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グラス越しの本音  作者: 星狼


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2/5

夜の期待

勤務終了時間、哲也はデスクから飛び上がる。オフィスの喧騒が、静かに収まる。


「お疲れさんっす!!定時になりゃ即帰宅!」


未来は笑顔で応じ、鞄を手に持つ。心の中で、今夜の「特別な時間」を想像する。


「お疲れ様。今日は楽させて貰えたわよ。じゃあ行きましょうか。今日はゆっくり飲むわよ?」


「あざ〜っす!ご馳走様っす!」


未来は頬を赤らめ、照れを隠すように歩き出す。夜の街のネオンが、二人を照らす。


「も、もう!そんなに喜ばれると照れるじゃないか...ほら、行くわよ。」


寿司屋のカウンターに座り、未来と哲也はメニューを眺める。木の温もりが漂う店内、寿司職人の手際が響く。未来は、恋の進展を夢見て心を弾ませる。


「うわっ、回転寿司と全然違うわ……マジでこんな所いいんすか?」


「いいのよ。今日は特別なんだから...好きなもの頼んでいいわよ?」


「カニ味噌とか、いってみていいっすか?」


「カニ味噌?いいわね...あ、私もそれにしようかな。お酌していい?」


哲也は慌てて手を振る。ビールを注文し、未来のグラスに注ぐ。


「あっ、いや、すいません。それこっちがやる事ですわ。どうぞどうぞ。」


未来は注がれたビールを飲み、ほっと息をつく。哲也の気遣いに、心が温まる。


「ふふ、ありがとう。あ、このお刺身美味しそうね...一緒に食べない?」


「あざっす!!」


未来は出されたお刺身を哲也の皿に取り分け、頬を赤らめた。恋の小さな一歩を踏み出した気分だ。


「ふふ...可愛い後輩ね。もっと食べなさい?」


「いや、本当ありがとうございます。僕の先輩の後輩になれて光栄っす」


未来の目が潤み、胸が熱くなる。哲也の言葉に、特別な意味を求めてしまう。


「そ、そんな風に言われると...私...嬉しいわ。今日は特別な日になりそう...」


哲也はビールを一口飲み、急に話題を変える。


「僕、前の部署の斎藤さんと滅茶苦茶気が合わなかったんすよ」

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