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奈落に啼くペレグリヌス〜ウェルニクロの女〜【愚痴よりつまらない無価値な小説】  作者: ?がらくた
第1階層 第1章 仮面の青年と緋色の女

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第5話 屍食鬼の報復

金にならないのでやる気がないのと、腹痛で数日休みました。

現時点で自分にとって小説はその程度のものなので、やる気を出してほしい方には支援をお願いします。

怪我が完治し冒険者活動で成果を出すために、金属製の黒鞭に新調した青年が鍛錬に精を出す。

汗を流し呼吸を荒くした彼の修行の後に、エレインは次の依頼を告げた。

どうやらノックスの東方に鎮座する、今では廃墟となった屋敷の付近に屍食鬼(ししょくき)グールやゾンビが徘徊しており、それを排除せよとの依頼のようだ。


「そこに何かあるのか?」

「……いえ、貴方には関係のないことよ」


神妙な面持ちの彼女に訊ねるも、いつものような素っ気ない返答が返ってくるだけであった。

こうなっては此方も言葉を噤まざるを得ない。


「大丈夫よ、冒険には支障を出したりしないから」


きっぱりと言い切り、エレインは彼の元から立ち去った。

とにかく名誉挽回のチャンスだ、これを生かして冒険者としての地位を確立したい。




明々後日にて




筋疲労から回復したNは細長い木々や葉が、まるで独房の金属棒のように並ぶ暗黒の森の中。

腰にぶらさげた薄明かりを頼りに、淡々と歩を進めた。

永劫の夜の世界だというに、天に座すはずの月は闇の帳に隠されたままだ。

その異様な光景が彼に現代から、見ず知らずの世界に送られたのだとハッキリと思い知らせる。

件の屋敷が〝混沌の城〟にほど近い故だろうか。

城から発せられる不可思議な薄明の光は、大地と空を鮮血にも似た紅で満たした。


「……グゥオオォ……」


目的地に着くと叫びとも唸りともつかない、かといって人の言葉とは呼べぬ、腹の底から漏れ出た憎悪や未練。

そんな情念を生者に伝えようとする心が、2人の耳を震わせる。


「例の魔物たちか?」

「ええ、でしょうね。獣の気配が付近になかったもの。魔物が食らったのね」


言葉を交わす間、何処からともなく足音が聞こえた。

黒ローブの荘厳な服装と盃、メイドエプロンにフライパン、安物のリネンを着た剪定用の大きな鋏……

生前の衣服を身に纏い、道具を持つそれは、船に打ち上げられた魚のように生気を失っている。

儀式を経ずに埋葬された遺体の成れの果てが、彼らグール、ゾンビだ。

口元の剥がれ落ちた皮膚と腐敗した肉片は、ピエロのペイントの笑顔のように、不気味で不快な表情を形成した。

体を食い破る蛆が蠢くと表情筋が動かすように、彼らの個性が際立った。

魔物が唸り叫ぶと黄ばむ歯から漂う、腐敗した卵のような刺激臭が2人の顔を歪めさせる。


「あれが怪物か。エレイン、早く片付けよう!」


青年は脚を開き、深く腰を落として、金属の鞭の持ち手を握り締める。

その姿はまさに居合術を主とする、刀の達人のような振る舞いであった。


「居合・抜鞭ッ!」


腰の捻りと腕の振り、遠心力。

黒の鞭は蛇が獲物に目掛けて蛇行するかの如く、空をなめらかに曲がりくねり……そして銃声のような大きな音を立てた。

瞬間、腐肉を切り裂き魔物の腕の骨が軽々と弾けていく。

手当たり次第に見て学ぶ戦闘術、それが早くも結実したのだ。


「ウゴァ……」


しかし胴体の一部の欠損など物ともせず、こちらに向かってきた。

兵士が匍匐前進するように地を這う者。

骨折したように脚を引きずる者。

プロレスラーが相手を挑発するように、直立して一定の動作を繰り返す者。

―――群衆の襲い方に統一感はないが、ただ冒険者の殺戮という統制された意思の元に、我々を襲撃する。


「クソッ、いい加減にしろ!」


後退しながらも手首で鞭を振り回し青年が振り下ろすと、直撃した鞭の先端は爆裂音と共に、魔物の脚が千切れ飛ぶ。

スリング使いから学習した動作が役立った。

数では不利だが動けなくすれば……エレインは何をしているのか?

様子を窺うと彼女は眉間に皺を寄せ、何やら苦しんでいた。

魔物の肉体から飛び出した青白い煙のようなもの―――霊魂から


「……呪われよ……不義により産まれし……姦濫(かんらん)の娘よ……永劫に輪廻し……悠久の刻を……孤独という名の煉獄に焼かれるがよい……」

「……ハハッ……あの娘の存在自体が生き恥なのよ……」

「……シッ! ……に聞こえるわよ……続きは部屋でしましょ……」


悪罵を浴びせられ、執拗に責め立てていたのだ。

しかしその内容は聞くに堪えない誹謗の類でなく、エレインの事情を知るような口振りだ。

不義の娘とは、何を意味している?

断片的にしかわからぬ記憶を頼りに、推察を働かせるのは後だ。

なんとかして彼女を止めねば……だがまずは魔物の頭数を……

頭の片隅で考えつつ戦闘に臨むと突如、天を仰いだ凶刃が振るわれ


「ウグァッッッ!」


その一撃は容易く胸当てごと、彼を袈裟斬りに引き裂いた。

しかし下に着衣した網目の鎧が、青年の命を繋ぐ。


「……グハハ……よいぞ、もっと血で満たせ……緋色の鎧は飢えている……」

「……やっぱり血は争えないのね……愚図の血筋は……」

「ううっ、やっ、やめなさい! さっきから意味不明なことばかりまくしたてて! 私に関わらないで!」


左手で頭を抱え抗うも、限界の様子だ。

痺れるような感覚に襲われ、肉体は麻痺したように動かせない。

アニメや漫画のキャラクターは骨折をしても冷静に状況を俯瞰しているが、あんなものは嘘っぱちだ。

激痛が思考を則り、それ以外は頭から抜け落ちてしまう。

―――生存せよという命令が、全てを支配した。


「あぁ、絶対絶命の状況だ。これでは戦うどころではない」

「……なんだ、幻聴か……死者の世界が……すぐそこなんだな……」

「ハハッ、人間の反応は示し合わせたように同じだね。ま、もう慣れたけど」


陽気に笑う場違いな声は、異世界に転移した際に耳にした声と瓜二つだった。

何が目的なのだ、こいつは……しかしそんなものに構う気には到底なれなかった。

……痛い……イタイ……もう、終わらせてくれ……


「そのまま逝くのかい? 君さえよければ現状を打破する強大な力を与えてあげようか? その前に1つ問う―――力で何を為したいか、その願いをな」


絶望的な戦況だ。

モタモタしていれば、ただ死を待つだけ。

もう受け入れねばならないのか―――悪魔じみた契約を。

拙作を後書きまで読んでいただき、ありがとうございます。

質の向上のため、以下の点についてご意見をいただけると幸いです。


好きなキャラクター(複数可)とその理由 好きだった展開やエピソード

好きなキャラ同士の関係性

好きな文章表現


また、誤字脱字の指摘や気に入らないキャラクター、展開についてのご意見もお聞かせください。

ただしネットの画面越しに人間がいることを自覚し、発言した自分自身の品位を下げない、節度ある言葉遣いを心掛けてください。

作者にも感情がありますので、明らかに小馬鹿にしたような発言に関しては無視させていただきます。

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