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ヌコサの島守  作者: 舵 登山
始章
67/75

ヌコサ伝  外伝  分身の苦労

 ヌコサの分身は、4人居る。



右手の分身:攻撃が上手い


右足の分身:足が速い。


左足の分身:回り込み戦法が得意。


左手の分身:4人の中で、魔術が最も上手





今回は、ヌコサが仕事をサボる時、いつも本体の代役を務めさせられる、“左手の分身”の苦労について、語っていこう。







 朝6時、夜の番をしていた“左手の分身”は、いきなり本体に姿を消される。



ヌコサ曰く、


(ヌコサ)「起きたから、もう用済み。」


とのこと。




この時の”左手の分身“、いつもこう思っている。


(お礼くらい言いなさいよ)




これに対し、魔法使いの白里は、ヌコサに対し、こう言った。



(白里)「夜に寝ないで灯台のお守りをしているんだから、お礼くらい、言ってやってもいいんじゃないの?」



しかし、ヌコサは白里の助言に、この様に反発した。



(ヌコサ)「あれ、私が起きた後すぐに、部屋が散らかってるだのもっと早く起きろだのうるさく言ってくるのよ。だからああ言うのは、使う時に出して、用が済んだら消す。という分身魔法の使い方をした方がいいのよね。」





白里は、“左手の分身”に、何度か会っているが、いずれも塩対応してくる思い出しかないため、これ以上何も言うことはできなかった。






 午前9時、ヌコサは買い物に行く準備をしていた。



しかし、今ヌコサが買い物に出かけると、灯台の中には、誰もいなくなってしまう。



どうする!ヌコサ!



…大丈夫だ、問題は無い!仕事は全部”左手の分身に任せればいいのだ。




と言うことで、



(ヌコサ)「我の分身、我の左手の分身よ。今、ここに現れよ。」



分身魔法を発動。出てきたのは案の定“左手の分身”だ。




(本体)「買い物に行ってくるから…。」



(左手の分身)「はいはい。大人しくしてればいいんでしょ。」



さすが、本体から切り離される様にして出現させられた分身なだけあり、本体の考えていることは、お見通しのようだ。




(本体)「じゃあ、行ってくるね!」





ヌコサ本体は、そう言って、どこかへ消えてしまった。




(左手の分身)「今日は運が悪いだけだ。明日はきっと、“右足の分身”が留守番をすることになるだろう。」




 分身は、本体の影響をとても受けている存在だ。



実際、ヌコサ本体は、モンスターと戦う時、随分と冷たい表情で、なるべく相手に触れないで、強力な結界の餌食にすることが多い。



左手の分身は、こういった性格が表に出たような存在なんだろう。









 この後、左手の分身は、出されて消えてを繰り返し、このようなセリフを放った。



(もう今日は勘弁してちょうだい)

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