第4話 雌伏の時
所詮、世の中は結果と自身の利益が全て。
・異世界恋愛
・婚約破棄
・追放もの
・短編恋愛
・Vtuberに転生etc
時流には疎いので正確かは知りませんが、これらのような売れ線でなく、よくあるテンプレートに則らない作品の自覚はあります。
ですから無償で投稿し続けて書籍化……という未来は永劫に訪れない。
小説家になろうにおいてウケる作風でもなく(1人称ではなく、無駄に暗い作品)、地の文も必要だと感じたら、それなりの長さで挿入するので、こういう部分もテンプレート作品を頭を使わず、惰性で読みたい側からすれば〝ウザい〟のでしょう。
人気の設定などを模倣しておらず、読者に称賛(世間一般でウケるかはともかく、web小説界隈ではアクセスが稼げるし、書籍化までこぎつける)される要素はないので、今まで通りの落胆するだけの結果が待ち受けているかもしれません。
ただ評価する読者の需要に応えた作品より、自分が面白い、読ませたいと思ったものを作りたいので、今回も所謂テンプレ作品ではありません。
ただ前述の通り結果が全て、結果がでなければ、創作などちっとも面白くない。
なので評価が芳しくなければ継続しても、将来の自分に利得をもたらさないと判断し、容赦なく拙作「奈落に啼くペレグリヌス〜ウェルニクロの女〜」を打ち切ります。
現時点では無償公開範囲は序章から第1章、第2章までのどちらかの予定ですが、無償で投稿して
アクセス数稼ぎや将来的な金銭に繋がる=ファン層の獲得=メリットがある
と判断すれば、第3章、第4章と無償での公開範囲を広げていくかもしれません。
なので作品を支える意志のある方は評価、コメント、いいね、レビュー、外部サイトでの小説購入などの形で行動し、作者への支援をお願いします。
作者は評価や支援をしてもらい気分よく筆を進め、読者も提供される作品を楽しむという、双方が利益を享受する、win-winの関係となれれば幸いです。
長々と語りましたが、本編にどうぞ。
夜の街の訓練場にて
怪我の療養から明けたNobodyはエレインとマンツーマンの鍛錬を行うべく、訓練場へと足を運んだ。
几帳面な彼女は約束の時間よりも早く訪れ、淡々と屈伸をし体を温めていた。
「N、病み上がりだし多少は手加減してあげるわ。しっかりと準備運動しておきなさい」
「ああ……」
Nも促されるままに、エレインの真似をする。
2人のやりとりに、これから起こるであろうことを察したのか。
恐れをなした冒険者は遠ざかり、奇異の目を2人に向ける。
片や仮面をつけた不気味な男、片やあらぬ噂が立った気難しい女。
だが関わってはならないと理性が拒んでも、危険なものは興味と関心を惹く。
結末と成り行きを、まじまじと眺めていた。
「準備はできた?」
「問題ないが、1ついいか。いつもの剣ではないのか?」
絢爛な装飾が施されておらず、剣の鍔に宝石が埋め込まれていないので、一目して普段とは別の剣だと判別できた。
「これは刃のない訓練用の得物よ。だから安心して、死にはしないから。でも覚悟して、容赦なく叩きのめすから」
Nの問いに真剣な眼差しで高らかに宣言し、緊張で場が張り詰めた。
本気を受け取る青年が深呼吸すると、胸の内に静寂が訪れた。
エレインにだけ意識を集中し、次第に周囲の雑音が遠のく。
「合図は……そうね。あのスリング使いの男が、木の板を壊してからにしましょうか」
報せると周囲は上半身が裸の大男に、釘付けになる。
勝手に試合開始のゴング代わりにされたとは露知らず、例の冒険者は思いのまま紐の輪に手頃な石をはめこむ。
折り曲げた右腕を上げ、振り回した紐は円を描き、徐々に速度を増した。
そろそろだ、彼女と戦闘になる……握る拳に力がこもった。
静まり返る空間にビュッ、ドシャッ!
