怠惰
「分かって欲しいだなんて思ってない」
暇だったらお付き合いください。
「後悔ばっかりしてるな」
今までの人生、と言っても、せいぜい十数年の人生の中で、後悔する事が沢山あるだなんて、悲劇のヒロイン気取りかしら。それとも、構って欲しい?
相手の意図が分からず、じっと目を見た。私は人と目を合わすのは好きじゃないし、むしろ嫌いだ。だけど、この人なら合わせられる。
今日は珍しく、海を見つめて、視線を合わせようとしない。よっぽど、深刻な何かがある様だ。
「後悔なんてした事ないけど」
ちょっぴり嘘を吐いた。今は後悔してない後悔が、一つだけある。まぁ…今は無いからないけど。
「そっか。俺は…知りたくない事ばっかり、知ってしまってる」
…そういう意味での後悔か。でも、それなら、
「知らない事は怠惰だよ。知らない事で救われる事はたくさんあるけど、そんな方法で救われるのは、良い事だと思わない」
きっとそうだ。だから、"彼"は怠惰にならず死んだ。
「そうかもしれない。だけど、怠惰になる方がマシな事だってあるんだ」
わかってる。そんな事。
波の飛沫が、お気に入りのサンダルにかかった。
今日、サンダルで来ていて良かったな。