相手の攻撃を避けることと、隙を作ること。魔導師に剣の扱いはあまり向かない。だからこそ相手を剣で討ち倒すのではなく、相手のペースから抜け出し、自分の得意な魔法で攻める。そこに辿り着くまでを意識するんだ」

「こんな積極的に打ち込まれたら、術式組んでる暇は無いぜ」

「そりゃそうだろうよ。ならばどうするか。案の1つとしては、魔法の発動そのものを速くさせることだ」

「魔法の練習も合わせてやらないと駄目そうだな」

「まあ、そこで良い物があるわけだが。……これだ」

 レウスは壁にかけられていた1振りの剣を取る。刀身に何やら模様が刻まれている。

「これ、術式か」

「そうだね。特別な技術で物に直接魔法の術式を彫り込むことで、魔力を流し込むだけで魔法が発動できるようにした物だ。やってごらん?」

 レウスはその剣をショーマに手渡す。

「どれどれ……」

 彫られた術式を読み、必要な魔力を確認してから練り上げて、流し込んでいく。

「おっ」

 すると、刀身が赤熱化したと思うと、すぐに炎が燃え上がった。

「炎の剣、か」

「ああ。常時術式を存在させ続けるという特性上、効果は低くなりがちだが、その分は利便性でカバーということになるね」

「へえ、でもこれ炎の魔力を持つ魔族が相手だったら、むしろ逆効果だよな。他の魔法は発動出来ないわけだし」

「そうだね。ちゃんと使い所は考える必要がある。氷の術式が彫られた剣も持っていれば便利だが、2本持ち歩くのもそれはそれで不便だ」

「なるほどなー」

 色々と戦い方があるものだった。新しく魔法を覚えたり、剣術を学んだりする意外にも知っておきたいことが次々と出てくる。

「時間、足りないなあ」

「そうかな? 捻り出せば結構出てくるものだよ?」

 木の剣を構えるレウスは、不敵そうな笑みを浮かべた。

「……ほどほどに頼むよ」

 ショーマは苦笑しながらも、剣を構えた。

 まずは、無駄口を叩く暇から削っていくことにする。

2012年 03月01日

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