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月の王子様  作者: 憂藍
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第ニ話

ゆっくり更新しようと思っています。また楽しんでいただけると幸いです。


では本編へどうぞ。








目が覚めるとそこには見知らぬ天井があった。いかにもお金持ちですよ~、って感じの大きなシャンデリアがある。あたしは上半身を起こして目を擦りながら見覚えの無い部屋を見渡した。その部屋にはあたし以外に男性が一人、窓を開けて外を眺めていた。すると目覚めたあたしに気付いたらしい、こちらを見てくる。そしてあたしは思った。


どこ、ここ?どう見ても我が家では無いよね。何か部屋広いしベッドも大きいし、寝ている間に一体何が?………もしかしてこれって、誘・拐?



…ありえない、ありえないっ、あ・り・え・な・い~!どうしてあたしはここにいるの!?確か自分の部屋で寝ていたはずなんだけど…。



まさか一夜にして部屋がこんなにも広くゴージャスになるわけないし、呆然としたあたしを見てるあの男性も一体誰なのか…。(見覚えは当然無い)



嫌ぁー、ここどこ!?っていうかあんた誰だー!?何この天井にあるシャンデリアは!凄いジャラジャラしてるし、たかそ~。というかこのベッド凄いふかふかなんだけど!気持ちイイなぁ~。いやいや、それどころじゃないし!!

寝起きでボーッとしているように見えるかもしれないが頭の中はパニックでぐしゃぐしゃ状態。



そんなあたしの心の声など知らずにこちらを見ていた彼はあたしがいるベッドの方に近づいて来た。

思わず身を縮めた。


何か大声をあげたり、とにかく何でもいいから助けを呼ぼうとしようとしたが寝起きだからか、パニックに陥っていたからか声が出なかった。彼はあたしのもとまで来ると大きな広いベッドに腰掛け、優しくあたしの両手を握る。間近で見ると彼はとても整っている顔立ちをしていた。髪は黒に近い深い藍色で、瞳は月の様に綺麗な金色、すらっとした身体、長い脚、身長は高く何処からどう見ても文句の無い容姿をしている。

まさに容姿端麗だ。




彼はそんなあたしを見て顔を微笑ませた。



「そんなに警戒しなくていい、何もしないし、何故此処に居るかちゃんと後で詳しく説明する。」





勿論ちゃんとしっかり明確に説明して欲しい。ここどこ?あなた誰?




「俺はメイビア国の第五王子ジェイド・K・ローレンスという。…前からずっと想っていた、」


「俺と結婚して欲しい」



「………へっ?」



何言ってんだこの人?冗談だよね?何真剣な顔して言ってんの大丈夫ですかぁ~?



「もう一度言う、俺と結婚して欲しい。これは冗談じゃないから…」



「いやいや、まってまって。意味わかんないから。結婚ってあの結婚!?」



あたしは激しく首を横に振って抵抗した。



「いや、だってそんな急に初めて会ったのに普通そんなこと言う?貴方あたしのこと何も知らないでしょう?」



「ラナのことなら何でも知ってる。家族構成、誕生日、血液型、好きなもの、身長、体重、バスト、ウエスト、ヒップのサイズ…」



「嫌ーっ!!止めてーっ!!この変態、ストーカー!!何でそんなことまで知ってんのぉー!?………あれ?あたし名前言ったっけ?」



「だから、ラナのことなら何でも知ってるって言っただろ。」


そう言ってあたしとの距離がどんどん縮まってゆく。愛しそうにあたしを捕らえる彼の瞳はキラキラと輝いているように見えた。頬は微かに赤くなっている。


近い、近い、近いから!!放してよ!!息かかってるから!!はーなーしーてー!!!!


あたしは抵抗した。そしたら突然部屋の扉がバンッ!!と勢いよく開かれた。驚いてそちらを見た。

するとそこには二十代位の金髪頭のイケメンが立っていた。瞳は金緑の珍しい色で、物腰の柔らかそうな人だ。そしてその人はこちらを見ると呆れる様にため息を吐いた。


何!?だっ、誰?次は一体何があるの!?


そして金髪の人は近づいて来るとあたしにへばり付いていた彼を引き剥がした。



「申し訳ありません、ラナ様。このバカ王子が失礼な事を…。」



そうあたしに言うとさっきまであたしにへばり付いていた彼に向き直る。



「全く、ジェイ、貴方って人は…。何をやってんですか。ちゃんと説明したんですか?しっかりして下さい。一応、王子なんですから。」



…?王子?ってこの人が?えっ、えーっ!?



「ここが何処だかは教えた。あと、俺が誰かも。

というか一応じゃない王子だから、悲しいことにな。誰が好きで王子になるかっ、なりたくもない。」



「まぁそれは置いといて、説明は?」



「する前にお前が来た。」



「そうですか。まぁ、結果的に良かったんでしょうけど。全く、来なかったら今頃どうなっていたか。何してたか知りませんけどねぇ、その前に説明を差し上げないと…。」



「あっ、あの!」



「はい、どうかしましたか?ラナ様。」



金髪の人はこちらに向き直り混乱しているあたしに優しい笑顔を向けた。



「あの、王子って?」

あたしの短い質問で解ったらしく金髪の人は直ぐに答えをくれた。



「はい、こちらの方が我が国、メイビア国の第五王子。ジェイド・K・ローレンス様です。」



そう言って彼を見る。

さっき同じことを聞いた気がするけど…。あの時は混乱していて。考えていなかった。

王子って、王子様!?本物の?というか初めて王子様みた。王子様ってやっぱりイケメンなのか。というかさっきメイビア国って言った?聞いたことない国名だ。どう見てもこの人たち日本人じゃあないよね。でも日本語通じるし、上手なんだなぁ。



「あの、それでこの国は日本からどのくらい離れているんですか?地球のどこあたりですかね?」



何かあたし冷静になってきた。とにかく早く帰りたい、日本とどのくらい離れているかは知らないが早く絶対帰る。


そう思っていたあたしに金髪の人は複雑な顔をして衝撃的なことを言った。



「え~、実はここは地球ではなくてですね。その、別世界というやつで…。」



………別・世・界?地球じゃない?日本じやない?へっ???…と言うことは異世界と言うやつか?トリップしたのあたし?


「実は昨夜にラナ様をこの王子が連れてきまして。いえ、連れ攫ってきまして…。」



うそ、ウソ、嘘~っ!!!!

ありえない、非現実的、ファンタジー!?まさかこのあたしが!?異世界トリップ~~~ッ!!!!





何か、!と?が多い気がする…。



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