宴の始まり
未来は酔いが覚め、優しい笑顔で応じる。哲也の気軽な態度に、心が軽くなる。
「バカね...私が聞きたいから聞いてるの。岡田君の愚痴なら、いつでも聞くわよ?」
「んじゃ、ちょっと吐かせて貰っていいっすか?ビールまた頼んでもいいっすか!?」
未来はグラスを傾け、笑顔で頷く。恋の進展は遠ざかるが、楽しさが勝る。
「いいわよ。今日は特別な日なんだから、岡田君の話、全部聞かせて?」
「山本、アイツなんなん!?」
未来は急いでビールを注ぎ、身を乗り出す。
「ほら、全部吐き出しなさい!山本の何がダメなの?」
「何がダメって……もう全部ですやん!!口から吐く事全部嘘!!それなのに、俺は仕事出来るんだぞ〜みたいに言ってきて、なんなんすかアイツ」
未来はビールを一気飲みし、拳を握る。
「あぁ!あの高慢ちきなヤツ!明日から私が徹底的に指導してやるわ。誰にも触らせないわよ!」
「アレ、指導とか出来るんすか!?もう皆関わり合いにならんとこうって感じで避けてますよ!?」
未来は酔っぱらって声を荒げ、テーブルを叩く。
「避けてるの?だったら私が正面から向き合ってやるわ!あんな生意気なヤツ、上司として黙ってられないわよ!」
「いやいや、そこまでしなくてもいいでしょ。アレはマジで無理ですよ!青田さんも、アイツの指導は無理とか言うてますし、倉田さんにも山本の話は聞いたら負けやから流しとけって言われましたよ」
未来は酔いが少し覚め、冷静に頷く。
「...そう。みんな避けてるのね。じゃあ私から別の方法を考えるわ。明日、部長に相談してみようかしら」
「もう誰か動いてるんじゃないですか?青田さんはそのうち、クビか飛ばされるから待っとけって言うてましたよ?」
未来はお酒の勢いで思わず吹き出し、笑う。
「あら、そうなの?青田さん面白いわね...私も楽しみになってきたわ」
「もうだから、青田さんに諦められるレベルってマジでヤバいレベルやなぁって思います。青田さん、皆可愛がってくれるじゃないですか。僕も始めて合った時、可愛がってもらいましたもん」
未来はお酒で頬を赤らめ、微笑む。
「そうね...青田さんも心配してるのね。私も気を付けて様子見ておくわ。岡田君、今日は色々話してくれてありがとう」
「いやぁ、こちらこそ愚痴聞いて貰ってありがとうございます。先輩、時間は大丈夫っすか?そろそろいい時間ですけど」
未来は時計を見て、少し慌てる。
「あら、本当ね...でも今日は楽しかったわ。また誘ってね?」
「いや、本当こちらこそよろしくお願いします。僕、今の部署に来れて、凄いやり甲斐感じてるので、これからもご指導よろしくお願いします。」
未来はほろ酔いで上機嫌に笑う。
「ふふ...また飲もうね。今日はありがとう、岡田君。」