紐が音を超えて風を切り、木の板を貫通する音が響き渡ると同時に、エレインは一気に間合いを詰めた。
鎧を纏っているせいか、予想よりも動きは鈍い。
だが自分を制する明確な意志を持つ存在が、絶え間なく鼓膜を震わす金属音を轟かし迫るのは、なかなかに迫力があった。
左腕に巻きつけた盾で顔を隠し、先制の一撃を受け止める。
致命傷は負わずとも盾越しから腕はじんじん痺れ、威力の大きさを肌で感じた。
「それでいいのよ。さ、来なさい」
青年は双眸を細めて次の動きを待つも、彼女の指示を受けて鞭の持ち手に力を込めた。
戦闘経験の差を埋めようとしても、そもそも訓練すら数週間の積み重ねの自分が勝とうなど無理筋だ。
ならば攻撃あるのみ、一撃で勝負を決める他ない。
「せぇいっ!」
一閃した鞭打は彼女の顔を目掛けて向かっていく。
全身を鎧で武装している以上、狙う場所はここしかない。
当たってくれ! 当たるな!
エレインへの遠慮からか、相反する感情が共に湧き上がるが
「甘いッ!」
彼女は身を低くし躱すと、すぐさま体勢を整える。
そして横に薙いだ一撃はNの回避を許さず、革の鎧に容易く傷をつけた。
致命傷を免れるための防具とはいえ、鎧越しから伝わる衝撃までは防ぎようがなく。
吹き飛ばされた青年は鋭い痛みに顔を顰め、堪らえようと奥歯を噛む。
だが抵抗も虚しく次の瞬間、吐血でもするみたいに、ゲホッ、ゲェッと体全体を揺らし咳く。
既に敗色濃厚な彼にトドメを刺すかの如く、首には刃の切っ先が突きつけられ
「……私の勝ち。これで終わりじゃないわよね。次にいくわ」
と、エレインは呟いた。
冷徹な無表情は戦場の無慈悲を知り尽くし、生命の奪い合いに一切の感情を持たぬように映る。
しかしそんな彼女の助けがなければ、命はとうになかったのだ。
「……まだまだ……」
よろめきつつも立ち上がり、青年はさらなる実戦に向けた指南を願い出た。
その覚悟に薄く笑む彼女との稽古を終え、玉の汗を額に浮かべた青年は疲労のあまり、地面にへたりこむ。
「訓練自体の問題もあろうが、そもそも威力が足りないのか。どう工夫すべきか……参考になる動きはないか、他の冒険者を見てみよう」
オークにエレイン、心の奥底にこびりつく度重なる敗北。
迅速に改善せねば冒険者としての活動など不可能だ。
脳味噌にある大量の反省材料を、どれから改善すべきか。
だがまずは長所を生かすべきかと思い立ち、周囲に視線を向けた。
「おお、これがスリングか。実物をゆっくり観察するのは初めてだな。紐に括り付けた物が1回転して放たれるのか……これも鞭と同様に投げる瞬間、先端部分の速度が音を破って……」
先ほど合図にした男が拾い上げたただの路傍の石が、分厚い金属の鍋蓋を貫く。
原始的な投擲武器でありながら、その威力たるや近代兵器に勝るとも劣らない。
シンプルながら練達の域に達した武器使いにおおっ! と青年は驚嘆の声を発した。
「なるほど、他には……刀を使う冒険者もいるんだ。腰から一瞬で獲物を抜く剣捌き……目にも止まらぬ速度で竹を切り捨てたな」
目移りすると目を奪ったのが、十字型の木製の台に固定された、何の変哲もない竹。
相対するは後ろ髪を一本に束ねた、紅髪の刀剣使いの冒険者。
眼前に怪物が現れて邂逅したような、眉に皺を寄せた力強い眼差しで竹を凝視する佇まい。
―――この男、只者ではない。
口を窄めて深呼吸し、瞳を閉じた刀剣使いは極限の集中状態に達したのか。
目にも止まらぬ素早さで斜め、横、斜めと刹那の暇で切り落とし、衰えぬ絶技を確認し訓練施設を去る。
「武器は違えど、動き自体は参考になりそうなものもあるな……」
自らの力を蓄えるべく水を吸う乾いたスポンジのように、青年は様々な技術を学ぶのであった。
拙作を後書きまで読んでいただき、ありがとうございます。
質の向上のため、以下の点についてご意見をいただけると幸いです。
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作者にも感情がありますので、明らかに小馬鹿にしたような発言に関しては無視させていただきます。




