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特別番外編 SAVE POINT -COLLAB- ~ゲーム芸人フジタは遊びに来ただけなのに、視線が多かった件~

今回の話は、2026年2月14日に開催されたゲーム芸人フジタ来店イベントをベースに

なろう小説コラボ作品として書き上げたものになります。

特別番外編

SAVE POINT -COLLAB-

~芸人は()()に来ただけなのに、視線が多かった件~


序文


挿絵(By みてみん)


きっかけは、一本の連絡だった。


 「今度、安城でゲームイベントやりませんか?」


 ギルド酒場るすとのマスターからのDM。


 愛知にはしばらく行っていないからか、それともただのノリだったのか。


 正直、理由はよく覚えていない。

 だが文面の最後にあった一言が妙に気に入った。


 ――「安城に冒険(クエスト)しに来ませんか?」


 イベントなら全国どこでもやってきた。


 未開封開封。

 神プレイ。

 抽選会。

 写真撮影。


 いつもの流れ。


 だが、“()()”と書かれると少しだけ違う響きがある。


 面白そうじゃないか。


 「じゃあ、行きます」


 軽い返信。


 それだけで、この夜は決まった。


 まさか――

 ()()()()になるとも知らずに。


挿絵(By みてみん)


 愛知県安城市(あんじょうし)

 駅前から少し歩いた場所にある、ゲームバー《るすと》。


 扉を開けた瞬間、フジタは少しだけ首を傾げた。


「……なんか、空気深くない?」


 湿気でもない。

 匂いでもない。

 “()()()”だ。


 店内は木目調。

 ランタン風の照明。

 壁には「冒険者ギルド」の文字。


 GAME × SHISHA × BAR。


 世界観は徹底している。

 だが、()()()()()()()()()()()


 真剣だ。


「ようこそ冒険者よ」


 カウンター奥から、ギルマスが出てくる。


「今日はよろしくお願いします」と俺が挨拶すると、マスターが


「今日は“冒険”だな」と返してきた。


 冒険、ね。

 そういうの――嫌いじゃない。


挿絵(By みてみん)

 イベントの準備のため

 液晶ディスプレイを設置する。

 実機ファミコンを置く。

 配線確認。


 十字キーの感触。

 ボタンの沈み。


 安心する。


 その時だった。


 扉が開く音。


 振り向くと、卸業者(おろしぎょうしゃ)らしき男性が入ってくる。


「酒と食材の納品でーす」


 ビールケース。

 段ボール。

 食材箱。


 ギルマスが受け取る。


「ご苦労」


 その瞬間。


 ほんの一瞬だけ、空気が“段差”を踏んだ。


 フジタは(またた)きをする。


 業者の姿が、一瞬だけブレた気がした。


 ドットが()()るように。


 ……いや、気のせいだ。


「納品って開店前なんですね」


「ああ。()()()()()()()()からな」


 世界?


 大げさだな。


 だがその言葉が、妙に引っかかる。


挿絵(By みてみん)


 準備を続けていると、客席に視線を感じた。


 五人。


 すでに座っている。開店前なのに。二人は若者の男女ペアで、もう二人は、なんかどっかで見たことあるような服装…この日のためにコスプレしてきた、とギルマスが教えてくれた――。あとの一人は外人さん、のように見えた――。


「もうお客さん来てるの?」


「常連だ――」


 ギルマスは淡々と答える。


 見る。


 煙の向こう。


 ドットみたいな配色の服。


 やけに静か。


 笑わない。


 ただ、見ている。


 観測しているような目。


 フジタは首筋にわずかな寒気を感じた。


 人なのに、軽い。


 存在の“処理”が軽い。


 なんだその感覚は。


 目が合う。


 一瞬だけ、時間が止まる。


 (またた)き。


 普通の客。


 ……だよな。


■ オリジナルグッズ即売会


挿絵(By みてみん)


「じゃあグッズ並べます!」


 Tシャツ。

 キャップ。

 ステッカー。


 机に広げる。


 さきほどの客が近づく。


()()ください!」


 ありがたい。


 だが―――。


 手渡す瞬間、指先が一瞬だけ()()()()()()()()になる。


 ズレ。


 次の瞬間、普通。


 笑顔。

 写真。

 握手。


 最高だ。


 でも。


 さっきの五人。


 拍手しない。


 笑わない。


 ただ見ている。


 ()()


