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ヌコサの島守  作者: 舵 登山
始章
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ヌコサ伝  第二話  潮風

 白里は、潮風を浴びながら、箒を飛ばし、ヌコサと話していた。




(白里)「君はヌコサって言うんだ。」




(ヌコサ)「うん、お母さんがつけてくれた名前だよ。」



(白里)「んで、君はどんなところに住んでいたの?」



白里が問いかけると、ヌコサは俯いてしまったので、白里は、問いを変えることにした。



(白里)「じ、じゃあ、好きな食べ物は?」



すると、ヌコサは少し笑顔を取り戻し、



(ヌコサ)「ジャガイモにバターを塗って蒸したやつ。」


と、答えた。





(白里)「見えてきたよ。あれがアリカベ向島、僕の家があるところさ。」



白里は、かなり高速で飛んでいた。


それなのに、二人が箒に跨っている時間は、数十分と、かなり長い間移動していた。


つまりヌコサは、それほど遠い場所にある島に、連れてこられたということだ。





(ヌコサ)「白里…の家は、どこにあるの?」



(白里)「それは今案内するから、ちょっと待ってね。」




白里は、そう言うと、高度を下げ、地面に降りた。



(白里)「さあ、僕の家はここだよ」



白里の家は、少し狭い平屋の一軒家であるが、生活には困らなそうな見た目をしていた。


その家の玄関を見つめる場所から見て、右隣には、本屋があり、左隣には、印刷屋があった。





(白里)「さあ入って。僕の家へ。」



白里の言うままに、家の中に入ると、そこにはかなり大きな本棚があり、魔道書や数学に関する本で詰まっていた。



(ヌコサ)「これ、なんて読むの。」



ヌコサが指差した本をみて、白里は、


(白里)「どれどれ…『新編 属性別魔法相性解説 付録4 土属性魔術詳細解説』…ヌコサって、字、読めるの?」


と言った。



(ヌコサ)「まだ読めない。」



答えはあっさりと返ってきた。



(白里)「そうか…じゃあ僕が教えてあげないとな。」



白里は、そう言いつつも、風呂に向かい、釜を炊いた。




(白里)「その前に、お風呂に入ろっか。」



塩臭さが体についていたヌコサは、



(ヌコサ)「うん。」



と、素直に答えた。

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