 その言葉が浮かぶ。


■ レトロゲーム開封


挿絵(By みてみん)


「今日はこれ、開けます!」


 未開封カセット。


 ビニールを破く音。


 基板(きばん)の輝き。


 客がどよめく。


 差し込む。


 電源オン。


 ……横線ノイズ。


 一瞬だけ、モニターに映る店にいる客の目が()()()()()


 瞬き。


 普通に戻る――


「モニターあるあるですね」


 笑って()()()()


 だが胸の奥が、少しだけ重い。


 ――なお店内にはカレーの香ばしい匂いが充満していた――

 ギルマスが、この日のためにと用意してくれたフジタオリジナルカレーを、来客たちはせっせと食べている。俺も少し味見してみたのだが、深みがあってとてもうまかった。


■ シューティングゲーム(FC)をプレイ


挿絵(By みてみん)


 レーザー装備。


 弾幕(だんまく)


 避ける。


 撃つ。


 避ける。


 本来当たる位置。


 だが、1ドットずれている。


()()()!」


 歓声。


 だがフジタの背中に冷たい汗が流れる。


 “()けた”のは自分か?


 それとも。


 何かが、()()()()


 煙が揺れる。


 ランタンがわずかに揺れる。


 誰も気づかない。



■横スクロールアクションゲーム


 挿絵(By みてみん)

「やっぱ横スクといったらコレ!」


 モニターの中で、ドットの配管工(はいかんこう)が走る。いつもイベントでプレイしている定番のゲームだ。

 誰もが知っているし、俺自身もクリアは余裕だ――。


 ジャンプ。


 アイテム。


 無限1UP。


 安定の神プレイ。


 客が笑う。


 酒が進む。


 シーシャの煙がゆらぐ。


 最高の空気だ。


 だが。


 ファンファーレが鳴った瞬間、フジタは一瞬だけ目を細めた。


 音が――()()


 いつもより、奥で鳴っている。


 まるで、空間が二重になっているみたいに。


 その瞬間。


 客席の五人のうち、一人がわずかに頷いた。


 ()()、とでも言うように。


 何の?


 自分はただジャンプしただけだ。


 だが胸の奥に、わずかな違和感が残る。




■ 風船ゲーム


 お客がリクエストを要請する。

 「フジタさん、あの風船のゲームやってくださいよ!」

 「そうですね、これもご存じの通り名作なんで!いっちょやりましょう。」


挿絵(By みてみん)

 対戦。


 慣性。


 風。


 落とす。


 落とされる。


 笑い。


 盛り上がり。


 その最中。


 時間が、ほんのわずかに()()を踏む。


 落ちるはずのキャラが、0.1秒だけ止まる。


 次の瞬間、普通。


 誰も気づかない。


 だがフジタだけが、ほんの少しだけ遅れて拍手を聞いた。


 音が、ズレた。


 ズレて、戻った。


 さっきから、()()微調整(びちょうせい)している感覚。


 気のせいだ。


 イベントテンションだ。


 そう思い込む。



■ お楽しみ抽選会


挿絵(By みてみん)


「はい! 抽選会いきます!」


 レトロゲームカセット。


 番号を読み上げる。


 当選者が立ち上がる。


 歓声。


 拍手。


 ――その瞬間。


 五人のうち一人が、ほんのわずかに視線を上へ向けた。


 上?


 天井?


 いや、そのさらに奥。


 フジタは一瞬だけ、空気の密度が変わるのを感じた。


 拍手が遅れて聞こえた。


 ほんの一瞬。


 時間が、ズレる。


 次の瞬間には普通。


 完全に普通。


 イベントは大成功。


 グッズは予定していた量を完売。


 ファンと写真撮影。サインもみんなに書き上げる。


 全員笑顔。そして握手。

 つい自然に

「また呼んでください!」と勢いで言ってしまった。

 本音だ。


 なんか、この店。


 ()がある。


酒食百景(しゅしょくひゃっけい)

挿絵(By みてみん)


 イベント後。


 少し歩いて、近所の

 酒食百景(しゅしょくひゃっけい) 松という居酒屋 へ。マスターは「()()()()()()()」と言っていたので半袖で来てしまった――。寒い。

 都内のすぐそこは、30秒、1分とかそれくらいなんだよなぁ、と苦笑いしつつ5分ほど歩いてお店前へ。


 大将に出迎えられ、おいしそうな家系インスパイアのラーメンを食べることになる。

「松海老ラーメン、いきます」

挿絵(By みてみん)


 動画を回す。

 湯気。

 濃厚芳醇な海老の香り。


 一口。


「うわ、これ()()()わ……」


 素直に出る。


 濃厚なのに、重くない。


 今日の疲れが、スッ――と抜ける。


 ラーメンをすすりながら、思い出す。


 納品業者の()()

 ()()()()()()

 ()()()

 ()()()()()

 ()()()()()


 ……全部、疲れだろ。


 でも。


 なんか――

 あの店は、ただの店じゃない。


 説明できない――


 でも、また行きたい。そう思えた。

 こうしてイベントを無事終えた俺は、用意されたホテルに行くのだった。


■ ホテル


挿絵(By みてみん)


 シャワー。


 ベッド。


 携帯ゲーム機を起動。


 今日やった横スクロールアクションゲーム。


 タイトル画面。


 ――横線。


 ノイズ。


 ドットの目が、一瞬だけ赤く光る。


 ()い。


 瞬き。


 普通。


「疲れてんな」


 笑って電源を切る。


 だが心臓が、ほんの少しだけ速い。


 疲労のせいか自然に目が閉じられる。

 俺の意識はゲームの電源を切る前に、ブラックアウトした――。


■ 夢


挿絵(By みてみん)


 荒野。


 遠くに灯り。


 酒場。


 見覚えのある看板。


 RUST。


 ドット勇者が走る。


 その向こうで、五人が立っている。


 こちらを見ている。


 観測している。


 目が合う。


 ――目覚める。


 朝。


 普通。


 何もない。


 ただの夢。


 ただのイベント。


 ただの出張。


 だが胸の奥に残る。


 あの店。


 あの空気。


 あの奥行き。


 また、行きたい。


■ 異層ログ(本人は知らない)


〈外部人間:FUJITA〉

〈再接続意志:確認〉

〈夢層干渉:微弱成功〉

〈観測継続〉

〈排除:不要〉


〈例外ノード“RUST”

再訪時干渉値上昇予測〉



 フジタは知らない。


 ()()に来ただけで、

 ()()されたことを。


 だが。


 それでも。


 また呼ばれたら、きっと行く。


 だって楽しかったから。


 それだけで、十分だ。

後書き


特別コラボ回、いかがでしたでしょうか。


今回は実在イベントをベースにしつつ、

本編世界観に()()しないギリギリのラインで描写しています。


フジタさんはあくまで「普通の人間」です。

しかし――


・準備中の違和感

・納品業者の一瞬のブレ

・観測する5人

・ホテルでのノイズ

・夢層接続


これらはすべて、


「るすと」が()()()()()であることの副作用です。


重要なのは、

フジタ本人は何も知らないこと。


知らないまま、

ただ“楽しかった”。


この「遊び」こそが、

管理側にとって最も解析困難な要素です。


なお、今回登場した“5人”は

今後どこかで伏線回収する可能性があります。2人は読者の方にはよくご存じのキャラですね。

―誰かわかる人は相当な私の作品マニアです。


……もしかすると、

既に本編に登場している誰かかもしれません。


次回からは通常進行に戻ります。


それではまた、ギルド酒場るすとで。


〈コラボスペシャルサンクス〉

ゲーム芸人フジタ様

Youtube https://www.youtube.com/channel/UCQ9u_gVecm0LX13G3EsXXdw

Instagram https://www.instagram.com/tajifumeijin/

X https://x.com/famicom_fujita


〈取材協力〉

酒食百景・松様  

〒446-0022 愛知県安城市浜富町4−17 サンシティオーミ 102

電話 0566-66-8022

Instagram https://www.instagram.com/shushokuhyakkei.matsu/

https://tabelog.com/aichi/A2305/A230503/23068906/


※画像に出てくるゲーム・キャラクターはすべて架空の存在です。

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読んでいただきありがとうございます。
少しでも気になっていただけたら、作品ページものぞいていただけると嬉しいです。

小説家になろう 勝手にランキング
ギルド酒場るすと公式サイト

影森ゆらは今日も死ぬ
女子高生×オカルト×ちょっと変な日常。
そんな空気が好きでしたら、たぶん刺さる作品です。
お気に召しましたら、ブックマークなどで応援いただけると励みになります。
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